エストニアの聖なるカンフーマスターのレビュー・感想・評価
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(いい意味でも悪い意味でも)2024年ベストのネタ映画か…
今年364本目(合計1,456本目/今月(2024年10月度)15本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
この映画、確か放映前の予告編などでは「みない人は見ないだろうが、100回見る人は100回見るだろう」みたいな予告編だったと思うのですが、まさにそれのような気がします。
エストニアかどうか…というのも本質論ではなく(ただ、当時のソ連の影響があったのか、ソ連ネタは一部出てくる)、キリスト教も絡めたコメディ映画で、カンフー映画というかというとそれも違うという困ったところです。
かつネタ映画(普通に言えばB級ないしはC級映画)のお約束の通り、意味がまるで謎というのはまぁまぁあるんですが、個々個々見た場合、キリスト教がテーマになっている(修道士がどうこうという話なので)ため、個々の日本語字幕自体は日本語としてはやや高度である一方で全体をつなげるとまるでわからない…といったネタ感がかなりありそうなところです。
またこれまた評価も分かれると思いますが、話の「飛びよう」がすごく、最初こそ教会内でカンフーがどうのといった話ですが、後半になるとKGB(ソ連国内ないしソ連の支配下にあった諸国での秘密警察)がどうだの、果てにフェミニズム思想がどうこうといったまるで脈略のない話に飛びまくるので(カンフー映画でキックが「飛ぶ」のと同じく、話の脈略の「飛び」具合もすごい)、まるで何がなんだかわからないまま終わってしまう(ちなみにエストニア映画等見る機会など当然超レアで、「おしまい」に当たるエストニア語?も出てくるが、当然わからない)というのがアレで、判断がかなり分かれるかなと思います。
そのことが最初に書いた、あるいは予告編などで言われた「観ない人は見ないだろうが、100回見る人は100回見るだろう」というネタっぷりで、見るみないが極端に分かれるB級たたっぷり成分といったところです。
ただ、映画としては「ネタ」ないし、まあ評価上「少しわかりくい」(当時の共産主義などを知らないとわからないネタがある?)のはあるとしても、この映画がネタ映画であるのはここでもあるいは、予告編でも明らかだったし、観客を不愉快にさせるような字幕や展開にもなっていないので、大きくは引かない主義です。
採点は以下まで考慮しています。
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(減点0.3/ところどころ出る字幕がかなりわかりにくい)
・ この映画、章立て(チャプター形式)を取っているのか取っていないのか不明ですが(仮に取っていても話の飛び具合が無茶苦茶なので章立てに意味がない)、ところどころエストニア語?が出てきて日本語字幕が出ますが、これらは「ハレルヤ」や「修道長の何とかキック」だのところどころでてきます。ただ、それらが章立てなのか単なる表現なのか(そのうえで日本語字幕がついているのか)わからず、ネタ映画でわかりにくいところさらに理解を妨げているところはちょっと工夫の余地があったのかなといったところです。
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ブラック・サバスというよりはチープ·トリック。
ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!のような感じかなと、新宿武蔵野館へ。
ピアノ線で吊られて針葉樹林の上を飛んで行く黒い革ジャンの男たち。長髪のカツラをかぶったなんちゃってアジア系の3人の男が中国ロシア国境の警備隊を素手とヌンチャクだけで全滅させるところから始まる。
ひとりだけ生き残った下っ端の警備隊員のラファエル。ブラック・サバスのファンで、母親と二人暮らしの自動車整備士。変てこな男。酒場で女をめぐってボコられて、カンフーマスターが経営する男だらけの修道院に弟子入り。
燃えよドラゴンを観たのは中2、ブラック・サバスのアルバム、血まみれの安息日を聴いたのは中3だったから懐かしかったけど········😅
マリア様???がハチミツの涙を流すキセキをラファエルが起こす。
修道院長役が山谷初男に似ていた。
主役の男は常田富士男とムロツヨシを合体させたような芸風。
ライバル関係となる若い修道士はイケメン。酒瓶回収の彼女は石田えりっぽくってよかった。
ドタバタだからかなのか?キリスト教の教えがよくわからないせいなのか?さえよくわからないほど、よくわからない映画だった。
エストニア関係あるの?
ラブ&ピースってことでいいんでしょうか?それともまだまだ修行が足りないのでしょうか?謙虚さが足りないのでしょうか?
エンドロールを見ながら、これ新作映画?
もしや55年ぶりのリバイバル上映か?と思いましたわ。
65~70点ぐらい。B級カルトなコメディ映画
開始から数秒で、絶句!!
あー…ダメだ…この映画…と、あきれつつ鼻で笑いながら半信半疑で観ていると、ブラックサバスの黒く重たい曲に、カンフーを操る革ジャンの男(笑)
なんかオシャレな、ツボるシュールなコメディ具合。
シュールな感じからデヴィッド・リンチっぽさも感じていると、ルースターズの「ロージー」にソックリな曲も流れ、テンションがブチ上がり!!
開始15分が経つころには、傑作かも?と期待して観だしたけど、最終的には迷作で怪作で落ちついた(笑)
エストニアとカンフーとブラックサバス、そこにコメディ、この化学反応がスゴイ(笑)
そして、音楽がイイ!!
あんなダークでシリアスな『ノベンバー』と同じ監督と知って、ビックリ!!
その『ノベンバー』にも出てたリタ役のエステル・クントゥは、なんかエマ・ストーンに似てる。
お馬鹿っぽいアホっぽい映画だけど、古いフィルムのように時おりノイズが走ったり、計算つくされて作られてるのが分かります。
エンドロールもオシャレで良い。
僕は好きですよ(笑)
カンフーとメタルに装飾されたB級アクション映画・・・に見えるけど実は、
多分10人中9人は「監督は一体全体何がしたいんだ??」となる映画なんだが、とりあえずカンフーする修道士のおじいちゃんたちが可愛いので観て損はないです。
長老役の役者さんはファイトコレオグラファーらしい。どうりでスタント使ってないのにあんなに動きが軽やかなはずだ。おじいちゃん格好良い。
カンフーとメタルに装飾されたB級アクション映画…に見えるけど実は内面的修行の話である。
<以下ネタバレあり>
餃子を投げ合うシーンを見ながら「一体何を見せられているんだ…」と思いつつ、ふと長老の助言や修行の内容にデジャビュを感じる。あれだ、本質的なテーマはパウロ・コエーリョの「星の巡礼」と同じなのだ。あの本もキリスト教の修行の話でありながら突然野犬と闘ったり穴を掘ったりする話だった。一見何やってるのかよくわからないが、つまるところ、序盤で長老が言うように「謙虚」が話のテーマである。
この話の主人公ラファエルは実のところ何も成し遂げてない。長老の助言にもろくに従ってない。それにもかかわらず彼に触発されイリネイは自分の嫉妬心と向き合うことになるし、リタは本音をぶちまけ自分を解放するし、長老は後継を決めることになる。結局ラファエルは神様が寄越した触媒なのだ。
「星の巡礼」もそうだが、自分が手に入れることを諦めて初めて手に入れる資格を得ることがある。謙虚さによって道が開かれるのだ。
修道士役は地元の人たちを起用したらしい。ちょこちょこ一列で動いたりバケツリレーする様がなんとも可愛い。
いわゆるB級映画だと思います
起承転結すべてが意味不明ですが、聖なる、っていうところに関してはかなり誠実なところは感じるし、時代背景とか愛とかの描写なんかも結構絶妙なものを感じたので、なんか笑えます。
とはいえ、かなり、というか痛すぎるくらいのナンセンスが永遠と続くので、なかなかつらいものがありました。色んなものをごちゃ混ぜにしていますが、その脈略も魂胆も全く分かりません。
無の境地で観賞する気でないと、笑えないような・・・少しでも邪念が入ると、意味分かんねー、となること必至。
カンフーコメディというより修道士コメディ
IMDbに「合わない人には合わないが、好きな人は100回観るだろう」という強烈なキャッチコピーをつけられた、「ノベンバー」のライナル・サルネット監督の青春コメディ。私は割と合う側の方で、また観たいと思えるくらいには楽しめました。流石に100回は無い(笑)
予告を観る限りでは、エンタメに振り切ったコメディかと思っていましたが、少し違いました。前半こそテンポの良い、まさにブラック・サバス✕カンフーのシュールなコメディなのですが、中盤以降、宗教観やら愛についてやら始まってカオスな展開に。コメディ演出も抑え気味になり、人間臭い雰囲気が漂います。多分、このあたりが賛否分かれるところなのかと。終盤はなんだか感動的。ちょっとウルッときましたよ。
カンフーコメディというより修道士コメディとして観たほうが良さそうですね。「謙虚、謙遜」とか「悪魔の誘惑」とか、キリスト教絡みのストーリー展開になっているので。爆笑ネタはありませんが、小ネタでクスクス笑わせてくる感じです。
音楽については、ひたすらブラック・サバスが轟音を響かせております。加えてグレゴリオ聖歌(多分。よくわからん)なんかも流れてなかなか良い雰囲気。この2つの音楽の対比は全編通してのテーマのメタファーだったのかなと思うと感慨深いです。ブラック・サバスというバンドの背景を少しでも知っているとより楽しめるかも。
前半のコメディ全開!からの少し落ち着いた雰囲気の展開には驚かされましたが、なんやかんやでみんなハッピーです。これでいいのだ。
苦行
変な映画なのは分かってたから良い。
最初の10分はとても面白い。まさに「聖なるカンフーマスター」がブラック・サバスに乗って(自分で止めたり)大暴れする。
しかし、修道院に行ってからはずっと同じようなグダグダが続く。これあと1時間半か〜、と気が遠くなって目覚めてもまだ同じ。苦行だった…
いいこと、言ってんだよなぁ、愛とか
始まり方は面白い!4分近くセリフがないんだけど、面白い!わかりやすいワイヤーアクションだけど、昔のカンフー映画っぽさもあって良かった!
効果音の入れ方も香港映画っぽいよね。ちょっとくどいけど、そこは「こだわり」としておきましょう。
ダンスバーでのシーンなんかはインド映画っぽさもあったね。革ジャン着て昔のアメリカンスタイルっぽいのも一周回ってカッコいいよね。
カッコいいといえば、ブラックサバス!アクションシーンに合ってるよね。「カンフー+ブラックサバス」で十分美味しい。そこに「エストニア」という民族性が加わって、面白いケミストリーを生んでるよね。
ただそこに「信仰」を加えることで、逆に振り切れることが難しくなったのかも。カンフーマスターになるために信仰を深めるってプロットが「正しさ」ベースになっちゃったんだよね。「信仰心」と「俗世間」のはざまで、っていう葛藤が作風とうまく噛み合ってない部分があるというか、、、
ま、邦題に「聖なる」ってついてるのはここの部分からなんだろうけどね。昔のカンフー映画だったら例えば「少林寺木人拳」のテイストかなあ?あれも信仰の場で修行するって内容だけどさ。
色んな要素を足していって、よく分からない色になっちゃいました、って感じかな。これはこれで好む人多いから面白いとは思うけどね。個人的にはゴールが見えないというか、、、カンフーマスターになりたい動機があってこその修行という流れが欲しかったというか、、、
インパクトはあるし、嫌いじゃないんだけど、ちょっと毒気が物足りないって感じかなあ。比較にはならないけど「サイコ・ゴアマン」くらいの「毒」が欲しかったなあ、と。
ヘンテコ映画の最高峰。
ヘンテコ映画です。
まずそれは言っておきます。
けどこれ見に行く人、そういう映画だと思って見に行くわけでしょ?
はっきり言いますが、良さをわかんない人は見なくていいです!
だって見ても何の得にもならないし、何もいいことないから(笑)。
しかし、ヘンテコ映画としては、全く隙がない、凄まじい出来栄えかと思います。
この種の映画の最高峰と言っていい。
まかり間違って生涯最高の映画と言ってしまうおかしな人がいてもおかしくない!
これ、真面目に褒めてます。
とにかく気合いが入ってるのは間違いない。
どうしてこんな変な映画にこんなに真面目に力を注げるのか謎ではあるけど(笑)、そのわけのわかんなさがまたよい。
主人公は結構イケメンでスタイル良くて華があるし、動きもシャープ。
もちろんすごいおバカなんだけど、なんか気骨があるというか、悪ふざけが悪い方にいってイラッとするようなとこがない。
脇を固める俳優陣も堂々としたもので、完成度が高くてキャラも立ってて、実はみんなかなりいい役者さんだと思う。
ヒロインというか、役どころのよくわからない女の人、ちょい太めだけど表情がとても魅力的で、ハマり具合が素晴らしい。
マスター?たる老神父たちも、何がしたいのかわかんないんだけど存在感あって、あと妙に仲がいいのが微笑ましくて(笑)。
KGBだかなんだかわからない老紳士も上品さとバカバカしさのバランスが絶妙で、あと何気に服がオシャレ(笑)。
全体に衣装はセンスいいです。
その他アクションとかも実はよくできてるし、セットも凝ってるし、風景の映像とかも美しいし、全てにおいて、腑抜けた薄味な感じは全然ないです。
そりゃ変な演出はありますよ?
何これ!って言いたくなるような。
でもそれはもう、これはこれで美味しく味わう、珍味みたいなもんじゃないですか!?
ほんとこれ、生半可なことじゃ作れませんよ、こんなものは。
企画が通ること自体すごいと思うけど(笑)、ちゃんとここまでのクオリティで出来上がってるっていうのは、ほんとどっから出てくるのかわからないが、この作り手の熱量は大変なものだと思う。
その熱がいたる所でダダ漏れしてて制御不能になってる感じで(笑)。
エンドロールにもそれが出ちゃってます。
グニャ〜って文字が曲ってんのよね(笑)。
その意味不明さ加減がなんともね。
うまく説明できないけど、これいいなーって、満足感に浸りながら見てました。
笑えないし、意味がわからないし、悪ふざけを延々と見せられてる感じ
文化の違いなのか字幕の和訳が悪いのか
ストーリーも支離滅裂で意味がわからない
せめてカンフーアクション部分が観てられたらマシだったんだけど
それすらも悪ノリで台無しにしてる
傲慢と謙虚
1973年国境警備隊が3人のカンフー使いに壊滅させられて、そこから生き返った男がカンフーマスターを目指す話。
ラジカセを抱えた3人組から始まっていくけれど、その時代にそのラジカセは…。
軍隊に行ってカブれて帰ってきた男が、修道院でカンフーだったり、ブラック・サバスだったりとハチャメチャなドタバタコメディなのは良いけれど、ノリが悪くて何だか残念。
本当に当時つくられていたら大したものだと思うけれど、自分には冗長だった。
カンフーじゃなくてもいいんだけどね
正面切って宗教を批判したり茶化したりすると生臭くなるので、思いっきりはちゃめちゃにしてみたんだろうけど、その結果マジで信心深い人や理屈や秩序を重んじる人の怒りを買いそうな一品になってしまったが、そこが面白いのよねぇ、といったら不謹慎かな。
リタ大好き!
邦題が秀逸!
初っ端から、不思議感覚全開で掴みはOK!
不思議なテンション、不思議な展開、ストーリーも、わかるようなわからないような…
でも、主人公の乗る車が年代物で、いかにも単純な作りで小さくて可愛い。
(ちょっと調べてみたら、シュコダという車っぽい)
出て来る東方教会の黒装束の修道士さん達の動きが、ヘンテコでオシャレで、とってもキュート。修道院の建物や、地下のイコンの間、長老さん…
場面場面にキュートさがだだ漏れです。
しかし、今一つ物語の意味が掴めず、ギャグも素直に笑えるかと言えば、微妙…
監督は、モノクロームで幻想的なお伽話「ノベンバー」(2017)のライナル・サルネット監督って、ちょっと、あまりに作風違わくないですか⁉
ヘンテコ、キュートな怪作ではあるので、カルト映画になるのだろうか…
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