劇場公開日 2025年3月14日

「激怖で超楽しい!!」ロングレッグス sokenbiteaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0激怖で超楽しい!!

2025年3月24日
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ニコラス・ケイジの出てる映画っていうとね、いつからか色眼鏡で見るようになってしまっているわけですが。
B級一歩手前というか、超大作でもなく、そんなに深みのある作品でもなく、でもそこそこ楽しく見れる、そんなちょうどいい作品が見たい時だけ見るみたいな。
勢い、選択肢としては一番上に来ることはあんまりなくて、見逃しても全然気にならない、そんな風になってしまってるわけです。

しかし!
これはほんとに見逃さないで良かった!
ていうかもっと早く見ればよかった。
めちゃ尖ってるし、メチャクチャ面白いです。
まあニコラス・ケイジっぽくはないんだけども、かといって彼でなくてもいいとかそんなことはなくて、彼の実力がいかんなく発揮された、文字通り怪演といっていい素晴らしい出来栄えでした。

無論、映画自体も素晴らしいです。
とにかく禍々しくて。
それが素晴らしい。
構図とか、照明とかがいいのかな?
あまり専門的なことはわかりませんが、最初から最後まで、画面から不穏な邪悪さが漂いまくっています。
それでいてどこか美しいのです。
実写映画なんだから、この世界のどこかに実在する景色、実在する部屋の中とかを撮ってるわけですが、それが照明や、画面の色調やらで、ここまで不穏なものとして映し出されるのが不思議です。
どうやったらこんな風に撮れるんですかね?
センスと腕前次第でここまでのものになるんですね。
映画の醍醐味ってまさにこれなんじゃないでしょうか。
音の演出も巧みだし、この禍々しさを映画館の大画面、大音響で浴びないのはもったいないと思います。

ニコラス・ケイジ主演と聞いて、あーニコラス・ケイジかー、と冒頭の自分のような若干消極的な印象持ってしまう人がいるなら(笑)、一旦それは忘れて、シンプルに上質な怖い映画見にいくつもりで劇場に足を運んでもらいたいものだと思います。

主演は実は若いFBI女性捜査官なんですけど、彼女もとても良かった。
見たことない女優さんだけど、表情の少ないミステリアスな雰囲気の似合う、それでいて十分に華のある、魅力的な人でした。

その他のキャラクターも皆適材適所という感じで、かつ中途半端でないレベルの高いキャストが配置されていて、見応えがありました。
ほんとに真面目な話、描きたい世界が描けてるという点では、満点といってもよいのでは?
隙のない、良質な映画だと思います。
すごく怖くて、面白いです。

sokenbitea