「鮮やかな種明かしが欠けている」ロングレッグス uru_diさんの映画レビュー(感想・評価)
鮮やかな種明かしが欠けている
羊たちの沈黙、セブンを引き合いにした日本の宣伝会社は恥を知れ。
殺人鬼映画でなく、悪魔崇拝のパニック映画とすればまだ見れた物だった。
4行で映画の感想を述べるとこれで終わりなのだが、
それではニコラス・ケイジの快演が報われないので加筆していく。
本作の不気味さ、居心地の悪さは評価したい。不安を煽る音響や絵作りも、一級品であると思う。
テンポの悪さや、種明かしの雑さはわざとやってるように思える。鮮やかな種明かしが欠けている、とタイトルにしてるが、それは配給会社のキャッチコピーに踊らされた自分にも非がある。本国の宣伝手段が知りたい。
日本の宣伝会社に限れば、引き合いに出した2作が悪すぎる。
悪魔崇拝の映画を引き合いにしたら、それは物語の根底に触れるから出せない、それも理解できる、理解できるからこそ歯痒い。
この作品が、歴史に名を残すような作品になるとは思えないのは、単純に話しが面白くないに尽きる。こればかりは田舎育ちの日本生まれ、悪魔崇拝にピンと来ないこちら側にも問題がある。
人形によって悪魔憑きが起こり、父親は家族を殺したい衝動にかられる、ということで理解したのだが、、
超常現象モノ、というジャンルだったんだよね?
そんなジャンルを羊たちと並べるのはどうなんよ。
Mナイトシャマランの「〇〇〇〇」とか邦画ホラーの「〇〇〇」で良かったじゃん。
まあ、そんな映画はヒットしないだろうけど。
映画をヒットさせるのが仕事の宣伝会社の策に、見事に引っかかった。
逃げるは恥だが役に立つ、
ニコラスケイジは役に立つ。
「逃げるは恥だが役に立つ」、ハンガリーのことわざで「自分の戦う場所を選べ」ということ。
いま自分がいる場所、置かれている状況にしがみつく必要は無い、自分の得意なことが活かせる場所へ行こう、逃げることも選択肢に入れよう、という意味。
ニコラスケイジが活かせる場所で、
快演している姿に拍手を送りたい。
自分の戦う場所を選べ。ニコラスケイジはきっとそんなメッセージを伝えようとしていた。
そんな間違った感想をレビューして、さらに混乱を招いてみよう。
他人のレビューもまた信用しすぎてはいけない。
ささやかに、宣伝会社への報復を。