「勇気の波を泳ぐ」ヤング・ウーマン・アンド・シー ガジュマルさんの映画レビュー(感想・評価)
勇気の波を泳ぐ
11月中旬、台北松山空港から東京羽田空港へのフライトで、『ヤング・ウーマン・アンド・シー』を鑑賞しました。短いフライト時間の中で、想像以上に心を揺さぶられる作品です。
この作品は、1900年代初頭のニューヨークで生きたトゥルーディ・イーダリーの実話を描いたものです。彼女は病弱でありながらも、負けず嫌いで簡単に諦めない性格の持ち主。そんな彼女が夢中になったのは水泳でした。当時の社会では、女性が水泳をすることに多くの偏見がありました。それでも負けず嫌いなトゥルーディが、偏見に立ち向かいながら水泳に情熱を注ぎ、英仏海峡横断という壮大な目標に挑む姿は、多くの困難を超えて夢を追い続ける勇気を教えてくれます。
映画を観ている間、トゥルーディの家族やコーチたちとの関係に心を打たれました。特にストイックで厳しいながらも、陰で娘を支え続ける母親の姿は、自分自身の母親と重なる部分があり、胸が熱くなりました。また、当初は水泳に反対していた父親が最後には彼女を応援する姿は、困難を乗り越えるためには家族の絆が大切だと気付かされるシーンでした。
この映画を観ながら、家族との関係や「女性としてどうあるべきか」という問いが頭をよぎりました。時には社会の期待に応えることが必要だと感じる一方で、自分のやりたいことを追求する勇気も必要なのだと改めて考えさせられました。
短いフライトの間に濃密な体験ができたことに感謝します。
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