野生の島のロズのレビュー・感想・評価
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ほのぼのとした展開の動物とロボットとの共存物語のように思えたのですが、種を超えて理解を重ねていくロポットと動物たちの心の成長を描いた物語でした。ヒューマンドラマとしても秀作。
ポスターを見て、優しさを感じる絵 との印象を持ちました。
制作会社の ” ドリームワーク・アニメーション ” の名は
聞いたことはあったのですが、観た作品が無いことに
改めて気付きました。・-・
そんなこんなで、この作品を鑑賞してみることに。
ロボットと鳥の、ほのぼの路線の作品 …かと思って
鑑賞したのですが、違ってました。・_・;; アラ
どこかの無人島(?)。海岸。波打ち際に白いハコ。
輸送用の梱包?どこかからら流れ着いたのだろうか。
その中に入っていたのは、ロボット。
寄ってきた島の動物が、クンクン匂いを嗅いだりしている
うちにスイッチポタンを押してしまった。、
起動。 …しちゃいましたよ
” ご用命 ありがとうございます ”
目の前の動物に対し、マニュアル通りのごあいさつ。あらら
当然、返事 があるハズもない。
” 私のご主人様は、どなたですか? ”
” お役に立ちます。 ご命令をどうぞ ”
手当たり次第、回りの動物に語りかけて回るこのロポット、
型番は ” ROZZUM 7134 ” (※後に愛称” ロズ ”と自認)
このアシストロボットの彼女(音声は女性)、自分に命令を
くれる相手を探し島の中を歩き回る。
だが、回りにいるのは動物だけだ。人間が居ない…。
相手にロズの言葉は伝わらず、
ロズも動物のことが分からない。
ご主人を探して動物を追いかけ、または追いかけられしている
うちに、誤って崖から転落。きゃー
その際、崖の下にあった鳥の巣を壊してしまう。がーん。
そこに居たであろう親鳥は死亡。卵も割れていて全滅…
かと思われたのだが、卵は一個だけ割れずに残っていた。ほっ
その卵を食べようとするキツネ(チャッカリ)との攻防のはて、
卵をなんとか奪還することに成功。
ほっと一安心したのも束の間、卵の殻にヒビが入り、ヒナ誕生。
しかもその生まれたばかりの幼鳥、最初に見たロポット=ロズ
を母親と思い込んでしまう。 ありゃりゃ
さあ どうすれば良いのか…。悩むロズ。
チャッカリに相談を持ちかけると、
「餌の取り方、泳ぎ方、秋までに空の飛び方を教える」
それが絶対に必要だ と、チャッカリが答える。
” 母鳥を死なせてしまった償いをしなければ… ”
義務とか償いとかいう、ロズが感じたヒナ鳥への想い。
本来のプログラムには無いはずの、「そういった何か」がロズに
生まれ、その何かは次第に大きくなっていく。
分からないことは、味方になってくれる動物たちに尋ねる。
嫌われ者だが賢いキツネ「チャッカリ」
子沢山な肝っ玉母さんは「ピンクシッポ」 (種類は何?)
そして幼鳥も「キラリ」と名付けられた。
キラリが秋には雁の群に戻り、一緒に「渡り」が出来るようにと
ロボット「ロズ」と動物たちとの生活が始まった。
◇
という、ほのぼのな感じで始まるお話でした。
当然ながら、最初は動物の言葉も心も分からないロズ。
チャッカリやピンクシッポに、子育てのことについて尋ねては
試行錯誤するうちに、自分自身が「動物らしいロポット」へと
変化していく姿がコミカルでもあり、微笑ましくもあり と
無事に「渡り」に送り出せるのかが前半のお話でした。
なのですが。 (…あれ?)
本来のロズは、家庭向けの「アシストロポット」です。
それを制作した会社があり、その会社がロズを回収しようとする
動きが、当然あるのでした。 @△@ デスヨネー
後半は、ほのぼの路線とは一味違った展開になります。
その結末は果たしてどうなるのか…。
気になる方は、ぜひ劇場へ。
人間はほぼ登場しませんが、ヒューマンドラマと言っても良い内容
の作品です。
私は、観て良かった。
満足です。 ・_・☆
◇あれこれ
■ロズを見たイメージ
第一印象が ” ラピュタに登場するロボットみたい ” でした。
キツネリスを肩の上に乗せ、花を摘むロポット。
パズーとシータの乗ってきた「カゴ」が降りた草むら。
その下にある鳥の巣の卵を壊してしまわないように と、
そっとカゴをよける姿が頭に浮かびます。
このラピュタのロポットも、本来は生き物を助けるためのロポ
ットなのかと思えたものです。
(そんなエピソードは出てきませんでしたが…)
■ロズの手
このロズの手、とても便利そうです。
手首から先が本体から離れて、独立行動できます。
すごい …けど、この機能。家庭生活をアシストする上では
どんな利用方法があるのだろう と、やや思案。
買い物に出かけ、重い荷物を抱えた状態でも、手首だけ分離して
ドアをや鍵を開けたりできる …とか? うーん。
それに、腕自体も びよーーーーん と、伸びるようです。
いいな。欲しい。
納品までの間に、使い方を考えておかねば。
(売ってないので買えませんでした☆)
■戦闘用ロポ
農業プラント(?)に進入したキラリ達を捕獲するため
動き出したロポット。攻撃力は高そうな印象。
いや「捕獲」では無く「駆除」なのかも。きゃー
「あれからは俺と同じ匂いがする」
「あれは狩る者だ」
クマがロポットをそう言い表しましたが、この戦闘用ロポット
そもそも何のためのロポット兵なのでしょう?
雁の駆除のため では無い気がします…。それに
意外に防御力は低かったような気もします。 …はて
■回収にきた飛行船
最新テクノロジーの結晶 かと思いきや,これも
ものすごく脆くなかったですか? だって ねぇ
雁の体当たりで窓にヒビは入るわ
群れのバードアタックで落とされるわ… ・_・;;
ぺらっぺらの素材で出来ているとしか思えませんでした。
※回収に来たロポットには悪役感ありました
マリオのゲッソー とか イカデビルとか 不気味な感じ。
(…結局やられ役かも ですが)
■疑問その1
最後に登場したロズは、修理されメモリーやデータをクリア
された後のロズなのでしょうか?
最期にキラリを覚えていたのは、メモリー以外の何処かにも記憶は
残っていて、キラリ本人を見たことで、消えていたキラリの事を思
い出した、とかなのでしょうか
それとも、データ吸い上げに抵抗した結果、キラリのデータだけは
ロズの中に消えずに残った、とかなのか はて
※データを取って焼却 …とかでなくて良かった・-・ほっ
■疑問その2
ロズ(達?)は、なぜあの島に流れ着いたのか。
飛行機が墜落…とか、輸送船が難破した…とか。 …はて
そもそもが、納品のための輸送だったのか。
それとも、何かを検証するためにあの島に流されたのか…。
はたまた、動物たちの管理もロポットが担うような社会にする
ためのトライアルだったとか。うーん。
ラストのその後が気になります。
個人的には、ロズをあの島に戻してあげたいのですが
あの島に戻る手立ては無いものか と思案中です。
うーむ。
◇最後に
暮らしの中に登場したロポット で頭に浮かんだ人(?)たち
・21エモンの芋堀りロボット (ゴンスケ)
・忘れちゃいけないネコ型ロポット(ドラえもん)
・スカートめくりもやっちゃいます(アナライザー)
・腕が伸びるロポット (メイドインアビスのレグ)
他にもまだまだ 沢山居そうです・_・☆
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
こういう運命に弱い
ロズが事故を起こさなかったらキラリは野生界で生きていけないくらい体が小さくて、ロズと出会ったからこそ今生きているって、この手の偶然の重なりというか運命というか、そういったストーリーに弱いのでとても良かった。
キラリ感あるよねと言いたいのは分かるが
映画サービスデーで評判いいので観てみた。
悪くなかった。だいたいCMと変わらないぐらいの印象で、こんなん感じだろうと思ったら、こんなん感じだったというイメージ。
悪くはないけれど、もうちょっと面白くなったかなという気がする。ただ、児童館あたりで子供向けのものを何か流しておきたいと思ったら、比較的薦めやすいタイトルではあるなと思う。
そういう感じです。
ロズは前からあるロボットのような感じもありつつ、古くからのヒトガタロボットのイメージ的なものを、比較的現代的にデザインしてる感じではある。
体の動きがよく、首がよく回る、手がよく動いて、胴体も動いて足も回るという、色んなアクションをさせやすいという面で優れたデザインなんだろうかと思う。
ヒトガタなんで、人間が親しみやすい。例えば、序盤でロボットでカニの動きを真似て、カニのように壁を登る場面があるんだけれども、そういうところから動物の動きをそのままコピーできるという特徴があるのは、面白いところかなと。
物語の構成としては、ガン、鳥のガン。ガンの子供が卵からかえって、初めて見たものを後に意識する、要するにロボットを母として認識して、ロボットが鳥を育てるというストーリーの構成があって。結構すごい速さでどんどん成長していく話。
いいんだけど、まずこれ、キラリという日本語名、鳥に付けてるんだけども、これはこの名称じゃなくてもとの名前のままで、ブライトビルのままでも良かったとのでは思った。
ピンクシッポもピンクテイルで通じるだろ。
ちゃっかりしたキツネだからチャッカリなんて名前になっていたがあれもフィンクでいいだろ。
ガンの子供はブライトビルそのままの方がいいと感じた。ストーリー展開的にもブライトビルな感じもしたし、そういう感じの、結構鳥のリーダーになる男の鳥のストーリーって面があるから。
でも色々分かりやすくすると、なんか綺麗で可愛いキラリという名称になったんかなという意図は、分からないでもないけど。もうちょっと何かね。
ただ、原題ワイルドロボットから野生の島のロズにしたのは、良かったんじゃないか。ワイルドロボットという感じは間違いではないんだけれども、ちょっと日本でいうワイルドと言うには優しいイメージがあるロズ。
これは一応女性ロボットで、母親だという事があるので、だから、日本語タイトル自体は悪くはないとは思う。
動物の種類は熊が1頭だけいるとか、意外と虎とかライオンがいないんだな的なのは、色々なバランスを考えてこういう感じになったとは思うんだけれどもちょっと不自然なかんじはした。
動物達からは、このロボットが怪物だと言われて恐れられ嫌われるというところが最初の方で丁寧に描かれている。
それでもこのロボット自体はめげずに動物達を助けよう、冬になってすごく寒くなったら自分の体の家でみんなを包んでやろうというところがあり。キャラクターの良さをみせている。その経緯自体は割と丁寧ではある。
けども、全体的に何か足りない感じががあった。
例えば動物の種類はもう少し多くてもいい。あの小屋におさまるサイズ感という印象は与えない方がいいから。
例えばロボットの種類ももっと多くていい。攻撃ロボット対ガンの群れは結構見応えあったので。
あとラストは結局自ら工場に行くんかという感があったので。なら工場にとらえられて記憶なくして新品になりかけたが動物達が助けに来て記憶取り戻して皆で暴れて島に帰る展開で良かったと思う。多分最終決戦地をあの島にしたかったんだろうけど。
色々書いたがこのまとまり具合だからこそ見やすくなってる気もする。
ノーマーク大傑作
いいとこ取りだが絶妙に悪くない
家族で見るには十分な作品
特に事前に情報を仕入れずに見に行った。冒頭のロズと島の動物たちとの不毛なやり取りはスラップスティックなSFコメディと言った感じで、それはそれで面白かった。動物の言語を理解、というか、動物が擬人化されてからは、まあ、よくあるお話になった感じ。
キラリとガンの群れが、都市に入り込んだシーンとか、ロズを回収にきたロボットとか、やたらと暴力的なのは、そういう派手な戦闘シーンを入れたいからなのか、と、あまり必然性は感じなかった。ビーバーが切り倒した木で川をせき止めて火事を消すとか、なんだか予定調和的にも見えてしまうのは、創作物を見慣れてきたおっさんだからだろう。
映像はとても美しいし、3DCGの動きも滑らかで、流石ドリームワークス、という出来。
大人には新味のない映画と映るかもしれないが、子供が見ると面白いと感じる作品にはなっているだろうと思う。
ファミリーレストランの定番商品みたいな映画だが、そういった需要の方が多いだろうし、奇をてらったところも無いのは、それはそれで好感が持てるアニメ映画ではあった。
そうか、今はユニバーサル傘下かドリームワークス
右手小指を骨折して劇場での鑑賞が減っていたので今日はハシゴ。
TOHOシネマズ日本橋「かなさんどー」に続いて2本目は「野生の島のロズ」吹替版を(本当は字幕版が良かったのだが、公開から2週間が過ぎ、もうやってなかった)。
東宝東和、GAGAに続いて出たドリームワークスのプレゼントマークにシュレック等過去作のキャラが登場していた。
こんなだったかなと思って調べたら、元はスピルバーグだが、アニメ配給はパラマウント⇒フォックス⇒ユニバーサルと変遷していた。フォックス時代は殆ど日本では劇場公開されていないようだ。私は「カンフーパンダ」以降は観ていないね、多分。
鉄腕アトムにアトムが感情を欲しがるエピソードがあった。花火を見ても美しいと思わないアトムは「美しい」と思う感情を欲しがり御茶ノ水博士に感情を持つ回路を作ってもらうが、「美しい」と同時に「怖い」と言う感情も持ってしまい敵と戦えなくなってしまう。
依頼主からの仕事をこなすようプログラムされたアシスタントロボットのロズもキラリを育てて行くうちに「胸にこみ上げてくるこの温かい気持ちは何?」感情を持ったのだ。
T2にも「私は涙は出ないが、気持ちは判る」と言うシュワちゃんの台詞があったっけ。
ロズは野生の島の皆を救うためにユニバーサル・ダイナミクス社に自らの記憶と体を犠牲に差し出す(犠牲的精神も持ち合わせている)。
だから、ラストはちょっと違うかなとも思うけど。
CGアニメの画像はとても綺麗だし、綾瀬はるかのふんわりした雰囲気と尖っていない声がロズに合っていて、いい吹替だった。
クリス・サンダース監督は「となりのトトロ」が大好きで、特に雨のバス停のシーンがお気に入りだそうだ。
期待をAlwayS超えてくる、素晴らしい配給会社。AlwayAさえ流れれば…
どうせロボットと動物たちのほのぼの交流映画でしょwと侮っといたかつての自分に熊の一撃を食らわせたくなる一作
もうきれいな3DCGの映像では満足を得られなくなったような観客でも、本作の筆致、そして動物の動きはかなり印象に残るのでは。緻密な描きこみかと思ったら細部は水彩画的であるなど、いくつかの画調を併置しつつ、それでいて全体として統一感のある映像を実現しているなど、単なる美しさにとどまらない精緻な映像を体感できることがまず至福です!
しかし本作を忘れがたいものにしている要因は、映像よりもむしろ物語にあり、疑似家族的に結びついたロズとキラリの行く末を感情を高ぶらせずに見通すことは(特に子育て中の親世代の方にとって)、かなり困難でしょう。
本作では動物たちを決して「善なる存在」として十把一絡げにはしておらず、むしろ捕食/被捕食関係、過酷な自然環境といった、「死に取り囲まれた生」を生きている存在として描いており、それがロズとキラリの関係の切実さを一層際立てています(そして作劇上のタイムトライアル的要素ともなっている)。
とはいっても、疑似家族的な物語としては、おおむね定番の要素を踏まえたもので、その意味で古典的な展開であるとも言えます。
しかし一つのエピソードから別のエピソードへの移行が非常にリズミカルで、かつ必ずちょっと意表を突くような仕掛けを施しているため、退屈さを感じるような瞬間がほとんどありません。全編にわたって、本作の編集がかなり練りこまれていると感じました。
本作単体でも忘れがたい印象を残すことは間違いありませんが、この時期であれば、『ロボット・ドリームズ』とロボット描写の違いを比較してみるのも面白いかも。
癒されたけど
子供には楽しめる
中学生の女の子と見に行った。
子供には楽しめる映画だが、大人にはちょっと
という感じがした。設定も面白いしAIのことも
良くわかるが、鳥のあまりにも強靭な設定に?がついちゃう。
まあ面白く見られたが、最近のこの手の映画はテンポが速すぎて
慌ててこちらが追いかけなきゃいけない時が多く
疲れてしまいますね。
親が子を育てる時、親もまた子に育てられる
物語は、無機質なロボットが“母”としての役割を担っていく過程を丁寧に描きながら、ロズとキラリの関係性を通じて「親と子」「論理と感情」「完璧と不完全」といった多面的な対比を作り出している。
渡り鳥であるキラリには「渡り」という期限があるため、タイムリミットが物語を引っ張る軸になり、時間の流れがあっという間に感じられる展開だった。
映像のクオリティがとにかくすごくて、自然の描写とロボットのメカニカルなデザインが違和感なく溶け合っている。野生の島にポツンと取り残されたロボットという異質な存在が、少しずつ汚れたり苔むしたりしながら、環境に馴染んでいくのが視覚的にもわかる。ロズの体が変化していくにつれて、思考もより感情的になっていくように見えたのが印象的だった。
音楽の使い方も秀逸で、中盤の音楽に乗せたストーリー進行のシーンは特に良かった。個人的には、もう少し音楽を多めに使っても良かったなと思うくらい、映像との相性が抜群だった。
ロズは本来、人間のために開発されたアシストロボットであり、どんな相手にも見返りを求めずに助けるよう設計されている。その思いやりの精神が、弱肉強食の野生の世界では異質な存在となり、最初は他の動物たちから煙たがられる。しかし、少しずつ信頼を得ていくことで、キラリの「渡り」に向けた訓練をサポートしてもらえるようになり、最終的にはロズの小さな思いやりの積み重ねが、島全体を結束させるほどの力になっていく。
「親が子を育てる時、親もまた子に育てられる」という言葉があるが、まさにそれを体現した物語だった。親子の形はそれぞれ違い、家庭の事情もさまざま。でも、大切なのは相手を理解しようとする気持ちと、自分から寄り添おうとする行動なのかもしれない。
ロボットと渡り鳥という極端な組み合わせで描かれる“親子の物語”だけど、根底にあるテーマはどこか現実とも重なるものがあった。シンプルなストーリーながら、じんわりと心に残る作品だった。
子どもから大人まで楽しめるいい映画
これぞ子供から大人まで楽しめるという映画のお手本
文句なしの傑作
休日の月曜日なので、ちびっ子を交えた家族連れでほぼ満席だったが、子どもから大人まで、どの世代にもちゃんと刺さる作品だと思う。
親子の愛情や友情などのテーマを、こういう設定で、こうやって描くのかと驚かされるが、メッセージは真っ直ぐに心に届く。吹き替えを担当した、役者たちの声の演技の素晴らしさも、それを支えている。
自分がいいなと思ったのは、死や弱肉強食の世界を曖昧にせず、かつ、過剰にも表現しないところ。
特に、ピンクシッポの母が子どもの人数を言い換えたセリフと、その後の子どものセリフからもそんな部分がうかがえてハッとした。
そして、今、このタイミングにおいては、チャッカリの演説シーンは、「本当にそうだよ」と思う人も多いのではないだろうか。
アニメーションの圧倒的な美しさ。動物たちの毛並みの質感の違いまでもが伝わってきて、劇場で観ることができて本当によかったと思った。
<ここからはちょっと考えたことの備忘録>
細かくは描かれていないが、渡りのシーンをみると、環境問題が深刻な結果をもたらした後の地球という設定なのかなと思う。だとすれば、ユニバーサル・ダイナミクスという会社って単なる鋭利企業なのかとか、国家間の関係は世界的にどうなっているのかとか、汚染ってどういうことなんだろうとか、作品の背景設定について、色々と想像が膨らんだ。
他に危害を加えないようにプログラミングされているロズに対して、攻撃的なプログラムが組み込まれているロボットの存在とか、ロズの経験と記憶をどのようなことに活かそうとしているのかとかも。
あと、餌として認識されている生物と、あの映画の中で、共に生きる仲間の動物として認識されている生物の境界線はどこなのかも中々難しいけれど、そうしたことはあくまでも、ヤボな私の個人的な問いで、私自身が答えを出すべきこと。
この映画の出来の素晴らしさは揺るがない。
全302件中、41~60件目を表示