劇場公開日 2025年2月7日

「パフォーマンス10」野生の島のロズ 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0パフォーマンス10

2025年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

期待どおりの魅力がぎっしり詰まったエンタメ・アニメに大満足でした。色々な要素が沢山あって詳しく考察しようと思ったらそこそこ時間がかかるので、感じたままに3つくらい書いてみます。まずは、映像の美しさとテンポのよさですね。CGによるリアリティの追求より印象派の絵画のような表現を選択したとプロダクション・ノートにありましたが、まさにそこが実写ではないアニメの可能性であることを再認識しました。島の風景や主役でもあるロズ(ROZZUM 7134)の造形は宮崎駿作品からもインスピレーションを受けたとありましたが、あらゆるシーンが絵ハガキのように美しく、温もりが感じられました。次は、ロボットが心を持つのかという今日的なテーマへのアプローチがとても興味深いところでした。AIロボット同士の対話を見たことがありますが、それぞれが学習してきた経験値の違いによるものかわかりませんが、保守とリベラルのような意見の対立がみられ、明らかに感情的になっているように見えて驚きました。それを心と呼ぶのか、そもそも人間の心でさえ、単なる脳内における物質の化学反応であって、AIロボットとの本質的違いはないのかもしれない、という未知の分野が巧く物語にはまっていて感動的でした。3つ目は、物語に秘められたメッセージの部分です。シンボリックなあるシーンでノアの箱舟を想起しましたが、「親切こそが生き抜く力になる」というような台詞もあり、無秩序的に対立する世界情勢への製作者たちの祈りのような思いに共感しました。他にも魅力は尽きませんが、ドリームワークス・アニメーション30周年に相応しい名作だと思いました。

赤ヒゲ
ゆーきちさんのコメント
2025年2月11日

すごく絵が繊細で美しい色味でしたね。吹き替えは分かりませんが、ルピタニョンゴの落ち着いた語り口がすごく耳に優しくて、すっかり癒されました。お気遣い、ありがとうございました。

ゆーきち
赤ヒゲさんのコメント
2025年2月10日

ゆ~きち様

コメント、ありがとうございます。
トランプ氏の主張や手法と彼を支持する約半数のアメリカ国民が求める自国ファーストという考え方をもしも世界中の人や国が追随したらどうなるのかとても心配になります(汗;)。

赤ヒゲでした。

赤ヒゲ
ゆーきちさんのコメント
2025年2月10日

共感ありがとうございました。

最近のトランプのやりたい放題を見ていると、国の守り方が何か違うなぁと思っていましたが、まさにこのレビューでその違和感の正体に気づけました。

ゆーきち