劇場公開日 2025年8月29日

「劇場映画として初めて公開された、生成AIにより制作された映画オムニバス」generAIdoscope ジェネレイドスコープ evさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 劇場映画として初めて公開された、生成AIにより制作された映画オムニバス

2025年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

斬新

8月29日は、映画「ターミネーター2」の中でAIコンピューターである「スカイネット」が自我に目覚め、人類と機械の間で核戦争が起きた日です。その日に、日本で初めて商業ベースで生成AIによる映画オムニバス(3作。約60分)を公開できたのは良かった、と安達監督が初日舞台挨拶で言っていました。2024年前半から2025年前半までの生成AIを使って作った短編集。直近の生成AIとは異なり、同じキャラクターを維持しながら絵や短時間動画を生成するのは難しく、背景の文字も漢字のようでいて漢字でないものが出来てしまう時期。それでも何とか映画という形にまとめた、という作品群です。3監督とも実写での映像制作経験もある人たちですが、自分のイメージをかたちにするのに、まず技術的な面でかなり苦労したであろうことは、観てわかります。そのため、映画として純粋に面白いかだけで観られないのですが、こうしたチャレンジを経て、新しい表現手法というものが作られていったり、従来の表現方法の良さが再確認されたりするのだろうと思いました。3人の監督たちのアフタートークを含めて、刺激を受けました。満席の客席には、生成AIで動画づくりにチャレンジしている人たちが多く見に来ていたようで、この分野が発展していくための一里塚になる作品だと思いました。

ev