劇場公開日 2024年10月18日

「自分が何者であるのか」ジョイランド わたしの願い m mさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分が何者であるのか

2024年10月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

どう生きたいのか

ヒジュラーという男性でも女性でもない第三の性が認められてる一方
今も家父長制が根強く残るパキスタン
それが当たり前で育てられるとハイダルのように自分がわからないまま悪気なく他人にも鈍感で悪気なく傷付けてしまう
ヒジュラーは男だから女性の車両から出て行きなさいと嗜められているトランス女性の隣に強引に座ったハイダル
きっと初めて守ってあげたい、味方になってあげたいと素直に思ったんだろう
あの理解や勇気を一番身近にいた妻に向けて欲しかった
ハイダルの父も本当は弱音を吐きたくても、当たり前のように一家の長である者の取るべき行動をとる
自分の弱さに蓋をする
みんな本当は自由に生きたいのに世間がまだまだ古い価値観や慣習に囚われているから
そこからはみ出してはいけないと自分を縛り付け、他人にもそうであれと圧力をかける
妻のムムターズが集まった親族たちの無神経な言葉に絶望して放った言葉で義姉も傷付き
誰も幸せじゃない
ラストのあのやりとりで胸が締め付けられた

本国で上映禁止になりノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさんや俳優たちの支援で上映されることになったものの、いまだにこの映画の舞台になっているラホールでは上映禁止だそう

試写会にて

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