劇場公開日 2024年11月15日

「全ての教育者、親に見てほしい」ぼくとパパ、約束の週末 ぇんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5全ての教育者、親に見てほしい

2024年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

確かに経済面でも職場環境(上司)にも恵まれているが、それを差し引いても余りある両親の愛情に支えられたなかで「成長」して行く自閉症児を見事に表している。子役の迫真の演技もすごい。
そんな中で本作は、子供(人)を育てる時に最も大事なことは、「指導」することではなく「受け入れる」ことだと教えてくれた。多分障害児に限ったことではなく普遍的な原理なのだろう。作中ではそこに至るまでの家庭、世間、学校などの無理解や反感もあり、両親自身も「正義の味方」ではなく、それなりの葛藤もあったことが丁寧に描かれている。
エンドロールで実話であることが紹介されるが、この物語を「恵まれた例外」にしてはならないと感じた。障害に限らず欠点のない子供(人)はいないのであって、それを「指導」するのではなく「受け入れる」ことで見えて来る世界がある。
ドイツ映画は深いものが多いが、本作は特に秀悦。

ぇんちゃん