劇場公開日 2024年11月15日

「『1』鑑賞は必須」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 おきらくさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5『1』鑑賞は必須

2024年11月19日
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前作未見だったため、まず家で『1』を観て、熱が冷めないうちにそのまま映画館に直行。
結果的には『1』を観ておいて正解だった。
観てなかったら意味不明な場面が多かったと思う。

『2』ではローマの政治が再び腐敗していることが冒頭で説明され、「『1』であんなに苦労して平和な世の中にしたのに、あの頑張りは何だったんだ」と思ったが、双子の皇帝が出てきた瞬間、腐敗に納得。
日本映画だと「爽やかイケメン」=「素晴らしい人物」として扱われがちだが、アメリカ映画では「爽やかイケメン」=「裏で悪さしている信用できない人物」として出てくることが多い気がする。
個人的には後者の方が現実に即していると思う(経験則)。

ローマ軍が敵軍を攻撃する場面から始まるのは前作同様。
前作も迫力ある映像に感じたが、24年経って迫力がさらに段違いに凄いと感じた。
矢の雨が降り注ぐ中、複数の大型ローマ船が敵国の防壁に突進。
いったいいくら金掛かっているのやら。
冒頭からクライマックスみたいな映像になっていて、リドリー・スコット監督のドヤ顔が目に浮かぶ。

前作の主人公と似た男を、本作の主人公が目の敵にする展開は興味深かった。

前作を観ている時も思ったが、「コロセウム」のシステムが、個人的に好きになれない。
人が殺されるのを観て熱狂するって…
悪趣味に感じるのは自分だけ?

前作は闘技場内に虎が出てきて驚かせてくれたが、現在の映像技術だとCGで動物を自由自在に動かすことができるので、闘技場内にいろいろな動物が出てきても前作ほどの衝撃は無かったように思う。

1戦目はリドリー・スコット監督だからエイリアンが敵なのかと思ったら猿だった。
2戦目の巨大なサイをグラディエーターのみんなで退治しようとする絵面が、『モンスターハンター』を想起。
3戦目はまるで『パイレーツ・オブ・カリビアン』で、「闘技場のスタッフ、準備大変そう」と余計なことを考えてしまった。
4戦目はマッチメイクとしては最高のシチュエーションだったが、意外とあっさり問題が解決して拍子抜けだった。

個人的にこの映画最高の場面は、デンゼル・ワシントン演じるマクリヌスが執政官に就任するところ。
皇帝が威厳を示そうとしても薄っぺらいため、賛同を必死に装おうとする議会の空気感が絶妙でたまらないものがあった、
グロくて滑稽で皮肉たっぷりで、リドリー・スコット監督らしさ全開の凄い場面だった。

劇中、主人公が演説する場面が何回かあるが、話す内容に魅力を感じず、話を聴いた周囲の人間が熱狂するのに違和感があった。

ラストは画面全体が兵隊(エキストラ)だらけ。
ムスカが「人がゴミのようだ!」と言いそうな迫力があり、Dolby Cinemaで観た甲斐があった。

おきらく