「権力闘争の繰り返しが続く話」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 Moiさんの映画レビュー(感想・評価)
権力闘争の繰り返しが続く話
感想
続編が出来ると知った時に前作が作品自体かなりの完成度を誇り、話も完結していたので余り期待出来ない予感はしていたのだが、本作もリドリー・スコットが監督しているということで、公開日が決まるとやはり観ておこうと思い立ち映画館に向かう。
話は権力闘争の繰り返しという事で人間の愚かさや醜さが強調される場面が多く、主人公の出自とマキシマスに通じるまでの話が脚本的に強引とも思われる展開もまま有り、映像的には素晴らしかったがストーリーとしては焼き直しのイメージが強く残り、人が次々にただ惨殺される描写が続くという印象しか残らなかった。
本作の時代背景に於いては自己の正義を掲げて血で血を洗う闘争を繰り返し、結果として誰が実権を握っても社会の腐敗と衆愚政治は続き、現実的な虚無感と生臭さを感じる国民が疲弊しきった暗澹たる社会が描かれており観ていて少々疲れてしまった。娯楽性も前作より低下していると感じた。
前作には登場人物の各々の信念や信仰を感じさせる場面もあり剣闘士の悲惨な生涯の中にも何を目的として闘うのか?苦労の先には安心して救いがある世界があるはずだ!という描写もあり、最後は九死に一生を得るような救われた気持ちを持ってあの世に行けて良かったなと感じさせる展開があった。
本作では賢帝時代とは夢と理想の時代であり現世界は失策退廃した状況が繰り返されて社会状況が硬直化し、人の意識としても過去の時代程簡単には平和が訪れる事は無いし、平和を実現させる力も昔程には到底及ばない。過去の賢帝と呼ばれた者達より我々は考え方も施策も脆弱で精神的にもひ弱であり、狡猾さを持ち知能犯的かつ卑怯な人間に瞬く間に騙されしまうという事をはっきりと述べている描写があり、嫌でも現実的な政治倫理観を突きつける話の展開で救いようがない印象を以って物語の最後がしめ括られている。これも監督の視点と言えば視点なのだが。映画製作会社の強い意向が働いて監督の名を冠にして続編を制作させられているのでは?という意向的害悪を感じる部分もあると感じた。
IMAX
⭐️3.0
確かに 退廃現実。おっしゃるとおり出自の関係は強引すぎ 世襲的な いやらしさ 感じました。造形は良かったですが 現実のその時代のローマは もっと汚い【テルマエ ロマエの勝ち】と思いました。
イイねありがとうございました😊😊。
共感ありがとうございます。
お話の展開が前作とほぼほぼ同じで驚くばかりですね。キラーコンテンツだ!と煽られノっちゃう方も大概ですが作ってしまうとは笑けてきますね。
お父さんの遺志を継いでって、急に言われても・・という描写がほとんどないのも何かモヤモヤしますね。