「ハリウッドの魂を受け継ぐスペクタクル・アクション」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッドの魂を受け継ぐスペクタクル・アクション
『ベン・ハー』や『十戒』等、古代ローマやギリシアを舞台とする多くの作品は、ハリウッドの魂を脈々と受け継ぐ、スペクタクル作品として語り継がれてきた。そして、2000年に公開されたラッセル・クロウ主演の『グラディエーター』もまた、多くのアカデミー賞を受賞した名作。その『グラディエーター』の続編を、最新のVFXを駆使し、リドリー・スコット監督が再び壮大なスペクタクル・アクション作品に仕上げている。
本作の主人公のグラディエーターとなるルシアスは、前作で壮絶な死を遂げた、ラッセル・クロウ演じたマキシマスの息子という設定。その時、何とか母の援護で逃げ延びた12歳のルシアスが成人してからの物語。平穏にヌメディア王国で暮らしていたルシアスだったが、将軍・アカシウス率いるローマ軍の侵攻により妻が殺され、ローマ軍の捕虜となる。そこに現れた奴隷商人マクリヌスに買われて、グラディエーターとしてコロッセウムで命がけの闘いを繰り広げていく。その中で、全てを失くしたルシアスは、ローマ軍への復讐を誓う物語。
とにかく、その戦闘シーンは壮大で圧巻!冒頭のヌメディア軍とローマ軍の激しい戦闘からしっかりと心掴まれ、コロッセウムでの凶暴な動物(サイやバケモノ猿)との戦闘、挙句の果てには、コロッセウムのアリーナに海を作って船同士の海戦を再現し、おまけに海には人喰いザメを放すという入れ込みよう。これにはちょっとやり過ぎ感もあったが、クライマックスも、手に汗握るシリアスな戦闘シーンが繰り広げられ、2時間半があっという間に過ぎていった。
展開としては、グラディエーターとなったローマ帝国の真の後継者が、暴君のカラカラとゲタ双子の皇帝を退かせて、悪政を鎮めるというよくあるストーリー。しかし、そこに、デンゼル・ワシントン演じるマクリヌスの役柄が、最後までどちらに付くのかわからないキーパーソンとして、ミステリーさを醸し出す存在となっている。デンゼルはどちらかと言うと絶対的な正義という役が多い分、本作では意外性のある役柄だった。
主演のルシアス役のポール・メスカルは、個人的にはお初の俳優さん。将軍アカシウス役のペドロ・パスカルは『ワンダー・ウーマン1984』や『キングスマン』テレビドラマの『ゲーム・オブ・スローンズ』等の話題のアクション作品に多く出演しており、本作でもマッチョな身体で、激しい戦闘シーンを見せつけていた。
ただ、もっと筋肉隆々のマッチョ祭りの作品かと思ったが、その点では、『300』の方が、マッチョな男臭さを感じた。また、ラストシーンが意外とあっさりしていて、感動的な盛り上がりが今一つと感じた。
共感ありがとうございます。
同じ世界線で色んなヒーローが活躍する似た様な作品を連発するより、ドン!と一発超大作!の方が清々しいですね。リドスコ監督はバトル絡みだと、伝記とかよりこっち(作り話)の方が向いてると思います。荒唐無稽でしょうが八犬伝の本編とか興味無いですかね?