「早く続きが見たい」ウィキッド ふたりの魔女 てけと2さんの映画レビュー(感想・評価)
早く続きが見たい
昔劇団四季で1度だけ見て1幕ラストのシーンに衝撃と感動だったので映画でそれがもう一度見られてとても嬉しい。Part2はオズの魔法使いへの後付けだけど伏線だらけの内容なのでめちゃくちゃ楽しみなんですが情勢的に見ることが叶うのかだけが心配です。
今回はグリンダのキャラクターの面白さがわかってきて以前と違った楽しさも感じられました。彼女の本能的な資質で人気が取れる方へ方へと自然と動いていくところがアレもまた自身ではコントロール出来ない才能や力の一端なのだな〜と、当時ヤなやつ〜とだけ見えてた初見から時間がたった今は感じます。
あの力がカリスマ性の芽だと思うとコントロール出来ている様で出来ていない事が恐ろしい反面、ああいった人が味方になった時のパワーっていうのは本当に力強いもので反面敵に回した時の恐ろしさったらない。
そういった意味で彼女もエルファバに劣らない力がある。
良い方向に働けば人を引き上げられるとても素晴らしいものに感じるけど自分都合で気付いてない辺りこのまま行ったらヤバい奴すぎる!
対するエルファバの力も使い方を間違えると大変な事になるものだしちょっとワンマンになったらヤバいでしょ、どちらも人の為に使おうが自分の為だろうが根本はどうしようもなくエゴイスティックなところにあるのも業が深い。まあ皆んなの為が自分の為に合致するならそれで良いんだけど。
色々考えるとストーリーの誤解を誤解のまま全て進んでいくところなんかも含めてこの奇跡的に均衡の取れた友情関係が素晴らしくてお話自体が凄い。加えて歌も最高で胸熱です。
オズの物語り全体のテーマとしてある、外見と中身、建前と本音、嘘と真実、憧れと現実、魔法と化学みたいな対照的な要素がなぜここに生まれているのか必然性を説明しているところが本当にすごい。これは本当にアメリカでしか生まれないお話だなぁとつくづく思います。
それとこれを作った人はブロードウェイの才能の世界にいてグリンダとエルファバどちらのタイプの人も沢山見てきたのかもとも思ったりもして。随所に痛烈で風刺の効いた視点が入っていて本当に面白い。
例の緑の瓶はアブサンだと思うのですが、あれを出してるお店で砂糖をのせて飲んでみたい(もちろん幻覚の見えないやつを)