「きっかけは悪意」ウィキッド ふたりの魔女 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
きっかけは悪意
原作舞台も『オズの魔法使い』も名前しか知らずに鑑賞。
結末から始まる形式は本作では非常に効果的だったが、導入がちと冗長。
「死んだ!グッドニュースだ!」の連呼はなんか怖い…
モリブルに声を掛けられた後のエルファバの『The Wizard and I』に関しては最悪のひと言。
同じようなことを繰り返すだけで話が進まない上に、画面映えもせず、そのくせやたらとクドくて睡魔が…
自分は一つの感情を長々と歌われるのが苦手らしい。
図書室での『Dancing Through Life』も同じく話は進まないのだが、こちらは良かった。
部屋のカラクリとアクロバティックなダンス、カメラワークで見応えもあり、尺も適正。
エルファバとガリンダの和解も好みではない。
あれって、悪意を勘違いしたエルファバの身体を張った“お礼”に、ガリンダが心動かされたって流れでしょ?
ネッサとボックのことも併せて、素直に「よかったねぇ」とは思えない。
エルファバが人気者になったのはガリンダの働きかけのお陰なんだろうけど、その描写がないから唐突。
ミュージカル映画って、本作に限らず歌やダンスや演出に比重が行き過ぎる傾向を感じる。
そこにストーリーや感情が“濃縮”されるなら大歓迎だが、尺だけ食って話が薄くなるなら普通にやってほしい。
終盤の塔の上も、歌がしつこ過ぎて緊張感がログアウトしちゃったし…
演技や歌唱、ダンスなどに関しては文句ナシ。
エルファバと和解してからエクボが出る頻度が激減したので、ガリンダのイラッとくる感じもワザとかな。笑
ラストの『Defying Gravity』は最高でしたよ。
冒頭にどう繋がるのか、本当にエルファバは死んでしまったのかなど、後半も話は気になる。
コンパクトかつ濃く描いてほしいが、ムリだろなぁ。