「Triangle」バーン・クルア 凶愛の家 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Triangle
タイのお家ホラーという触れ込みのみで鑑賞。
邦題の副題は関係ないかなと思いましたが、意外とあった珍しい例です。
前半はリアクション祭りで胃もたれしたんですが、後半になるにつれ謎だった展開の一つ一つが繋がっていって挽回していったかなと思います。
しっとり始まる感じかなと思ったら家を貸すことに反対していた旦那がすんなり家を貸すことを許諾して、見るからに怪しいですよと言わんばかりの老婆がやってきて、そこからポルターガイストっぽい事が起きてきて…といった感じでポンポン進んでいくんですが、主人公がリアクション芸人ですか?ってくらい全ての出来事にどデカい反応で驚いていくので、そんな過剰にならんでもと冷めた目で見てしまったが故に、その驚きが続きまくる展開はちょっとキツかったです。
中盤からはガラッとカルト的な雰囲気のホラーに様変わりしていき、旦那の行動の不可解さにも納得がいくものになりましたし、それ故に描かれる過去の虚しさがカルトに飲み込まれる要因だったのかなと思うと物悲しいところがありました。
主人公のリアクションも行動に徐々に影響されていき、危ない状況だろうと娘を救うためには何がなんでも駆け抜けていく覚悟が味わえて応援しがいがありました。
終盤は中々に残酷。
人間の体を器にして取っ替え引っ替えの挙句、あんな終わり方をしていったら誰も報われないですし、少し明るい表情が切ない雰囲気を醸し出しているのも映画としての締め方はとても良かったなと思いました。
喪失したもの同士、傷の舐め合いというわけではなく、これからを生きていくという希望も同時に垣間見えて良かったです。
映像面的な不満点としてはR指定の割にはグロいはずであるシーンが暗くて見辛かったり、直接的な描写がそこまで無いのもあって、せいぜいPG12とかで良いんではないかなと思ってしまいました。
前半がどうしても足を引っ張ってしまって後半の巻き返しがあってもイマイチな評価になってしまいましたが、様々な要素の入り乱れるハイブリッドホラーの挑戦には敬意を示したいです。
鑑賞日 11/30
鑑賞時間 18:10〜20:20
座席 H-3