「アイミタガイ=相身互い≒I meet a guy」アイミタガイ Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
アイミタガイ=相身互い≒I meet a guy
11月5日(火)「ゼンブ・オブ・トーキョー」に続いてハシゴ。TOHOシネマズ日比谷で「アイミタガイ」を。
梓(黒木華)は、ウェディングプランナーだが、結婚していない。
梓には両親が離婚したトラウマから結婚に対して積極的になれない思いがある。
「プランナーさんが結婚してないの」と顧客の親から嫌味を言われる事もある。
梓には澄人(中村蒼)という彼氏がいるが、今ひとつ頼りない。そして、間が悪い。この間も家まで転倒防止器具を取り付けに来てくれたが、自分が転倒して小指を骨折した。
澄人はいい人である。いつも同じ電車に乗る知らない人が寝過ごしそうになるとわざと本を落として起こしてあげる。
澄人は梓と結婚したいと思っているが、踏み出せない。福永(升毅)の宝飾店を訪ねる。
「今すぐに買う訳ではないんですが、この店で一番高い指輪を見せて下さい」
出された120万円の値札が付いた指輪を見て
「ご、五番目位に高いやつをお願いします」(判るよ。私も給料3ケ月分に満たなかったって、何十年前の話だ?)
梓には転校して来た中学生の時に虐めから助けてくれた叶海(藤間爽子)という親友がいる。その頃近所の空家の裏手で二人で隣家の夕方6時のピアノを聴いたのだ。
梓を撮った写真で写真展に入賞した叶海はカメラマンになる。
梓と一緒に食事をした叶海は撮影で長期の海外出張に行くと言う。梓と別れて駅で父親(田口トモロヲ)と会った叶海は出張に行くから郵便を転送すると告げる。
叶海は、海外の車両事故で亡くなる。
梓と叶海の両親は叶海を失った悲しみから抜けられない。梓は叶海の葬儀にも行かない。
叶海の母親(西田尚美)は叶海のスマホを解約出来ず、梓は叶海にLINEを送り続ける。
梓には離婚した父方の祖母がいる。
梓が澄人と一緒に祖母を訪ねた時、隣人の老女がボヤを出し梓と澄人は火を消す。
老女の息子が謝りに来た。「アイミタガイだから」
アイミタガイ、この言葉を発するのは梓の祖母(風吹ジュン)である。
70ジジイの私は聞いた事かある言葉だが、確かに最近は聞かなくなった言葉かも知れない(相身互いと書くのは今回知った)。
澄人「初めて聞きましたよ。英語かと思った。I meet a guy」
叶海あての児童養護施設からのカードが転送で父親の手元に届く。施設に問い合わせて施設長と会い、叶海が行っていた行動を両親は知る。両親はある決断をする。
叶海のスマホを解約出来ない母は、パスコードを入れてスマホを開く。パスコードは梓を撮って入賞した写真展の作品番号だった。「そうだと思った」
梓からの数多くのトークが来ていた。
梓の叔母(安藤玉恵)は訪問介護ヘルパーをしていて、前任者に代わりこみち(草笛光子)を担当する。家にはピアノがあり、昔から弾いていた事を知る。
金婚式セレモニーのために高齢のピアニストを探していた梓は、叔母から小道の事を聞いてこみちの家に依頼に行くが、家を見た梓はある事を思い出す。
虐めから助けてくれた叶海に手を引かれて前に進んだ。
「叶海がいないと前に進めないよ」
LINEのトーク画面は「ゼンブ・オブ・トーキョー」でも上手く使われていたが、「既読」が付く瞬間をこんなに上手く使った事はないのではないか。既読が付くのを観た梓の驚き。
そして送られて来た「行っちゃえ!」
梓は、初めて叶海の両親と会う。
梓は、祖母に、叶海に、叶海の母に背中を押され前に進む。駅で渡された婚姻届の返事をしに澄人の元へ。背中を見せて倒れかかる梓、そしてそれを支える澄人。
二人は福永の宝飾店に向かう。(ここにも意外な出会いが・・。)
宝飾店に入って行く梓の笑顔は最高に輝いていた。
いろいろな出会いがラストに向かって収束して行く脚本が見事である。
澄人と叶海の父が出会った時、どんな顔をするのかな。
人生は色々な出会いとアイミタガイで生きて行くものなのだろう。私も誰かの背中を押し、預けられた背中を支えて行けたらなぁ、と遅ればせながら思う70ジジイなのであった。
クレジットタイトルで歌っている高い声の歌手は誰?と思ったら黒木華歌唱でビックリ!
曲が1979年の荒木一郎で2度ビックリ!!
Mr.C.B.2さん、コメントありがとうございます。・_・
>梓が澄人と叶海の両親と会った時の父親
>「あっ、あの時の」 I meet a guy。
この出会いなら、本当に「 I meet a guy」ですね。
Mr.C.B.2さんをはじめ、皆さんのレビューを読んでいて、
「あっ このシーン」
「そう このセリフ」
本当に心に残る場面の多い作品だったなぁと、しみじみ
余韻に浸っています。・_・