「観る人を選ぶと思う」アイミタガイ 福島健太さんの映画レビュー(感想・評価)
観る人を選ぶと思う
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言いたいことはなんとなく、分かるような気はします。
だって、フィクションならではの、現実ではあり得ないような人と人との縁の巡り合わせなんだもの。
6時の放送に隠れるように弾くピアノの演奏なんて普通は気付けないし、大人になってからそのピアノの演奏者と巡り会うなんて奇跡みたいな確率のお話です。
澄人さんが電車で乗り合わせている男性が叶海さんの父親だという偶然も、叶海さんの父親が児童養護施設へ行くときに乗ったタクシー運転手も、最後に宝飾店の主人が食品サンプルのバナナを持った孫を抱えてくるところまで、いろいろなところで人が繋がっていました。
それで、中学時代に叶海さんが梓さんに、支えて背中を押すといった約束があって、叶海さんは亡くなってしまったけれど、その縁が巡り巡って、最後に叶海さんに代わって、前に進めない梓さんの背中を押して、つまり世の中は繋がっていて、誰かのためにしたことが巡り巡って自分に返ってくる、お互い様で、タイトルの通り相身互いだというのでしょう。
分かるような気はするのですよ。
ただ、観る人を選ぶ内容だと思います。
僕は、もっと盛り上がる山場とか、最後に主人公が目的を達成してめでたしめでたしみたいな、わかりやすい話が好きなので、好みとはかけ離れていて大して面白いと思いませんでした。
僕のように物語として単純なものを好む人間ではなく、深い話を好む人なら高い評価をつけそうだなと思いました。
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