劇場公開日 2025年2月21日

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「「エクソシスト」神父役俳優の息子の監督作+主演ラッセル・クロウのみが売りのC級ホラー。色々と説明不足と描き足りないことが多すぎる雑な作りが残念。」ザ・エクソシズム ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5「エクソシスト」神父役俳優の息子の監督作+主演ラッセル・クロウのみが売りのC級ホラー。色々と説明不足と描き足りないことが多すぎる雑な作りが残念。

2025年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

妻を亡くした俳優は、依存症から復帰するため、悪魔祓い役で映画に出演。
しかし、その映画撮影中にプレッシャーから次第に精神を病んでいき、
撮影現場は、現実と映画の境界線が曖昧になり、予期せぬ恐怖が起こる。

予備知識ゼロで鑑賞。
上映が1館2週間のみというのも頷ける内容だった。
「ヴァチカンのエクソシスト」で主役のタイトルロールを演じたラッセル・クロウが、悪魔祓い映画の神父を演じる役者を演じる。
また、映画のコピーが「伝説の映画『エクソシスト』の息子が日本に降り立つ!」って何のことかと思えば、「エクソシスト」でカラス神父を演じたジェイソン・ミラーの息子が監督だった。
(それは知らずに鑑賞。)
この2点だけを「売り」にして、こだわりなくり作ってしまった映画だった。

劇中劇映画のセットとして、まさかの「冷蔵室」に建てられた一室のセットが登場!
「エクソシスト」のことかな?と思いつつも、「霊界の冷気で息が白くなる効果を撮影するため」(「映画秘宝」で読んだ豆知識より)なんていう説明が一切なし!!!
そこはオマージュ?リスペクト?の大事なところなんだから説明しないと!
他にも「ドールハウス」仕立て構造、3階建て一面壁無しのセットが実に面白いのに、撮影には一切生かされない。
ウィリアム・フリードキンにあたる映画監督は、クロウのトラウマを責めるパワハラ演技指導。
しかし、フリードキン監督の狂気…までは至らない。
そして、何故か少年期のトラウマをしっている監督。
その過去の回想シーンは、フラッシュ・バックだらけで何が起きたかのかさっぱり分からない。

不仲の娘の、カトリック系寄宿学校停学の理由、経緯も一切描かれない。
悪魔憑き(リーガン?)役の女優の心情もほとんど描かれず(共演者の不幸はあったけれども)、いきなりLGBTQ+ラブシーン。
そのラブシーンの演出も下手過ぎ。
とにかく脚本が書きたらないことが多すぎて、監督もそこを補完できていないまま、話だけが雑にどんどん進む。
もっとエピソードと演技を積み重ねて丁寧に描いてくれれば、面白くなったかもしれないのに残念。
もうどういうエンディングだったかすら覚えてない。

本当に、監督は『「エクソシスト」神父の息子だけが売り』ではないんだぞと、父親のためにも意地でもがんばって誠心誠意全力で作り込んでくれないと、本当にそこだけが宣伝文句のC級、D級、Z級映画になってしまうではないか!
それこそフリードキン監督並みの狂気で、クロウを追い詰めるぐらいの気力で作らないとダメ!

唯一、おかしくなっていく父親から逃げずに、健気に世話を焼いてくれる娘と、その女優だけが頑張ってた。

ITOYA