劇場公開日 2025年2月21日

「こだわりの映像美と大正ロマンと広瀬すずの後ろ姿」ゆきてかへらぬ ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5こだわりの映像美と大正ロマンと広瀬すずの後ろ姿

2025年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作は女優の長谷川泰子の「中原中也との愛 ゆきてかへらぬ」(晩年の聞き書き)です(未読)多くの文化人と交流があった女優の波乱の人生の中でも特筆すべき、詩人の中原中也と文芸評論家の小林秀雄との三角関係を映画にしました。
雨の京都の町並み、赤い番傘、大正時代の建造物や調度品の美しさに引き込まれました。衣装も素敵です。

長谷川泰子の事は知りませんでした。実物写真を見ると、日本人離れした派手な顔立ちの人です。
中原中也は教科書で知っているだけですが、三上博史さんが中也を演じたドラマ「汚れっちまった悲しみに」が印象に残っています。ドラマの内容は忘れましたが、三上さんは色気がありました。
小林秀雄は、高校時代、課題で「モオツァルト・無常という事」を読まされたけど、難しくてよく分からなかった記憶があります。

本作は泰子の視点だからなのか、この二人の功績を十分に伝えているとは言えないです。泰子が理解できていなかったからかもしれませんが、そうだとしても映画ではもっと説明すべきです。

泰子についての印象ですが、自分を大きく見せたくてクジャクのように飾り立てる女、背伸びして、うんと背伸びして神経がバキバキになってしまった女、と思いました。
でも、自分の価値を上げる為に二人を利用した訳ではなく、単に、才能がある人・輝いている人に惹かれるんだろうと思いました。案外無邪気な人なのかもしれません。

広瀬さんは頑張りましたね。成長するにつれて話し方にクセが出てきて、CMの○○のすずちゃんは好きではないんですが、本作には合っていたと思います。そして、美しかったです。
岡田さんは流石の演技です。木戸大聖さんも雰囲気はとても良かったです。あと一歩ですね。

ゆり。
トミーさんのコメント
2025年3月1日

共感ありがとうございます。
引っかかっている広瀬さんの台詞廻し、段々出て来たんですね。正直アットザベンチで最大違和感だったんですが、今作はなんか自然でした、知らない時代だからですかね。チャールストンのシーンも急に楽しそうになり、悪くなかったですね。

トミー