「シナプス」ゆきてかへらぬ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
シナプス
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泰子を中心とした3人の、独特な愛憎を描いた作品。
彼らの職業もあってか理解も共感もできないが、それを求める作品でもないとは思う。
中原中也が出る割に創作の方には話がいかず、惚れた腫れたに終始している。
それで成り立つのは、恋愛や友情だけでは語りきれない、言葉にできぬほど複雑な内面が描かれているから。
神経症になった泰子は傍から見るとちょっとコミカルで、白磁の壺を投げたシーンなどで少し笑った。
役柄的に広瀬すずは色気が足りないのだけど、低く掠れた声音や重くした瞼で標準以上に仕上げていてサスガ。
20歳から始まることも考えれば、最終的にあれで正解にも感じられたほど。
岡田将生の落ち着いた芝居は全体を下支えしていた。
気になるのは役者ごとに醸す“時代感”がバラバラな点。
特に木戸大聖は突出して今っぽすぎて、マントやハットもコスプレにしか見えないのは残念。
その代わり、建物や調度品の雰囲気はバッチリだった。
正直観終わって残るものがあるわけではないけど、いくつかの価値観を覗く意味では興味深い。
それは上で少し下げた木戸大聖含め、実在感を持たせた役者の力だろう。
ただ、重さや厚みを出すまでには未だ及ばず。
『敵』で「フランス文学よりフランス書院」と宣ってたカトウシンスケが仏文学者の辰野隆役で、偶然ながら爆笑。
ボールルームでのダンスシーンも素敵でした。
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琥珀糖さんのコメント
2025年2月28日
コメントありがとうございます。
YouTubeでLINKは見つからなかったのですが、
Lightsと言うオジサンバンドの歌を聴きました。
サングラスのオジサンが河島英五みたいで、
良かったです。
違いますか?