「この印象はまるで」ゆきてかへらぬ 豆之介さんの映画レビュー(感想・評価)
この印象はまるで
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途中、泰子が無声映画の俳優として芝居をするシーンがある。それを観た時、これかと思った。
あくまで一個人の印象だが、いわゆる普通の映画に思えなかった。泰子と中也、小林。私にはまるで三人が日々の姿を演じ、それを映画に撮っているような気がした。中の俳優さん達の演技ではなく本当の三人が演じる劇中劇だ。
なぜそうなったかは説明できない。ストーリーを通してある時は純情に、ある時はエゴを感じた物語がそうさせたのかもしれない。それでも三人は美しい。
二人の男性が一人の女性を愛し、お互いにそれを知っており、女性もまた二人を愛する。令和の世とは違う男女の感性。それは今の世には希少なものだろうか。
中也の最期を知り初めて涙を流し泣けた泰子。あの涙は泰子の心から何を消したか。これは観る人によって様々な感想が出そうだ。
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