劇場公開日 2024年11月8日

本心のレビュー・感想・評価

全136件中、41~60件目を表示

3.0さようなら、母さん

2024年11月17日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

2024年映画館鑑賞108作品目
11月17日(日)イオンシネマ石巻
通常価格1800円−dポイント300円

原作未読
原作は『マチネの終わりに』『ある男』の平野啓一郎
監督と脚本は『川の底からこんにちは』『ハラがコレなんで』『ぼくたちの家族』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『町田くんの世界』
『生きちゃった』『茜色に焼かれる』『アジアの天使』『月』『愛にイナズマ』の石井裕也

粗筋
母秋子が息子朔也の目の前で雨のため激流の川に身を投げ自殺した
救おうと川に飛び込んだ朔也は重傷を負い一年近く意識不明で入院していた
母は政府が新たに導入した自由死という制度を利用し自殺したのだった
勤めていた工場は完全機械化され知らない間に無職になっていた
一年後リアルアバターという一種の代行業に転職していた朔也は幼馴染岸谷の紹介でVF(バーチャルフィギュア)の開発者野崎と出会い亡くなった母をVFによって蘇らせることを依頼した
さらなるバージョンアップをするために野崎の勧めで母の友人の彩花と会うことに
朔也が知らない母の事実が明るみになっていく

三吉彩花の役名が三好彩花
なぜこんな紛らわしいことをするのか
いろいろと事情があるのだろう
石井裕也監督のことだから深い意図があるんだろう
ネットで検索すれば容易にわかることだが今はやらない
シャワーを浴びるシーンで嘘みたいなボインを披露
峰不二子を彷彿させる漫画みたいなオッパイ
彼女には大変失礼だがあれが1番嘘っぽい

死にかけの田中泯の芝居が良い

朔也を通じてイフィーに告られる彩花の表情の移り変わりが良い
彼女はわりとうまい
なぜかつてあんなマイナーなアイドルグループに所属していたのか事務所の売り出し方が疑問
普通にまずはファッションモデルとして売り出せば良いのに
とはいってもさくら学院からBABYMETALが誕生しているからな
あといわき市出身の松井愛莉もそれなりによくやっている

近未来を感じさせるのは前半の方で後半はちょっと「うーん」
最後の方はなんとなくモヤっとした
思ったより田中裕子の出番が多くない
母と息子のやりとりが中心の作品かと思いきやそうではない
朔也と彩花は同居はするが男と女の関係にはならない
恋人ではなく同居人だ
彩花は朔也に好意があるようだ
結局ラストがよくわからない
観る側に委ねたか

亡くなった母との再会といえば風間杜夫主演『異人たちとの夏』を思い出す
あちらは幽霊でこっちはVF
科学が発展するとあの世の世界はどんどん風化していくのだろうか

そういえば『エコエコアザラク』というホラー漫画で母を亡くした男が手術で体の一部に母の顔を作り一人二役をする話があった記憶がある
まあだいぶ昔の話で当時は小学生だったはずだからあてにはならないが

あと『激烈バカ』で息子に対してじゃなくて夫に残した最期の言葉が「ヘタクソ!」ってのも笑えたなあ
あれが1番の本心だろうけど最後の最後で命を振り絞って鬼のような顔して言い放ちすぐ息を引き取る中年女性を今でも痛烈に覚えている

配役
亡くなった母をVFで再現した一人息子で一年間意識不明で入院し退院後リアルアバターに転職した汗っかきの石川朔也に池松壮亮
自由死を選んだ朔也の母で同性愛者の石川秋子に田中裕子
秋子の親友だが年齢は朔也にだいぶ近い元SEXワーカーの三好彩花に三吉彩花
朔也の幼馴染で2人で中国に移り住みたい岸谷に水上恒司
朔也に惚れ込み彩花に惚れた著名なアバターデザイナーだが交通事故の影響で残り一生車椅子生活を続けなければいけないイフィーに仲野太賀
朔也のリアルアバターのクライアントで病院で薬物による自由死を選んだ若松に田中泯
VFの開発者の野崎将人に妻夫木聡
野崎の娘で生意気なあずさに太田凛音
野崎のお手伝いをするVFで元になった人物はすでに病死している中尾に綾野剛
朔也の高校時代に片思いしていたクラスメイトで売春がバレて退学する村田由紀に宮下咲
村田由紀に対する侮辱的発言で朔也に首を絞められる高校時代の担任に結城貴史
朔也に写真で遺体の確認と母明子は捜査の結果「自殺」と伝えるベテラン刑事に二階堂智
ベテラン刑事に同行した若い刑事に笠原秀幸
コインランドリーの清掃員に中村中
コインランドリーで清掃員にキレまくる利用客に大津尋葵
レストランの支配人に佐藤貢三
レストランのウェイターに福田航也
レストランのピアニストに後藤亜蘭
ふざけたクライアントの指示で朔也がメロンを買おうとした高級果物店の店員に坂ノ上茜
リアルアバターの先輩に前田勝
リアルアバターの先輩に佐野弘樹
リアルアバターのAIアシスタントの声に窪田正孝

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野川新栄

4.0人間の本心はAIのデータには到底入らない。

2024年11月17日
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今まさになりつつあるバーチャル世界とそれを操るAIをもてはやす社会を危ぶむ識者のどちらが人間にとって善なのか。
愛する人の死後、残された者は故人がどう考え、何を思っていたのか、とても気になるが知るすべは無い。それはAIを駆使してアバターとして蘇ったつもりになっても故人の思考は蘇られない。当たり前だけれど。
だから生きてる今をもっと大切に、周りの人と関わり合うことの大切さを知らせてくれる映画。
親孝行したい時には親は無しとは良く言ったものです。こんな昔から言い古された格言、これこそ人間として生まれて来た者の永遠のテーマなのではなかろうか。それは戦前、戦中、戦後、現代、未来、どんなに技術が進み今現在では想像もつかない物が出来、事になっても変わらないのだろう。
だからこそ人と関わり合うことの大切さ、人への思いやり、優しさが大事なんだろう。
愛しい人が故人になる前にしておかないと、いなくなってから後悔することのないように。
でも中々出来ないんだよね。
作品の中身はと言うと今すぐに起こりそうなAIに人間が評価され、AIに人間が指示されて動くようになる仕事は嫌な世界だなと危惧します。そういったことへの警鐘の意味も原作にはあるのかも。

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梅じんの相棒

三吉彩花さん、表情だけの演技すごかった!

2024年11月17日
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幸せ

<まずは、他の人が書かなさそうな事から>
 三吉彩花という役名で出てくる女優は、三吉彩花だよね。役名が女優名を使っているのはなんでかな。ただ、三吉彩花さんは単なる「美形のモデルあがりの女優」かと想像していたら、なんのなんの!すばらしい演技でした。特に、セリフなしで表情だけでの演技。顔は口ほどにものを言うといいますが、表情だけで、みるみる心の変化が起きているあの演技力は、すごい評価されそう。
 あと気になったのが、「竹内力」という名前が、エグゼクティブプロデューサーとして、エンドロールでクレジットされていたのですが、竹内力って、あの竹内力か?
 そして、田中裕子のクレジットは、一人だけロールではなくフェードインで表示されて、ここでも貫禄?を見せていた。 エンドロールもいろいろな情報が入ってておもしろい。
<さて、やっと映画の感想>
 時々思う事ですが、映画の予告が、必ずしも映画の本質をちゃんと予告していない事がある。
 最近では、シビルウォーがそれ。 この映画「本心」も、予告だけを見れば、近未来のAI に翻弄される人間を描く事が、ストーリーの中心かと思っていたが、あくまで一つの舞台設定に過ぎない。
 亡くなったお母さんの「本心」を知りたいと思って、VFを提供する会社の門を叩き、そこから知らなかった様々な側面が出てくる、という部分には予告編との違いはない。しかし、この映画が本当に描きたかった「本心」の姿は、、、、 ぜひ映画を見てください。 暗い話ではなく、最後はハッピーエンドな雰囲気で締め括る、ほんのり暖かな良質な映画でした。

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HiraHiraHirappa

3.5詰んだ人生の起死回生が「中国に行こうぜ」の連呼とは?

2024年11月17日
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鑑賞方法:映画館

予告で観た、田中裕子さんが何気なく戯けながら踊る仕草と、流れる楽曲が印象的だったので、鑑賞した次第。

多分に原作を読まない限り、映画だけでは本質は掴めないと判断。原作者が書いた分人主義の流れを汲んでいるのかしら? とは思っていたのですが、そのような印象かな。

全般的に、脚本に散りばめられた「各人には秘められた分人が存在する」的な要素が大仰すぎてノイズに感じられて、素直に鑑賞しづらかった。とはいえ、目を引く要素にもなっているんで楽しめる部分でもありました。

しかしなんだろう、このテクノロジーを不穏なモノ、異質なモノとして捉える演出は、いつまでも変わらないもんですねー。

ところでなぜそこまで中国に行きたいんだろう? 本作の世界観設計で唯一わからなかったわ。まー「アメリカ行こうぜ」も今更感は出るだろうけどさー。

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ヘマ

3.0詰め込みすぎ

2024年11月16日
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泣ける

悲しい

怖い

原作読んでないです。
感じるのはドラマにすると、もっと良かったじゃないのかな!?
2時間で詰め込みすぎて、了解できない事もありました!
最後に、自分なら本心知りたくないと思います!

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クッキー会長

3.5simple

2024年11月16日
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泣ける

難しい

萌える

is the best じゃないかな。

予告編を観てVFがメインテーマと勝手に思い込んでいた。
技術の進歩によって明らかにされてしまう母親の隠された真実?
それはバーチャルなのか、リアルなのかという展開かと。
だが、本作はもっと複雑で自由死だの、社会的格差だのが入り込んでくる。
そして、そのどれもが中途半端で物足りなく感じてしまう。
それも当然でどれもがそれ単体で映画にできてしまうテーマだ。
2時間しかないのだから描写できる範囲は自ずと限られる。
原作がそうだったのだろうか。
だとしても、それを原作者と折り合いを付けながら取捨選択するのが映画だろう。

とは言え、ラストには涙が滲んだ。
そう、当たり前のことは実際に口にするのは難しい。
でも、自由死のような制度があれば時限だから素直にならざるを得まい。
それにあの手は意味深でBDなら巻き戻して確認したいところ。
もう1回観ろっていうことかなw
三吉彩花も魅力的で心がキュンと締め付けられた。

池松演じる青年は自由死反対派のようだが、
この点をもっと振り下げた作品も観てみたい。
まもなく当時者になるであろう私は大賛成。
大切な人に死ぬ前に本心を打ち明けるためにも。

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みみず

3.5原作読了後、鑑賞。うーん、よくまとめた!

2024年11月16日
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悲しい

知的

原作は、やっぱ平野啓一郎頭いいわー
…と、思えるような
相変わらず重層的なストーリー
近未来に更に深刻な問題となりそうなテーマ
テクノロジー技術の進化、気候変動、尊厳死、等々と
そこに翻弄される人間の、
普遍的な心理が複雑に絡み合う

これを、どうやって映画にする?!
ってところに興味津々で映画館へ走った

これがまた、予想以上に見応えあり!
うまく、原作からエッセンスを抽出している

VFと共存する世界
バーチャル空間で共に暮らす…
そんなことが、当たり前の日常となったら
人間はリアルなこの世界を
どう生きればいいんだろう
仮想と現実の境界が曖昧になったとき
人の心はそれについていけるのか…
進化し続けるAI技術に、少し不気味さを感じた

田中裕子、最高!
リアルな母とVFの母を演じ分けられるの
この人くらいじゃない?
池松壮亮も気合い入っててよかった
どこに出てた?と思った窪田正孝
AIの声だったとは!!

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ぴーちぱい

4.0想像と違ったけど良き

2024年11月16日
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難しい

幸せ

萌える

説明しずらいけど、ジャンル不定な感じ
普段インスタで観るクールビューティーな三好さんとのギャップがデカすぎでが・・キュン死(笑)
あの手の結末はそうであって欲しいなぁ

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ぐるもこ

3.5衝撃的な隠し事と本心

2024年11月16日
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衝撃的な隠し事が強烈すぎて、それに続くお母さんの本心があまりに個人的で普通すぎて霞んでしまい感動はできない。
映画として面白いかというと最初の段階から引き込まれて、思っていた内容と違うぞと引き込まれてしまう。
よく出来ていると思う反面、近未来として現在とは違う世界線の未来なのだと感じてしまう。

コロナ禍がなく、ZOOMなどの画像会議がない世界線なら、ここまでVRが発達した世界が生まれていたかもしれないと考えてしまう。
世界線が違う近未来として、スマホ並みに発達しているVRの中でのいじめや憤りに自分の生きている世界線と重ね合わせてしまう。

どうやってお母さんを作るのかという疑問で観に行った映画だったので、chatGPTをたまに使うので、データがあり個人レベルなら作れてしまうだろうと、未来感としてよく出来ている。
主人公もお母さんもピュアで、その周りの大人や子供も汚れて見えて、人は多面的だから、その一面からは判断出来ないがよくいる現代的な利己的な大人や子供に思えてしまう。

ヒントとして猫の視点で見ているシーンがあるので気をつけて観るといい。

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豊川内角

3.5三吉彩花のヌード

2024年11月15日
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もっと見たかった

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ロン

3.5全役者さんに見応えがありました

2024年11月15日
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一日で徒花と本心立て続けにみてしまった。テーマが少し被っていて頭がごっちゃに。

池松さんは、MOZUとか宮本とか、シン仮面ライダーとか、あるいはCMとかでも、自分の内面に深く向き合う役がとてもしっくりくる、声が印象的な俳優さんですね。つい追って見てしまいます。
対して水上さんが、岡田さんであった頃から、何故かいつも怖いのです。勿論、良い意味で。悪人を演っても、良いお兄さんを演っても、新人刑事をやっても、朝ドラに出てる時でさえ笑。たぶん、濁りのないまっすぐな目が、役柄を歪に強調して、危ういヒリヒリ感を生み出してるんじゃないかと思います。
この映画も、絶妙の危うさでした。
これからも追ってしまう気がしてます。

色んなことを考えながら観てたのですが、エンドロールの窪田さんの名前にまんまと動揺して、とんでしまいました笑。あとからニュースになってたのを知りました…サプライズ!

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chili

2.5ストロングスタイルの、割と好きな俳優さん達が揃いかなり期待していた...

tさん
2024年11月15日
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ストロングスタイルの、割と好きな俳優さん達が揃いかなり期待していた。
予告がピーク!

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t

4.5せつなさと苦しみと。いま生きてる世界は本物か

2024年11月15日
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悲しい

怖い

知的

池松壮亮の30代での代表作になり得る。映画で彼を見たのは初めてだけど、そう確信。
終わった後久しぶりにフーッとなる映画。

途中いろんな人がアバターに見えた。まさか主人公の夢だったという安直な結末に落ち着くではないかと疑ったが、深い感動といやこれって作為的なもの?と思ったり。

最後の滝のシーンで田中裕子さんの声、表情が秀逸。

三吉彩花がなぜ本名の役名?監督の意図があるんでしょうか。

AIの声が声優さんかと思ったら窪田くんだったのが意外。自分を消していて素晴らしかった。

友人役の意図が理解し難く、人物像が中途半端に感じたのでマイナス0.5。

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ハマー

3.0つまらなくはないけど。

2024年11月15日
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面白くもない。
題材はいいのに…いろいろ盛り込み過ぎた?

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キチ

4.0朔也と彩花だけがリアル

2024年11月15日
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近未来、感情を持つ人間の生きる世界がこんな不条理になるなら、弱者でも感情はあるわけで、感情の持って行き場が無く希望が持てないけれど、

朔也と彩花の感情の動き「本心」が俳優の上手い演技でよく表現されていました。
真面目に向き合う2人のセッションのような心の動きがよく分かります。

原作が良かったので楽しみにしていた映画、原作とはまた違いましたが、不器用に真面目に生きる朔也と彩花を観ていて静かに応援したくなりました。

ただ、登場人物は男性多く、女性は少なく、彩花以外の女性はリアルな深みが無く、
シャワーシーンで彩花の上半身胸を映すのは、男性視聴者サービスでしょうか?
セックスワーカーのトラウマから身体接触に恐怖を感じている彩花なのに、カメラが裸体を撮って赤の他人の視聴者に晒してしまうのは、女性として嫌な感じがしました。

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ゲド

2.5嘘くさい

2024年11月15日
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何か色々雑じゃないっすかね
AIでも区別付かないくらい似てる人が職業も同じって無理ない?
アノ職業も何だかなぁ、設定が甘くないっすかね
アノ動画も誰が何の目的で編集したんだろ
世界観の説明がほとんど無いからかなぁ
なんだか全体的に現実味が無いというか嘘くさいと感じてしまったなぁ

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みのまる

3.0面白くもなくつまらなくもなく。

2024年11月14日
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難しい

VFと仮想空間と。
内容があまり入ってこなかった。
感動も無ければ、一切何もなかった。
どっちつかずな内容。

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abebe

4.0映画の中の世界とは言えない近未来

2024年11月14日
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楽しい

感動とかは特にありませんでしたが、ストーリーはなかなか面白かったです。
けして映画の中の世界とは言えない近未来の社会はとても興味深い。
主人公とお母さんの物語が軸にありますが、僕はむしろリアルアバターのバイト物語と主人公と三吉彩花&イフィーの物語の軸の方が面白かった。さらにAI時代や格差社会や尊厳死などへの問題提起の社会派映画としてではなく、人間ドラマとして観たほうが面白いかも。
妻夫木聡さんと綾野剛さんも出演していますが出番は少ないので、ふたり目当てで鑑賞の方はご注意を。窪田正孝さんはどこに出ていたかわからないレベル。

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光陽

4.0予告編のせいで誤読されている作品

2024年11月14日
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生前の母の心をAIでとか、近未来社会のリアルアバターとか、いろいろ目新しいのでそこばかりに目が行く観客も多いようだが、それらはすべてテーマではなく、あくまでも設定。だからそれらの問題は必要以上に掘り下げられていない。
別にテーマが散漫になっているわけではない。

原作未読なので、映画についてのみ書かせていただく。

主人公は過去に罪を犯し、そんな自分自身に負い目を感じながら生きている男。それでも母一人子一人、ほそぼそと平凡な日常を送っているはずだった。
が、突然の母の死。助けようとした自分は1年後に目覚め、母は自死を考えていたと知る。自分は母とさえ上手くやれていなかったのか。母との日々も自分だけが抱いていた幻影だったのか。
自己肯定できない主人公は、その後も体臭が臭いと貶められ、何でも言うことを聞く虫けらのような存在として扱われる。
さらに、自分が人工授精児で、両親の愛に包まれて生まれた人間ではないことまで知らされる。

一方、それでも善い人でありたいと願う主人公は、母の知り合いの被災で家を無くした女性に一緒に住まないかと持ちかける。
彼女は人と触れ合うのが苦手で、そこに昔好きだった少女の幻影もかさなり、彼女の実体はボヤけている。
主人公は家庭内では彼女と「貧しいながらも穏やかな日々」を過ごしながら、でも彼女をリアルな存在として実感するすべはない。そもそも、自分にそんな彼女と対等でいる資格があるとも思えない。

そんな時、主人公が英雄視されるような出来事が起こる。ただ、それは編集されて作られた英雄であり、主人公には自分がその賞賛に値する人間という実感はない。
そのきっかけで出会ったパトロンは、車椅子の、肉体的には自分より明らかに弱者でありながら、才能があり、金もあり、社会的地位もある。主人公はここでも自分の無能さを実感せざるを得ない。
パトロンの彼は主人公に、彼女と付き合いたい、と打ち明ける。自己肯定感が最底辺にあり、さらに善い人であることを自分に課している主人公は…。

そんな話が、時系列的にはもう少し入り組んで展開するのがこの映画。
こうして整理すれば、本作がいかに無駄なくピースを散りばめた話になっているかがわかるだろう。

だから、AIの母が最後に語る言葉は、生前の母の本心かどうかなどと関係なく、そもそも主人公だってAI の言葉が本人の言葉だなどとは思ってもいないのに、しかもいわば定型文レベルの大した意外性もない言葉なのに、それでも感動的だ。
なぜならそれは、主人公が人から最も言って欲しかった言葉だからだ。
「あなたは心から望まれて、この世に生を受けたのよ。生まれて来てくれてありがとう。」
さらにこれまでバーチャルとリアルの狭間にいた彼女のリアルへの移動を予感させて、この映画は終わる。
とても優しい、救いのあるエンディング。

そんなわけで、この映画は「自己肯定できず苦しみ続けていた男の再生の物語」。
彼女と黒猫の関係も素敵だ。

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noizume

4.0VFの母に心揺らぐ息子

2024年11月13日
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怖い

知的

難しい

平野さんの原作小説を読んだ後に
本作を鑑賞しましたが
じっくりと楽しむことができました。

印象的なのは、
田中さんの演じる母親の姿。
本人なのにVFに見えたり
VFなのに本人に見えたりするんですよね。

そして息子の方は、相手が
本人なのに本心が見えなくて焦る。
VFなのに心温まる言葉に癒される。
そんな心揺らぐ息子を演じる
池松さんの演技も特筆です。

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saitall