本心のレビュー・感想・評価
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あり得る近未来
少し前にAppleVision Pro を体験し、バーチャルリアリティーのその「リアルさ」に驚愕していたのですが、この映画を見ると本当に近い将来VRを活用した様々なビジネスが出てきそうな気がいたします。
本作はタイトルが本心となっていて、映画の中で人間のリアルな気持ち、リアルな自分を見せることに苦心惨憺していたと思いますが、ストーリーが途中から急変換し、何が言いたいのかは少し伝わりにくい印象でした。お母様がなぜ自由死をされたのかもちょっとよくわかりませんでした。
主人公のセリフが結構棒読みに近いなぁと思って、もしかするとこの主人公がバーチャルリアリティーなのかと勘ぐったりもしましたが、まぁそういうことではありませんでしたね。
この世界観は好き。豪華俳優陣なのも良い。代行サービスが発展し、便利...
近い将来……?
本心を知るということ
平野啓一郎作品の映画化3本目に当たる。「マチネの終わりに」では、切ない大人の恋愛と人生の再生、「ある男」では、アイデンティティの探求と過去の秘密が描かれていたが、本作は、AI技術と人間の心がテーマになっている。これらの物語の根底には、「私」の根拠について思考する分人主義という彼独自の思想が流れている。分人主義とは、その時々の相手やコミュニティに合わせて変化するそれぞれの自分を分人と呼び、すべての分人が本当の自分であるという考えだ。
石井裕也監督作品というと、最近では、実際に起きた障害者殺傷事件をモチーフにした小説を映画化した「月」が有名だが、本作は、現代社会における弱者の生きづらさとそれに立ち向かう母子の絆を描いた「茜色に焼かれる」や喪失と再生と異文化交流をテーマにした「アジアの天使」の系譜に連なる。大上段に構えた社会問題告発作品ではなく、個人や家族という小さい単位から意識される社会を描き、深刻になることを恐れず、ユーモアと温かみは忘れないという作風が継承されている。
本作の舞台は、AI技術が進化した近未来、死の時期が自由に選択できる「自由死」が合法化されている。その「自由死」を望みながら、実際は事故で命を落とした母親を、青年は、生前のデータをAIに取り込み、仮想空間にその人間を作る技術であるヴァーチャル・フィギュア(VF)として再生し、その本心を探ろうとする。
この映画のタイトルである″本心″とは、本来は母親に向けられたはずのものであるが、AI技術を通じて再現された母親との関係を通じて、青年が自分自身の本当の感情やアイデンティティに向き合うことも意味している。
そもそも人間というのは本心を隠し持っているものである。だからこそ、覗いてみたいという欲求に駆られるのだが、知らないでそのままでいるということでも問題ない。知らなくてもよかったことを知ってしまったということだってよくある。この映画を観て、そんなことを思った。
人間に代わってください。
平野啓一郎の本心は分からない
この映画を観るために1か月前から原作を読む。映画の設定は2025年だが原作は2040年。登場人物等はほぼ同じだが、原作と映画は始めから話が違う。朔也は事故に遭わないし、母の事故死の状況も違う。朔也は教師を殴っていないし、女子生徒への処分に対する抗議で座り込みをし、その後に高校を自主退学する。女子生徒への恋愛感情もない。
朔也は彩花に対して好意はあるが、男性恐怖症であることを考え、気持ちを伝えない。彼の優しさであるが、女性に対する距離感でもある。映画では彩花に対する本心が重要な場面となっているが、原作はそこまで重くない。母は十分生きたと言い、朔也に見守られながらの自由死を望むが、不慮の事故で命を失う。朔也は自由死を望んだ母の本心を探ろうとするが、朔也が納得する母の本心は明らかにならない。ラストのVFの告白は原作にはない。自由死(尊厳死)と格差と差別、VFとリアルアバター、母の人生と朔也の出生の秘密などが絡み合いながら、朔也の変容を描く。映画よりは少し希望の持てる終わり方をする。
原作は結構なページ数のため、どこをどう切り取って解釈するかで、映画の主題が変わる。ラストの朔也の手を握ったのは、原作はVFの母が手を握ったように感じるが、部屋にいたのは彩花である。ラストの印象も、原作と映画では全く違う。
平野啓一郎はこの脚本に納得しているのだろうか。原作を読んでいなかったら、私の評価は違うものになっていただろう。詰め込み過ぎというレビューもあるが、他にも入れていない話があり、2時間に収めるのは難しい作品である。
おもしろくはなかった
詰めが甘い。 ※ ラストまで書いているので閲覧注意!
「 もし徳川家康が総理大臣になったら」 で、偉人達が立体映像で甦るけど、その映像を立体的に投影する機械が無いのに、偉人達が動きまくって、頭の悪い脚本家の限界を感じた。
今回は、VRゴーグルに死んだ母親が入っているので、その轍は踏んではいない。VRゴーグルを着けるのを忘れていたら、VRゴーグルが喋ったり、電話がかかってきたりしちゃう。ちょっと怖いなw
でもさ?カーナビの音声を登録するのには、膨大な時間がかかるじゃん?話し方や、考え方、家族の思い出や、口癖やら、エトセトラ、エトセトラ、会話できる人工知能を作るには膨大な時間がかかるものです。
それを、AIだから母親の人格をコピーして喋れるようになるってのは、あまりにもやっつけ仕事じゃないのかい?
原作では、その点はうまく説明しているのか?こういう所の詰めが甘いのが、邦画の限界だよな?
映画のタイトルが思い出せないけど、洋画だったら一つの映画に何人も脚本家が関わっているから矛盾を感じる事は無い。
大体、「 自由死 」 って何?劇中でその事を説明する描写が無く、説明する気が無いのなら自殺でいいじゃん?脚本家はちゃんと、仕事しろよ?
突っ込みだしたら、きりがないのでここで終わります。
職にあぶれて、バーチャルウーバー店員となった池松壮亮が、我儘な顧客に振り回されるサマは見ていて気の毒で気の毒で。俺もモンスター客に振り回された事があるので人事ではなかった。
この評価をつけられるってのが、曲者で評価ってのは依頼者から一方的に付けられるから文句の言いようがないのです。
俺は、タイミーマスターでエキスパートになりたくて努力していて、一度働いたバイト先から何回も直接働いてくださいという依頼を何度も受けていますが、
店名を晒すのはやめておくけど、某スーパーで陳列のバイトをやった時に、パンの棚の陳列を任された時に、
「 この写真の通りに陳列してください」
と、言われて、その写真を見たら、モザイクがかかっているみたく、解像度の低い写真で何が何だかさっぱりわからんかったとです。
当然、分かる筈も無く陳列に手間取っていたら、店長からタイミーアプリにメールがあって、
「 貴方は仕事が遅い」
と、メールがあって評価を下げられました。
メールじゃなくて、直接言えばいいじゃねぇか?お局様みたいにネチネチしやがって!
あんまり、頭に来たので本社に電話したら、営業部長が
「 文句あるんだったらさ?タイミーに書き込めばいいでしょ?じゃあ、電話切るね?」
と、言われちまったよ?推してシルベスター・スタローン、二度とこのスーパーは利用しないかんな?
あぁ、スッキリしねぇ!本題に戻るね?
で、仮想空間で知り合いになった、震災で家を無くした元ゼックスワーカーの女性と池松壮亮は同居する事になる。
「 宿代の代わりに私を好きなようにして!」
という展開にはならず、共同生活はうまくいっていたのだが、とある事件でyoutubeでバズった池松壮亮が下半身付随の絵描きの大金持ちに雇われる事になる。
この大金持ちが、また嫌な奴なんだよなー?あいつ等、人間が金で動くポケモンと思っている節があるもんなぁ?あー、嫌だ嫌だ。
さぁ、肝腎要の母親が自然死した動機が何だったのかを語るのたが...、語っていたか?俺が見逃しただけなのか?
映像を見る限り、猫ちゃんを助けようとして、川に落ちたのが死因なのか?
そんな終わり方って、アリなのか?金は返さなくてもいいから、この映画を見た時間を返してください。無理を承知でお願いします。
って言うか、時間を返しやがれ!こんちくしょう!!
煮え切らん
カスハラ対策は必要
工場で溶接工として働いていた石川朔也は、ある日、同居の母・秋子から、大切な話をしたい、と携帯に電話が有った。しかし、その日は飲みの予定があり早く直ぐ帰れず、飲み会が終わり帰宅してると、豪雨で水かさの増した川のそばに立っていた母を見つけた。危ないのでそばに行こうとしたが、母は川に流されたのか傘とともに姿が消えてしまった、川に流されたと思い、母を助けようと川に飛び込んだ朔也は救助されたが全身ケガを負い昏睡状態に陥った。1年後にようやく目を覚ました彼は、母が、自由死(自殺)を選択して他界したと警察から知らされた。勤務していた工場は溶接ロボットの普及により溶接工は不要となっていて朔也は職を失っていた。そこで、依頼主の指示通りに動くリアル・アバターという新たな仕事を始めた。ある日、仮想空間上に任意の人をつくるバーチャル・フィギュア(VF)の事を知った朔也は、母の自由死に至った本心を知るため、母のVFを作ってもらい、母の親友の三好が台風被害により避難所生活を送っている事を知り、母のVFと一緒に暮らすことになった。さてどうなる、という話。
リアル・アバターという職業が将来出来るかどうかはわからないが、ユーザー評価が絶対で、連絡もAIからっていうのは、従業員をバカにしたような、なんとも言い難い設定だなぁ、と思った。
カスハラ対策が全く出来ないのは疑問。
それに人殺しの強要とかありえないだろ、とも思った。
朔也役の池松壮亮は不遇の青年役を好演してたし、母役の田中裕子は相変わらずの存在感で素晴らしかった。三好役の三吉彩花は高身長でスタイル良くて美しいなぁって見てたら、シャワーのシーンで形の良い美しいバストも観れて得した気分。
その他、妻夫木聡、綾野剛、水上恒司、仲野太賀など、流石の俳優陣だった。
何を伝えたかったのか
つまらなくはないですが
世界観、構成は面白いものの
最終的に何が伝えたかったのかいまいちピント来ない。
ストーリー構成的に本心の大どんでん返しがくるのか、ボロボロ泣ける涙腺崩壊でくるのかと期待しすぎました。
特に泣けないし当たり障りのない本心でした。その方がリアルかもしれません。
結論、リアルアバターや恋愛面でも平行して本心という訴えを表現をしたかったのでしょうかね?
いずれにしてもパンチが足りなかったです。かといってそんな悪くもないですが
あとはメイン役者達以外の芝居はちょっといまいちで気になりました。
世界観はそうはならないだろうと思いつつもアイディアに感心しました。
AIについては法も策定されており、宗教や人権面で世界的にもかなり気を使って今も取り組まれているのであんなことにはならないと思います。
とはいえ、リアルアバターでの悪事などは配信炎上的な観点や、最近の闇バイト等も出てきているので遠からず実装されると似たような問題は発生するかもしれないと面白い視点で感心しました。
以上のことから評価は真ん中の2.5 です。
おそらく多くの観客が三吉彩花の残像と共に劇場を去る
予告編見てとても興味をもった本作。死んだ母をヴァーチャルフィギアで甦らせる。何が起こるか。
そんな設定のタイトルが『本心』。当然本心を探る話だと思う。ところがその予告編とはかなり違う展開が待ち受けていて面食らう。ただ面白くは観れる。原作は読んでないが、想像するに近未来の日本が活写されたとても面白い小説なのだろうと思う。ただそのストーリー展開上、割と前半畳んで勧めてる母親のところがそんなに乗れず、逆に三吉彩花が抜群にいいので観ていられる。ただし、おい、母の本心は、と思うとそれはそれで回収はされるが大回収とはいかない。観客の心は三吉彩花に移ってしまっているから。
ただ三吉彩花との関係性の話も(似てる似てない含めて)よくわからないフックで、ただし、三吉彩花が魅力的なので目が追っかけてしまって全体は締まらない。
なので田中裕子さんの母の秘密を知って涙しようという準備で来るとよくわからないことになるというのがみんなの本心かと思う
2時間映画の限界を感じた
詰込過ぎ
リアル感ある近未来?
あなたとわたし
池松壮亮さんと石井裕也監督と言うだけでもう見るのが確定な映画だなと見に行きましたが、やはり期待を裏切らない良い映画でした。
原作は読んでないですが、石井裕也監督は色々な事を、メッセージとして訴えてきて、色々な事に疑問を持てと、まるでサンドバッグ状態に私はなりました。
AIについて、死に着いて、生きる事について、一生懸命生きる事や、それを邪魔したり、傷つけたりする事や、差別についてなど石井裕也監督は色々な事をながかけてきますが、見をあったあとは、結局は家族の話なので本当に色々な方に見て欲しいなと単純に思いました。
自分意外の人と話す時、本心で話せている方が私は少ないし、他人にほんとに本心で話る事は私正直ありません。
しかし、自分の家族や周りの大切な人には、伝えたい気持ちがあるなら言葉にしなきゃ伝わらないし、伝えたいなとも思いました。結局このレビューも書くのさえ本心で書いているのかもわからないし、ほとんどの人が読まないと思いますが、上手く書こうとしたり、カッコつけたり、本心でかけてるのかもわかりません。
でも伝えたい事は伝えなきゃダメだなと心底思います。
最近は仮想空間、YouTube、インスタグラムなど自分が行ってもないのに行った気になることが多くあります。しかし、誰に会う大事さ、匂い、音などを大事にして生きたいです。仮想空間を否定しているわけではないです。
なんかよくわからない感想になってしまいましたが、あなたがいるから本心が言えない、私がいるからあなたが本心が言えない、あなただから本心がいえない、事もありますが、それでも大事な人には大事な事を伝えたいなと思いました。もちろん全部話さなくも良いし、全部知らなくてもいいし。
ラスト、手を伸ばした先の手が三好彩花の本心の手で石川朔也の最後の本心が明るい未来なのを切に願います。
長々と読んでくれた方がいれば本当にありがとうございます。誤字、脱字、関係のない感想本当にすいません。でも読んでくれた方ほんとにありがとうございます。
これは私の本心です。
幽霊の正体見たりAIアバター
ラストの、多言ノータッチAIより、無言タッチ実在が百聞は一見にしかず、がこの作品の全てでは。
しかし、予告編を見る限り、池松と田中の親子の話だと思っていましたが。田中のシーン、少なかったのには意外でした。
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