劇場公開日 2024年11月8日

  • 予告編を見る

本心のレビュー・感想・評価

全209件中、21~40件目を表示

3.0自分は自分の本心が分かっているだろうか?

2025年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ここに登場する「自由死」とは、自分の死期を申請して役所に承認されれば税制上優遇されるという、年寄りや重症患者を減らすための制度として描かれていて、『PLAN 75』(2022年)を彷彿とさせると同時に、評論家や政治家による高齢者を社会負担として捉える発言なども思い起こさせる。

また、「持つ者」と「持たざる者」に社会が二分されて、持たざる者がリアル・アバターとして持つ者に右往左往させられる様や、持たざる若者たちが次々と闇バイトのようなものに手を出していく様、そして更に、VFの言動に惑わされている様は、日々の生活がスマホに振り回され、自分の頭で考えることを放棄し生成AIに頼りっきりになる市井の人びとを描いているようでもある。

現在と地続きの近未来の社会を風刺的に描きつつ、「AIは心を持つことができるのか?」という『2001年宇宙の旅』(1968年)以来繰り返し投げかけられている問いに対して、「本来の」人間って一体何なんだ?という問いで答えている作品だと言える。

ネットの投稿などの虚構に満ちた現実と過去のデータに忠実な仮想空間では果たしてどちらが「本物」なのか?リアルな人間だって、そもそもそんなに単純なものではなく、その人の一面だけを見てこうだと決めつけることなど出来はしないのではないか?

本作のタイトルについている英語のタイトルは “The Real You” だ。よく知っていると思っている人のことをあなたは本当に知っていますか?本当にその人の本心が分かりますか?それよりも、自分自身の本心がどうなのか分かっていますか?

どうでもいいことなのだが、エンドロールに小さく「窪田正孝」という名前が書かれていたのだが、それがあの窪田正孝だとしたら、一体どこに出ていたのかがまったく見当がつかないんだよな…… と思っていたらAIの声だそうだ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
Tofu

3.0本当の思いなんて…

2025年1月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

人工知能だったり、ニュースの真偽だったり、自由死(実態は社会的弱者の自死を後押しする制度になるのかなと感じた)だったり、最近のトピックスを盛り込んだストーリーだった。

心はもちろん、現実の出来事でさえも、隠す意思があれば他者には分からない。心も現実の出来事も、他者に露呈した瞬間から、他者の解釈が織り込まれる。

「本心で答えて」と投げかけた問の回答は、たとえ「真実の本心」でなくても、「本心」となる。

自分以外の誰かと分かり合えることなんてなくて、自分自身のことでさえ十分理解することは難しい。
だからこそ、自分も他人も、尊重し、大切にできる人でありたいと思った。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
まみぃ

3.5人間の本質

2025年1月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

個人評価:3.7
過去作の『月』や『愛にイナズマ』などを見て感じとったテーマを本作でも感じ、
石井裕也は一貫して同じテーマを掘り下げているのだろうか。
人が人に何かを伝えるという事。その人間の本質の追求は、哲学的と同時に非常に映画的だとも思う。
原作は未読なので、最終的な着地点はピンとこなかったが、データ化した人間の方が、その人物の本質を剥き出しにするのだと感じる。
それにしても、お母さんを演じる田中裕子はどの映画でも、哀愁漂ういい演技だなぁと感心します。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
カメ

4.5「本当に言いたかった事」

2024年12月28日
iPhoneアプリから投稿

知的

今年301本目。

青梅のシネマネコで。
帰り青梅駅まで徒歩で人生で一番好きな自然でした。作品は田中裕子さんが本当に言いたかった事。石井裕也監督がリアルアバターを頼むお客さんの描写が凄過ぎる。今丁度カスハラが問題になっていますし。視点がいい。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ヨッシー

4.0愛は偽造できる?

2024年12月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

池松壮亮が波に乗ってる2024年。「ぼくのお日さま」「ベイビーわるきゅーれ」を個人的年間ベストに入れてるのなら、本作も逃す手はないでしょうと思っていたのに、よく行く映画館との兼ね合いが上手くいかず、気づけばどこの映画館も公開終了のお知らせが。もうなんで?!たまぁにあるんだよね、こうもギリギリになってしまうことが。ということで、毎度御用達の駆け込み寺(ちょっと遠くの映画館)に滑り込みで鑑賞。あっぶねぇ、逃すところだったよ。

評判はそれほど良くないのでさほど期待せずに見に行ったんだけど、これが意外に良くて。平野啓一郎原作の「ある男」は過大評価され過ぎでは?と少し思ったもののまあ好きだったし、何より石井裕也が当たり外れはあれど自分は結構好きだから、わりと上手いことハマれたなと。
設定が2025年の8月と近未来という言葉の威力からすると近すぎる未来ではあるんだけど、このなんともフワッとした捉えようのない、みんなが探り探りで生きている感じがとてもリアルですべてにすごく納得してしまった。

これは現実なの?それともVRゴーグル(この言い回しが正しいのか分からないけど)から見える世界なの?と惑わせる演出が秀逸でとても面白い。おかげで最初から最後まで考察が広がる。VR世界、そしてAIの技術は目まぐるしいほど進化を遂げており、最近では生成AIと言う新たな刺客が猛威を振るっている。
それじゃあ、人間はどうなのか?人は日々進化し、退化している。みたいな言葉があるように、例え文明が発展したとしても、人間も次なるステージに行くとは言えない。むしろ、衰退してしまうのが想像にかたい。進化は人をダメにしてしまう。むかしはいまよりも不便でも、むかしのほうがいまより豊かだとも思う。

人というのはまあ鈍感なもので、少しの変化を感じることが出来ず、気づいた頃にはもう遅かったなんてことが山ほどある。それは技術的な側面だけじゃなくて、上記のような心情の変化という内面的な側面においても。一緒に暮らしていても分からない。人は全てをわかった気になってしまう。この映画ではこれをすごく丁寧に描いていて。親子間における小さな蟠りだったり、片思いの恋心だったりと、人間の煩わしさが皮肉のようにしっかり表面化されている。AIと人間。この対比がすっごくわかりやすくなっていて、直にこの映画の意図するメッセージを受け取ることが出来た。

我らが池松壮亮は、今年公開の2作品とは違い、かなり平凡で至ってどこにでもいそうな主人公。見ている自分たちと等身大でいてくれる時の池松壮亮は、奇天烈な人物を演じる時以上に大好きだし、そうそうコレコレと首を縦に振ってしまうお馴染みの顔。
こんな平凡な役でも、やっぱり上手いなぁと唸ってしまう。細かな涙の震えと小さな感情の動き。普通がいちばん難しいんだよ。石井組の常連だから、もうお互いことをバッチリ理解し合ってる。そんなことが見て取れる安定感と抜群の存在感だった。

まぁただ、この手の映画の在り方としては悪くないんだけど、それを加味しても観客に投げかけすぎたなぁと感じてしまうし、「ある男」に引き続き平野啓一郎がちょっと自分に酔ってるような、世界を斜め上から見すぎるようなところはどうしても気に食わなかった。
監督なりに、原作者なりにこの物語に対する解答は持っているのかもしれないけど、それでもふわふわし過ぎていて掴みどころのない、大物俳優の演技があってもちょっとインパクトに欠けた映画になっている。全体的には好きだからそこまで不満は無いけど、このテーマを扱うなら地盤はもっとしっかりしたものであって欲しかったな。

実写邦画となると途端にレビューが長くなってしまいますね自分。とやかく書いたけど、やっぱり池松壮亮と石井裕也には今後ともたくさん映画を作って頂きたい。日本映画界を支える、大事な2人だと思うんで。過去作見て楽しみに待っときます😊

コメントする (0件)
共感した! 7件)
サプライズ

3.5結構怖いかも

2024年12月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

これからの時代に警鐘を促してるような、近未来的ミステリアスな映画です
お話は心温まるような感じでしたが、実際は人の嫌な部分が出ていて、ちょっと嫌な感じでした

コメントする 1件)
共感した! 3件)
nami

4.0ラブストーリー

2024年12月6日
Androidアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 5件)
hiro

4.5観てから、しばらくしてじゅわんとくる映画

2024年12月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

普通に特に不満もなく生きてきているが、心の中で恐れているのは大切な人を失うことである。思いがけないタイミングで不幸が訪れたなら、私もヴァーチャル・フィギュア(VF)を300万円払って購入するかもしれない。
原作は未読だが、主演の池松壮亮がこの小説を読み面白さに圧倒され石井裕也監督に映画にすべきと進言したとのことである。
予告を見る限りは母である田中裕子のがVFとして登場することが中心のファンタジーなSFドラマと認識していたが、池松壮亮がリアルアバターとして働くなかでみた不条理な世の中の現実(今も実は同じ不条理の世界である)や過去のトラウマとの葛藤、セックスワーカーだった三吉彩花のコンプレックスを抱えながらも懸命に生きている姿などヒューマンドラマとしての要素の方に強く惹かれる映画でした。
田中泯はワンカットだけで凄い存在感だし、妻夫木聡や綾野剛、仲野太賀らを脇役で使う贅沢さで映画を骨太にしていってる感じでした。
とにかく、ラストシーンに掲げた手に寄り添う手が彼女であることを祈ってます。

ここ数年だけでも「茜色に焼かれる」「月」「愛にイナズマ」等傑作映画を量産する石井裕也監督の実験的作品。後年に評価が高まるのではと思ってます。又池松壮亮はこの「本心」に加え「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」「ぼくのお日さま」の3本で今年の最優秀主演&助演男優賞は決定です!

コメントする (0件)
共感した! 7件)
アベちゃん

3.0不気味な話

Mさん
2024年12月4日
Androidアプリから投稿

結局のところ何が本心なのかはよくわからない。
ヒロインの三吉さんがきれいだった。
田中さんの笑顔が怖かった。

コメントする (0件)
共感した! 20件)
M

0.5ひとつひとつの要素が面白そうなだけに残念

2024年12月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 4件)
にくじゃが

2.5母親の本心に迫るハズが…

2024年12月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

自由死を選んだ母親に納得出来なくて、その本心を知りたいとAIの母を甦らせた主人公の朔也。ストーリーはあくまでも朔也による生前の母親の来し方やAIの母親がどのように心を学習していくのかが軸にならなければならないのに、三好との恋愛に重きを置いたため、その部分が中途半端な印象になってしまったのが残念。朔也の母親に対する心情の変化や人としての成長の過程をもっと丁寧に描いて欲しかった。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
れいちゃん

3.0多分

Kさん
2024年12月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
K

3.0もっとほかに使い道あるだろう!

2024年11月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

昭和のプログラムピクチャーの定番『母モノ』。というか亡母が死の直前、最期に話したかった事を聞きたいがために、最新のバーチャルAIで母親を再現しちまう、近未来のザ・マザコンドラマ。と、断じたら、この作品を気に入った観客や、原作の平野啓一郎ファンに叱られるに違いない。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
t2law

3.0ちょっと散漫な

2024年11月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

地味にわかりにくい設定がどんどんでてくるのと、綾野さんとか仲野さんとか中村さんとかがきゅうにひょっこりでてくることに気をとられてしまったりして、全体的に散漫に感じてしまった。
仮想はあくまで仮想なので、そこに過度な希望はもちたくないなあと思うし、私が死んだあと、うちの子が母親のAIをつくろうとか考えずにいてくれるといいなと思う。
三好彩花さんが三吉彩花さんであることに、ちょっと混乱したのだけど、なにか意味があったのでしょうか。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
kikisava

3.0原作読んでみた方が良いな、こりゃ。

2024年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作は面白いんだと思うんですよね…。
じっくり読んで理解したい感じでした。

AI、VF(ヴァーチャル・フィギュア)、
自由死OKな近未来を舞台にしたヒューマンミステリーだそうで、
予告編を観て、てっきり、自由死を選んだお母さんの本心を紐解きながら、
母と息子のお話しで涙するのかと思っていましたが、
そうでもなく、テクノロジーが発達しても。なのか、
発達したからか。なのか、
とにかく生き辛い近未来を描きたかったのかな?

で、結局、このタイトルの意味は、どんなにテクノロジーが発達しても、
本心は本人しか判らないよー、みたいなこと???

ただ、ちょっとハイテクについていけないというか、
ほぉ~すごねー、という感情の方が勝ってしまって、
最終的に、なんだか良く解らなかったです…。

あと、男の人が原作って感じがしました。
代理告白とか、恋愛ターンが中学男子みたいだなぁ…って思っていましたわ。

原作読んでみた方が良いな、こりゃ。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
hkr21

3.0考えさせる為の。。。

2024年11月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

難しい

自ら自由に死を決めることで優遇される世の中。
母の死をめぐり自分の本心はどこにあるのかを問う。
色んなことを考えさせられる、っと言うか考えさせる様に作られている印象。。。主人公の想いも事件も、相手の想いも過去も、腐れ縁の友達の想いも未来も、全てに対してうっすらぼかして、言葉ではなく表情や陰影で『これは本心なのか?』と観る人に思わせたいような作りになっていると思った。
そう思ってしまうともうどうしようもなくさめてしまって、どっちにも転ぶ結末になんかモヤモヤしたままスクリーンを後にしました。
最後の手は現実なのか、主人公の映し出した願望なのか。
とても面白かったです。

コメントする 1件)
共感した! 6件)
chitto

4.0本心という名の…

2024年11月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

これが全て昏睡状態の夢の中のストーリーだったら怖い。だって昏睡状態中の1年でこんなに文明が発達するのだろうか?
池松壮亮さんは最近、多数の難役に挑んでいるが今作も難しい役どころを上手く演じている。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
よう

4.0母であろうが心は分からない

2024年11月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

自ら生を絶った母を甦らせても、詮無いことだ
相対するものへの想いが形を作る

他者の替わりにもなれない
替わりとなった者は存在を操られて翻弄される

母が言いたかったことは貴方が生まれてきて良かった、貴方を愛してるということなのだ
それを聞いた時に旅立つことができる
自分を想ってくれる人に気付けばいいのだが

コメントする (0件)
共感した! 5件)
すぅ

4.0最先端のテーマを抑え気味に・・

2024年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

幸せ

しかし少し盛り込み過ぎた。3本は映画が出来そう。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
mark108hello

3.5ショートSF?

2024年11月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

正直、変な映画だ。ショートSF小説の様な話。それを2時間の映画に伸ばしたかの様な内容。それ故、エピソードが余り関連なく進んでいく。メインのお母さんの話は、中盤、ずっと忘れられている。
けど、それでもやっぱりグッとくる。
最近、こういう話に弱いなぁ。年のせいかなぁ?

#本心

コメントする (0件)
共感した! 4件)
naichin
PR U-NEXTで本編を観る