本日公休のレビュー・感想・評価
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ノスタルジックな空気が良き
全てにおいて昭和の時代を思わせるノスタルジックな赴き
小さな理髪店のお母さんと常連のお客さんとの
通い合う気持ちみたいなものが素敵だなぁ。
いまの時代にはない関係性だなぁと思ってみてました。
出張散髪に出向いたコ先生や、息子、娘たちに
語りかけながらのシーンは、あちらこちらから場内
啜り泣く人たちも。
全うに働かない長男
男を見る目のない長女
離婚したばかりの次女
母親の心配事は一向に無くなりそうにないけれど
それすらもどこか温かさを感じさせる作品でした。
願わくばあと20分はショートさせても良かったのかな
美容院は禿げを差別する
散髪屋の客の大半は禿げなので( おい) 散髪屋の店員は手だれの刑務官と同じで、禿げ転がしがうまい!うまい!
何故なら、自分も禿げなので、禿げの気持ちが痛いほど分かるwのだ。
この剃り込みが...、
真ん中の分け目が...、
てっぺんが薄くなって...、
どうにか、毛があるように切ってもらえませんか?
という、客の無茶振りに難なく応えて、客を満足させるのだ。
この無いモノを有るように見せる技術はいつ見てもお見事で、その出来栄えはよく表彰された盆栽のように、無い髪の毛を有るように見せるのだ。侘び寂び、いまそかりだ!
だからね?女の子の親御さん、娘さんが、
「 前髪が気に入らないから、学校に行きたくない!」
と言った時は迷わず散髪屋に行きましょう!
俺の場合は、身体中にある腫瘍のせいで頭部にも腫瘍がある。デブに出来るクロちゃんの後頭部みたいな奴ね?
だから、散髪屋の技術が無いと大変に困る。
この腫瘍は取る事も出来るけど、切除するには頭の皮に癒着した腫瘍を取る為に、一度、頭の皮を全部剥いで頭蓋骨を剥き出しにしてから、
頭の皮の下にある腫瘍をこそぎ取ってから、また頭に頭皮を貼り付けるというジグソウでも嫌がる手術をしなければならない。
そんな大手術の費用も暇も無いので、放っておいているのだが、たまに
「 このコブ何ですか?」
って、聞いてくる散髪屋がいるので、そいつがいる店には二度と行きません。障害を持っている人に、その障害はどうしたの?って、聞く神経が理解出来ない。
アフリカ系アメリカ人に向かって、
「 チンコ、デカいの?」
って、聞くくらい失礼だという事に気づいてないのは哀れすぎます。
デカいに決まってる( おい)だろ?馬鹿!
本当は、頭のコブについて、裁判沙汰にしてもいいかな?と思うくらい酷い事言われたけど、まだ気持ちの整理がついてないので割愛。
実際に監督はこの映画のように、母親が散髪屋で生計をたてている。映画の舞台の散髪屋は、監督の実家である。
この散髪屋のお母さんが、商売上手で常連のお客さんが髪が伸びた頃を見計らって、
「 髪伸びたでしょ?散髪しませんか?」
と、顧客に営業電話をかけるのだ。これだけ商売上手だから、
顧客の子どもがチンピラになって、散髪屋よりは美容院に行くようになっても、おばちゃんとのいい思い出を思い出して、おばちゃんのピンチを救ったりもするのだ。
ピンク髪の娘が、トミーズ雅にちょっと似ている女性客と喧嘩になっても、男子上司が仲をとりもるんだけど、
「 この髪をこう後ろ髪から、前に向けてこぅふわぁとすると!お客様、マライア・キャリーみたいですよ?」
と言い放つ!
地球人と女性というくらいしか、共通点しかないのに、
よくつらつらそんな事が思いつくもんだ!すげー、弟子にしてください!
で、散々な道中だったが、ようやく過去の顧客の家に辿り着き、
顧客のいる部屋に向かうと...、そこには、
あとは、劇場で!
イケている髪切おばさんのロードムービーだ!きっと楽しめると思います。
生活観念と愛情が重なり合う関係は、奇跡的なことなのかもしれません
2024.9.26 字幕 京都シネマ
2023年の台湾映画(106分、G)
恩人の髪を切るために遠方に向かう理容師を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本はフー・テイエンユー
原題は『本日公休』、英題は『Day Off』で「休日」という意味
物語の舞台は、台湾の台中市のとある理髪店
常連さんの髪を切ることで生計を立てているアールイ(ルー・シャオフェン、若年期:スー・リーティン)は、暇な時には電話帳を取り出して、最近見ない常連さんたちに電話営業をしていた
彼女の夫はすでに他界しているが、夫との間に長女のシン(アニー・チェン)、次女のリン(ファン・ジーヨウ)、長男のナン(シン・ミンシュアイ)を授かっていた
シンはスタイリストとして、CM撮影の現場などで活躍し、リンは美容師として都会の美容院で働いている
ナンだけはフリーター気質で、訳のわからないビジネスに手を出しては、無駄な時間を過ごしていた
ある日、電話帳の中から、かつてお世話になったコ先生(ジェン・ゾンフー)の名前を見つける
どうしているかと思って電話をすると、コ先生は病に伏していて、予後も良くないと聞かされる
そして、コ先生の長女から散髪の依頼を受けたアールイは、店を閉めて先生のいる彰化へと向かうのである
映画は、監督の母親がモデルになっている作品で、理髪店の日常が描かれている
その中でも次女の結婚観が全面に描かれていて、特に「お金」にまつわる話が多かった
長女は違反切符関連でプライベートを暴露される話が出るし、次女は経済観念の違いが離婚に発展している
次女は出張散髪を利益で考え、アールイはそういったものよりも優先するものがあることを知っている
アールイとチュアンが次女の離婚後も家族のようになれているのは、この生活感覚が似ているからのようにも思えた
人生に経済はつきもので、アールイは「親が子どもの心配をする理由」として、「経済的に困窮しないか」というものを真っ先に挙げていた
お金がなくても幸せだと開き直れる人もいる一方で、生活には欠かせないものなので、それなしでは生きてはいけない
農家の若者(チュン・ボーリン)のような生き方も可能ではあるものの、それは俗世から離れてこそ成り立つものであり、人間社会の中で生きていくには、ある程度のお金というものは必要になってくる
だが、それが第一になってしまうと幸福は遠ざかってしまう
印象的だったのは、アールイがコ先生の長女からもらったお金をチュアン(フー・モンボー)に渡したシーンで、さりげないシーンだけどとても大きな意味があるように思えた
いずれにせよ、人生経験豊富な人向けの映画で、子育てしたことがある人がハマる印象があった
ラストでアールイが友人たちとはしゃぐシーンでも、子育てを終えて、夫が亡くなってから始まる人生を謳歌しているようにも思えた
それまでにどのような人生を歩むかはとても大事なのだが、やはり価値観が近い人同士で時間を紡いでいくことが大切なのかなと感じた
ほっこり優しー気持ちになりました
台中で理髪店を営むお母ちゃんのお話。
バーバー吉野を思い出しましたが、
あちらはコメディ要素強めでしたな。
なんだか、良き時代の昭和テイスト満載の理髪店で、
日本の田舎でも、まだまだ残っていそうだから、
日本でリメイクして欲しいなー。
コ医師を訪ねる旅は、ミニロードムービーっぽくって、少しワクワクドキドキしましたし、
寝たきりのコ医師に、語りかけながら散髪を施すシーンには涙がこぼれました。
仲良しおばちゃん仲間で出かけてワチャワチャするところも、
神社でお願いするのは、結局は子どもたちのことというところも、
そういう日常のあるあるも、ほっこりしましたし、
やはり、たわいない会話や、人と人との繋がりの大切さが、心に染みる優しい作品でした。
本日も、恒久
粗筋が好きな雰囲気だったため楽しみにしていたが、ちょっと散らかり過ぎてたかな…
“先生”の散髪がクライマックスだと思ってたのもあるが。
冒頭、いきなり出発かと思いきや、時系列が行き来しつつ相関も分からぬ登場人物が入り乱れる。
残念ながら、この前半が非常に眠かった。
①常連客との話②3人の子供の話③次女の元旦那の話④ロードムービー⑤“先生”の話、と要素が多い。
終盤になると、⑥修行時代の話⑦おばちゃんたちの青春など更に増える。
大別しただけでこれである。
アールイの生き様を描いたにしては、(彼女と絡まない)子供たちやチュアンの話が多い。
そのため、老いについてや丁寧な仕事について、親子や夫婦の関係その他とテーマも散漫。
中盤以降は、「彼氏とは別れたほうがいい」など笑えるシーンも増えてきた。
チンピラに絡まれた道は教習所みたいだな、なんて思ってたら最後に教習所出てくるし。
農家の若者の髪を切るような、ロードムービー的な話はもっと見たい。
“先生”の散髪シーンはとても染みたし、だからこそここを軸に全体を構成してほしかったとも思う。
素敵な部分も多かったので、要素を絞って濃度を上げれば名作になれたかも。
この方向性なら、アールイが店を閉めるか亡くなるかまで描いてほしかったなぁ。
優しい気持ちにさせてくれる良作
台湾第2の都市である台中で理髪店を営むアールイ(ルー・シャオフェン)を主人公に、彼女の3人の子供達との親子関係や元娘婿のチュアン(フー・モンボー)との擬似親子関係、そして理髪店の客達との関係を通じて、人生において何が大切なのかを描いた良作でした。
物語はアールイが店を臨時休業(公休)にして車で何処かへ旅立つシーンから始まりますが、その後時計の針は少し戻って物語世界の説明とも言うべき部分になって行きました。この辺りは非常にゆったりとした流れであり、成人して親の言うことを聞かない子供達を心配するアールイの姿に同情せざるを得ないものの、一方で長年の常連客との関係を築いている彼女は、理髪師としても、そして人間としても幸せに暮らしていると感じさせることが丁寧に描かれます。
この調子で何気ない日常が続くのかと思ったところで、冒頭の旅のシーンに戻り、話は急激に(二重の意味で)ドライブして行きました。家に水筒を忘れて来たアールイが、稲作農家の若者(チェン・ボーリン)からお茶をご馳走になり、代わりに長く伸びた髪を切ってあげるシーンは、その後に続く物語の頂上に続く登山口でした。そして旅の目的地であるかつての常連客の歯科医のコ先生の家で、先生が意識もなく寝たきりになっていることが分かり、それでも先生との思い出を噛み締めつつ髪を切るアールイの姿には、大いに涙腺を刺激されました。
これで本作は絶頂を迎え、あとはエンディングに向かうだけかと思いきや、心配する子供達の待つ台中の理髪店にアールイが戻ると、ギクシャクしていた親子関係も正常化の方向に向かい、子供達や最も信頼していた元娘婿のチュアンの人生も明るい方向に再出発することが決まり、暖かい空気に包まれて物語は終焉を迎えました。
本作で描かれた親子関係は、観る者一人一人の親子関係を想起させることから、観た人それぞれに違った思いが宿るだろう作品だったと思いますが、私としては親の思いも子の思いも心に染みわたるように理解出来た感があり、心を揺さぶられる思いがした次第です。真心を持って家族に接し、真心を込めて仕事をする。そんな日常の大切さを再認識させられた作品でした。
そんな訳で、優しい気持ちにさせてくれた本作の評価は★4.5とします。
「いつもどおりで。」が通じる仲のいつもの近所の床屋さん 温かいタオルのような雰囲気で 子供たちを育てた女性理容師の半生 ノスタルジーと今を生きる元気に何度も泣けた
昔ながらの近所の床屋さんは今も営業中。
40年間も経営する女性店主で唯一の従業員。
今日も、最近来ない常連客に営業電話でお伺いを立てていると、その一人”先生”が病床にいることを知る。引っ越した後も、遠くから通ってくれていたその人のために、自宅まで出張散髪することになるが・・・。
「散髪ロードムービー」です。
車での日帰り旅行ですが、道中でお茶をもらった青年と出会って髪を切ってあげたり、やんちゃな若者集団と揉めたり、道に迷ったりとそれなりに色々あって面白い。
理容師として修業した時代、師匠のもと仲間と働いて今の店舗を開業したころなどの回想シーンがまた泣けます。
育てた子供たちのエピソードも交えていて、それぞれがまた人生を奮闘中。
次女は、街の今風の美容室で働いていて、安価の理容店の開店を計画中。
1000円カットで有名な日本の「QB HOUSE」台湾店まで登場しているのにはびっくり。
ただ、ノスタルジーだけでなく、同年代の友人と旅行に出かけたり、元気に今を生きる姿に勇気づけられます。
理容師の女性と常連客の男性の日々を、歌ったエンディングの主題歌も心にしみます。
思った通りの良い映画でした。
(試写会の類はすべてネタバレ扱い)自然な流れの描写がとても良い。おすすめ。
今年323本目(合計1,415本目/今月(2024年9月度)9本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
夜はこちらの映画をfansvoicejpさまのご厚意でオンライン試写会として参加しました。
ストーリーの展開としては、日本でも昭和のころなら普通にみられた、あるいは今でも地方だとあるのかな…家族経営の散髪屋さんで、来る方をほぼ暗記していて、その方の好みなども暗記していて、いわばその散髪屋さんが(村や町の)コミュニティになっている、といった趣感のあるところが舞台になります。
そんなのんびりとした散髪屋さんに、いつも来ている高齢の男性が来ていないという事態が。どうも、病気で行けなくなったということで、散髪店を「本日公休」にしてまでも、お客さんの「いつものカット」を、今すぐそこでもてなすのがこのお店なのです。
非常に流れがゆっくりな映画で、台湾の地方部における小さな理髪店にありそうなことはたいてい映画内には登場しますが、それ以外の論点がほぼないので(まったくないわけではない)、見やすい映画かなというところです。なお、家族全員が理髪店をやっているわけではありませんが(ネタバレ回避)、お店の看板には「家族理髪」とあったりします。このあたり、日本と台湾だと漢字文化圏による類推が可能な範囲なんですね…。
採点に関しては台湾の理髪店を描くドキュメンタリー映画というタイプにも思え(ただし、架空の散髪屋さんという扱いではあるが)、少なくともどういう解釈をしても映画に娯楽性を求めるならあまりお勧めはできませんが、日本と文化圏が似て、かつ「散髪屋さん」という文化も大半共通している以上は、「癒しの映画」にもなりえましょうし、ぜひコロナ事情でまだ行かない、という方も多い中、「すぐ近くの漢字文化圏」であるところの台湾の事情をみに、この映画を見られるのは良いことではないかな、と思います。
採点に関しては特段気になる点はないのでフルスコアです。
なお、台湾映画という事情から、ある程度の国語力を推測される部分がありますが(翻訳されていない部分がある)、日本の中学3年程度の国語力でしょうし、ほぼ問題になることはないと思います(字幕もとても丁寧)。
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