劇場公開日 2024年11月15日

「反社と煙草とカフェオレと小倉トースト」オアシス 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0反社と煙草とカフェオレと小倉トースト

2024年11月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

2024年映画館鑑賞111作品目
11月29日(金)イオンシネマ石巻
ハッピーナイト1300円

岩屋拓郎初監督作品初脚本作品
助監督を務めていた岩屋氏の脚本が高く評価されついでに監督デビュー

デビュー作がヤクザものとは随分と安易な

反社系青春映画

舞台は名古屋

粗筋
菅原組の縄張りで勝手にシャブを売っている半グレ組織
組長の方針でシャブは御法度
菅原組の構成員の富井ヒロトは客のふりをして売人を懲らしめてしまう
対立する菅原組と半グレ組織
半グレ組織のメンバーにはヒロトの幼馴染の金森マサトがいた
二人は10代の頃に幼馴染の紅花が住むアパートに寄った際に外で紅花の母親が菅原組組長の息子のタケルに殺される場面に遭遇する
タケルに立ち向かったヒロトだったが勝てるわけがなく組長の計らいで組の構成員になるハメに
その場を逃げたマサトはヒロトと疎遠になりやがて半グレ組織のメンバーになった
紅花は母親が殺されたショックなのか記憶障害になりレストランで働き始めやがてタケルがバックにいるクラブのホステスになった
そんなある日によっぽどに気に食わなかったのか半グレ組織のメンバーでまだ10代の三井が勝手にタケルを刺して怪我をさせてしまった
詫びを入れにいったマサトは子分になったらチャラにしてやるとの誘いを笑って断りその場で三井は殺されてしまう
興奮したタケルは紅花をレイプしようとしたがその彼女にあっさりと刺殺されてしまう
三人は菅原組から追われる立場になってしまう

記憶障害の設定は必要性を感じなかった

廃屋でのひと時から急にダルい感じになり話のテンポが悪くなった
インターミッションではないがある意味それに近い感じさえした緊張と緩和
彼ら三人の青春を取り戻すには必要だったのかもしれない

ヤクザ映画としては珍しく発砲シーンがない
予算が足りなかったのか

警察組織が登場しないためか薄っぺらい

今の時代の映画に顔つきだけで恐怖を誘うような成田三樹夫とか志賀勝とか汐路章とか潮健児のような俳優は存在しない
狂気に満ちた菅貫太郎も良かったな
70を過ぎたばかりでまだまだ頑張ってほしいが丹古母鬼馬二も最近は見かけなくなった
物足りない
生まれ育った時代が違いすぎる
いまどきプロ野球で若いのにヤバすぎるオッサンのような出立ちの森本潔みたいな選手はいない

菅原組の重要人物が悉く思いほか弱かった
木村の娘は鼻輪をつけているが意外とかなり強すぎた
興醒めした

三人はどうやら助かったようだがこの先どうなるのか誰もわからない

犬咲らに追いかけられ雑居ビルを逃げるシーンと
廃屋に向かう雑草生い茂る金網と金網に挟まれた歩行者専用通路のシーンが良かった
あの道は20数年前度々利用した志村坂下から浮間舟渡駅に抜ける抜け道を思い出したが今はどうなっているか自分は知らない

可でも不可でもなく
迷ったがデビュー作としてはまずまず
次回作に期待したいが今度はヤクザ映画ではなくて学園コメディーとか時代劇とかもっと娯楽性が高い作品に挑戦してほしい

配役
菅原組の構成員の富井ヒロトに清水尋也
ヒロトの子供時代に深澤幸也
富井の幼馴染で半グレのメンバーの金森マサトに高杉真宙
マサトの子供時代に永原諒人
富井の幼馴染でホステスとして働いている記憶障害の紅花に伊藤万理華
紅花の子供時代に美音
半グレ組織のボスの木村に松浦慎一郎
木村の娘のアンナに杏花
木村の手下の三井に林裕太
菅原組の組長に小木茂光
組長の息子の菅原タケルに青柳翔
菅原組の幹部の犬咲に津田寛治
菅原組の構成員でヒロトの兄貴分の若杉に窪塚俊介
紅花の母に新井郁
半グレメンバーに所属するシャブの売人に香川幸允
半グレメンバーに所属するシャブの売人に遠藤健慎
半グレメンバーに田中爽一郎
半グレメンバーに佐野寛大
半グレメンバーに村田凪
菅原組の構成員に永田祐己
菅原組の構成員に光永聖
菅原組の構成員に山口雅也
菅原組の構成員に阿曽将成

野川新栄