劇場公開日 2024年10月11日

「親が子を思う気持ち、家族、友人の優しさに感動」BISHU 世界でいちばん優しい服 梅じんの相棒さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5親が子を思う気持ち、家族、友人の優しさに感動

2024年11月17日
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鑑賞方法:映画館

地元愛知の一宮市は繊維の街として有名では有るが、布を作るまでの工程、分業の工場があったことを知るにはとても良い、地場産業の衰退もあるけれど自分達が住む地域の産業の歴史を知ることは大事、それと発達障害の事を知り偏見を減らし、理解してもらうにはきっかけとして良い映画だと思います。中学生や高校生に是非観てもらいたい映画。
私も娘がいるので父親の吉田栄作の気持ちがよくわかる。自分の子供が恥ずかしい思いをすることに耐えられない、だから行動に制限、約束事で雁字搦め過保護になってしまうのは凄く分かります。
しかし映画の終盤、恥ずかしいって何?本人が思ってなくて周りがそう思う事なのではと。
娘の幸せを思うあまりに過保護になって本人の幸せになる邪魔をしてるのではないか、また家族が犠牲になってると思うか思わないか、健常者の周りの者は障害がある者、弱者へ優しく接するのは当たり前のこととしても偏見はあってまして未成年は残酷な者である。
親友と家族に支えられ夢へ踏み出す主人公とサポートする家族、友人に感動させられました。
服部樹咲さんの発達障害を持つ高校生の演技も素晴らしい、トレンディ俳優から父親役が素晴らしい吉田栄作さん、その姉役の清水美砂さんも良かった。
家族模様を描きつつ発達障害の理解が進まない社会も描き、尚且つサクセスストーリーに仕立て上げており昔の文部省選定映画でも良いほどの出来なんです。
理解がないのは毎日顔を合わせる学校の担任、クラスメイトで表現してるようですね。
担任は教育者として未熟過ぎるとさえ思いました。
学校で障害を持つ友達がいることは、大人の指導次第でクラスの人数だけそれの理解者が出来ると思うんですよね、私も小学校で聴覚の障害がある子と友達でしたが、大人になっても障害に理解出来るのもその頃の経験があったと思ってます。
モンスターペアレントは自分の子のクラスに障害を持つ子がいると自分の子がいろんな点で遅れや時間を取られたりするからと否定する親もいるそうですが、優しい気持ちを持つ子供に育てるには障害を持つ子と一緒に学校生活を送ることは何事にも代えがたい経験が出来ると思うんですよね。
世界で一番優しい服という副題にピンと来ずに観たのですが、映画を観て理解が出来ました。
優しい気持ちになれる良い映画でした。

梅じんの相棒