「シリーズFINALとして練り上げられていた」劇場版ドクターX 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズFINALとして練り上げられていた
TVドラマは7シリーズにも及んだらしい。最初から観ていたわけではないが、最近の2シリーズくらいは観てから過去作も配信でそこそこ観たので、劇場版も楽しみにしていた。
【物語】
東帝大学病院を離れていた大門未知子(米倉涼子)はとある国で瀕死の大統領の命を救い、密かに帰国する。 東帝大学病院では蛭間院長(西田敏行)が会長に退き、理事会の指名により若い神津比呂人(染谷将太)が経営再建のために新病院長として赴任する。
神津は病院の収益を上げるために手術の回数を倍増させると共に、腕利き外科医という話を聞いて大門美知子を招聘する。 しかし、大門美知子と共に挨拶に訪れた神原晶(岸部一徳)が差し出した名刺を見て顔色を変える。神津には榊原に対して遠い過去から現在に至るまで片時も忘れることのない深い恨みを持っていたのだった。
一方、かつての同僚森本光(田中圭)はたまたま未知子に再会したことをきっかけに敬愛する美知子はなぜ現在のような外科医になったのか過去を探り始める。
【感想】
TVドラマの劇場版は、「TVではできないスケールの大きな話にする」という意気込みが空回りして失敗する例が良く有るけれど、本作は成功していると思う。最後の“大手術”の設定に一番頭を悩ませたと思うが、ちょっとリアリティーから外れるところまで行っているとは言え、FINALとして本作のもう1つの肝である「ドクターX大門はどのようにして生まれたか?」&「大門と榊原の関係は?」を最後の大手術上手くつなげている。クライマックスで序盤からの展開が全て1つにつながり、FINALに相応しい見応えとまとまりのある作品に仕上がっている。そこまで練り上げた脚本を褒めたい。
米倉が作りあげた大門美知子像は今回も痛快で堪能した。そして今回ばかりはクライマックスで泣かされました。また、いつもそうだが大門美知子・米倉涼子の手術シーンの見開いた目、この目力にやっぱり圧倒される。あの目を見ると惚れてしまう(笑)
あと、何と言っても今作では西田敏行に目が行ってしまった。劇中で皮肉にも「この人は死なない気がする」と蛭間が言われるシーンがあり、“笑うところ”だったので思わず笑ってしまったが、その後で悲しくなった。これから益々味のあるジイさんを見せてくれるものと思っていたので、改めて残念な思いが込み上げた。
本作観賞後に配信で第1シリーズのドラマを観た。「田中圭は最初のシリーズに出てたのか」とか「加地と原は最初から居たんだ」とか興味深い。また、実は最初の最初に本作で取り上げられた呉の大門診療所らしきものが映っていたり、 DOCTOR―Xの謎が描かれるなど、本作が全ての伏線を回収してFINALとして良くまとめ上げられているとの思いが強まった。
ドラマファン必見の作品。
みかずきです
仰る様に、劇場版最終作に相応しい作品でした。
映画館の大スクリーンで観ると手術シーンの迫力、
主人公の目力の強さが強調されてgoodでした。
ラストの手術も、それまでの伏線が回収され、
絶対に諦めない主人公の信念が伝わってきて胸が熱くなりました。
ー以上ー