「手術の超絶技巧(技法)がオカルト的神技にまで進化」劇場版ドクターX グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
手術の超絶技巧(技法)がオカルト的神技にまで進化
このドラマはまったく見たことが無かったので、Netflixでシーズン4まで予習してから鑑賞。
テレビシリーズは「権威に擦り寄らないことでの一貫性」と「超絶技法」のバランスがとても良いのですが、映画では超絶技法を更に飛び越えた「オカルト的神技」にまで進化!
そのためか、権威との闘いとかガラスの権威の馬鹿馬鹿しさへの映画的言及は、もうほとんどギャグの世界での滑稽さだけに終始。
若き新病院長もあれだけ頭と腕の切れる人にしては、30年前の手術で起きたことへの検証が、単なる心象のみでの決め付けなのもなんだか安易過ぎる。
〝腐った権威〟については今さら劇場版で息苦しさの象徴として描くほどのことでもなく、もうみんな分かっている!?根拠なく肩書きだけで威張り散らかしている人は、もう世間的にも絶滅危惧種と言えるほど減少してる?????
結局、〝不可能を可能にする神の手〟を強調するための2時間なので、ヒューマンドラマとしての深みを期待してしまうと肩透かしを喰らうことになる。
決めゼリフでカタルシスを得る、かつての定番時代劇の代替として見るならばとても良い映画だと思います。
共感ありがとうございます
いつもながら鋭い分析レビューですね。
本シリーズが長年人気があるのは、
普遍的なものがあるからだと思います。
私、失敗しないのでという主人公の強気な名言に集約されていますが、
医者にとっては多くの手術歴の一つかもしれませんが、患者にとってはその一つが全てです。手術失敗は患者にとって死に直結する可能性が高いです。どんな手術であっても常に全力投球。一生懸命。失敗しない。大門未知子はそれを有言実行します。そんな医師が患者の理想、患者にとって医師のあるべき姿です。どんな時代になっても。
では、また共感作で。
ー以上ー