「君の恋人になれますように」代々木ジョニーの憂鬱な放課後 ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
君の恋人になれますように
「違う惑星の変な恋人」が大好きだったので今作もどんな感じで攻めてくれるのかなーと思いワクワクしながら鑑賞。
ゆるゆるっとした会話劇が今作でも炸裂しており、ジョニーくんと周りのキャラクターたちの不思議な掛け合いが超楽しかったです。
主人公のジョニーくんが最初は物事を俯瞰して見ているのかなと思ったら、面白いくらい興味があったらグイグイいくタイプでしたし、会話のラリー数がめちゃくちゃ多くて、人によってはくどさを感じてしまうものでもあるんですが、そのラリーが個人的には結構観続けられるものだったのも良かったです。
スカッシュ部とは名ばかりにそれぞれの活動をしている面々が個性的で良く、ジョニーくん・神父さん・バタコさん・デコとあだ名が絶妙すぎてしっかり頭の中に入ってくるのが上手かったです。
押し問答もどこか淡々としているのでヒートアップせずにくすくす笑えましたし、それぞれの経緯もポップと闇が交錯していて楽しかったです。
ジョニーくんのバイト先での先輩の出雲さんも可愛さとおとぼけさ全開でとても良いですし、この2人ならではの掛け合いや少しドキッとするシチュエーションもあったりとでニヤニヤしっぱなしでした。
家こもり少女とのカメラ屋初訪問コントも不条理すぎて好きでしたし、コンビニでのゼリーの押し問答も話があっちへこっちへ行きまくってて笑えました。
かなりポップだった前半からスカッシュ部の活動が本格化していくとスポ根になり、家こもり少女の話になると少し重くなり、出雲さんが地元に帰るという話になると往年のラブコメになったりとジャンルが右往左往しながらしていくので前半よりかは少しトーンダウンしてしまったかなと思いました。
それでもこまめにジャブ打ってくるので効きますし、キャラクターの個性がどんどん染み込んでくるので、その点でも味付けがうまいなーと改めて思わされました。
惜しかったのが大学生に進学してからのストーリーは蛇足だったかなと思いました。
大学に行って、有耶無耶な講義を聞いて、桃を見繕って、桃をカットしての繰り返しをするのですが、ここの掛け合いに面白さはあまりなく、ラストのドアを開けた後の誰?感も凄まじく、最後の最後で失速してしまったなぁという印象です。
カネヨリマサルの主題歌は良かったなと思いました。
前半から中盤にかけての掛け合いはずっと笑えましたし、独特な雰囲気だからこそ成せる映画だったなと思いました。
木村監督の次回作も期待しています。
鑑賞日 10/31
鑑賞時間 18:40〜20:30
