「いい歳だけど一目惚れに近く淡いひと夏と喪失感」SUPER HAPPY FOREVER サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
いい歳だけど一目惚れに近く淡いひと夏と喪失感
2024年劇場鑑賞107本目 秀作 67点
一部界隈で大盛り上がりな今作
山本奈衣瑠躍進の1年の象徴とも言える作品であるが、やはり彼女の妖艶さが今作でも抜群であった
旅って不思議で、いつも自分を取り巻く街や人にはそれらに向けてきた顔があって、自衛や都合のためにそれを崩そうとはしない、そうすると日常が歪み始めるから
一方旅とは、その自分の顔を知らない街や人と出会うからこそ、新たな自分を取り繕うことも本来いたい自分にもなれてしまう不思議な瞬間でもある
そんな浮き足な年頃の男女が惹かれ合うのは時間の問題で、たとえ普段のクラブなんかと無縁な人生だったとしてもそこで踊っているのは君に気に入られたい自分なのだから、何をするかなんてのは問題ではない
そんな熱狂からほとぼりが覚めて食べるコンビニで買ったカップラーメンから香るスープの匂いと温かさと路上で食べる麺は至高で、ある種日常の自分に戻り、こっちも本当の自分だよと案ずる二人の様
沖の波の潮風の様に淡い香りに乗せた一時の至高の時間は永遠の約束へと背中を押して、亡くなってからも彼の中にはあの時の日々がロボットドリームズの様に景色と音楽と香りが広がってこれからも共に生きていく
文字通り爽やかで鑑賞後感が良く、余韻がたなびくのが今作の評価の所以だろう、間違いない
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