劇場公開日 2024年10月11日

  • 予告編を見る

2度目のはなればなれのレビュー・感想・評価

全79件中、41~60件目を表示

3.5癒やされる〜☺️

2024年10月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

心穏やかに、ホロっとさせられる、そして落ち着いていろいろ考えさせられる、これぞエンタメって素晴らしい作品ですね🥹

どこぞの内山作品(もう、言わないつもりでしたが、どんな作品にも引き合いに出せるって事に気づいて、ある意味あの作品はプラスの5点満点付けるべきが正解だったのかもと思い始めています😁)とは真逆で、落ち着いていろいろ考えさせられるって言うのがポイントです(笑)

どこぞの内山作品(しつこいな(^^ゞ)を観た直後でしたら、4.5を付けていたかもしれません😌

コメントする 1件)
共感した! 2件)
おたか

4.0品格ある反戦

2024年10月23日
iPhoneアプリから投稿

参戦する一兵士にとって戦争とは何か。
戦いが兵士に家族にその人生に及ぼすもの。

死、怪我、別れ。不安、恐怖、悲しみ、後悔。
失われた1人1人に人生がある。
送り出す者にも苦悩がある。

戦いに赴いた兵士は敵味方の区別なく、
尊厳と苦悩と悲痛を共有する。

命を失った者、大切な人を失った者。
身体に傷を負った者、心が壊れた者。
戦争という行為は市井の人にとって
何の益もないことが静かに示される。

そして人として大切なモノ・生き方が
終焉を迎える老いた2人の姿にある。

戦闘の準備が進む沖縄では、2万名を
超える自衛隊員が辞めているという。

決して戦闘地に行かぬ施政者、
行かされる我々庶民、
いずれも心して見るべき作品。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
xa

3.5良い話の一言で片付けてはいけない

2024年10月22日
iPhoneアプリから投稿

戦局を決めたノルマンディ上陸作戦を共に戦い、彼の地で目の前で亡くなった戦友を思う。戦争という我々の想像を遥かに超えた厳しい時代に青春を捧げて、せめて次の世代は戦争のない平和な時代をと願って自分たちの国は正しいと信じ戦ったあの頃を思う。

彼ら老夫婦を取り巻く環境は小さいけれど温かな幸せに満ちているし、お互いを気遣い、愛を積み重ねながら、自らが存在したことを世間に示しながら天寿を全うしていく姿はとても素晴らしい。カットも丁寧に積み重ねられていてふたりは常にチャーミングで前向きだ。遺恨を残しているはずの元敵兵とのエンカウントも素敵な話に昇華しているし、トラウマと向き合う姿も感動的だ。

あまりの素晴らしさに涙が溢れる映画だが…ちょっと待て。

第二次世界大戦での世界の戦死者は5千万人。明治の終わり頃の日本の人口と同数の命が失われている。

5千万通りの、あったはずの未来の幸せや人生が失われて、その犠牲の上に今の我々の、世界の毎日が成り立っていて、とはいえ愚かにも人類は終戦後もずっと紛争や戦争を延々と続けていて、ここ最近のウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナの戦争はそのまま次の大戦にまでもつれ込みそうな勢いだ。
この80年の間に日本はジリジリと国際的な地位を下げて曾祖父さんの世代が望み創り上げた「子供達が当たり前に腹一杯食べて毎日笑っていられる世界」はとうの昔に失われてしまった。街は移民や旅行者で溢れて治安は悪くなる一方、楽して儲けることこそが美徳で汗水垂らして働くのは勘弁で他人からの承認が全ての世界が回っている。これでは未来のために戦った世界中の英霊に誰ひとり顔向けができないのではないか?どうしたら個人の小さな力で戦争のない世界を実現できるのか?そんな思いが映画館を出て夜の寒さに震える私の胸に去来した。

みたいな文章が書きたくなる映画です。日本の湿っぽい反戦映画をこんな詩的に仕上げられる英国人のセンスに脱帽しました。まあ敗戦国で自虐史観しか植え付けない教育受けてたらこれは作れないよね。さすが戦争に負けたことのない国だわ。

マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンの老夫婦がお互いをずっと愛し続ける姿は、倦怠期を過ぎてパートナーに興味すらない人々には眩しすぎるかもしれないから夫婦やカップルで行くのはお勧めできないかもしれないと思ったりしましたね。

それでは次回をお楽しみに!
あと選挙に行ってから映画見よう!
ハバナイスムービー!🎞️

コメントする 2件)
共感した! 4件)
きーろ

3.5戦争体験世代

2024年10月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

週刊文春のシネマチャートにて、評者5人中全員4つ星以上うち2人は5つ星だった。よくある老人向けの映画だろうという先入観は捨てきれなかったものの、結局、気になって観に行った。
イギリスの名優といわれるマイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンだが、50代の私にとっては、思い入れのある俳優ではない。つまり、よく知らない。それぞれ2度のオスカーを受賞しているということなので、ネットで調べてみた。
マイケル・ケインは、「ハンナとその姉妹」(1986)、「サイダーハウス・ルール」(1999)で最優秀助演男優賞、グレンダ・ジャクソンは、「恋する女たち」(1969)、「ウィークエンド・ラブ」(1973)で最優秀主演女優賞を受賞している。そのほか数々の各国映画賞受賞歴は枚挙にいとまがない。なお、グレンダ・ジャクソンは、1992年に政界に転出し、労働党から立候補して当選、運輸政務次官まで務めたが、2015年に政界を引退し、80代で女優業に復帰したという経歴の持ち主である。
この映画は89歳の退役軍人バーナードがノルマンディー上陸作戦記念式典に参加するため老人ホームを抜け出したという実話を元に描かれている。
老人ホームで暮らす老夫婦は互いに寄り添いながら人生最期の日々を過ごしている。老いの現実を美化することなくありのまま受け入れ、誇りやユーモアを忘れないところが魅惑的だ。一方、戦争の無惨さを伝える題材として、PTSDのメンタルケア、亡き戦友が眠る戦没者墓地への参拝などが挿入される。若いころに戦場で負った心の傷はずっと癒されることはないのだ。
老親を抱える50代以上の人にぜひ観てほしい映画である。戦争とは語り継ぐべきものなのに、戦争体験のある語り部は年々減ってきている。この映画は戦争を美化しているのではなく、そこで戦った老人たちを讃えている。
昨年87歳で逝去したグレンダ・ジャクソンは遺作に、3歳年上のマイケル・ケインは引退作となった。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ミカエル

4.0経験した人たちが抱えてきたもの、感じてきたこと、向き合ってきたこと...

2024年10月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

経験した人たちが抱えてきたもの、感じてきたこと、向き合ってきたこと
それは年齢による変化があるのだろうと思わされてきた
戦争を語ることのなかった人たちが、歳を重ねて語り出したり

実話を基にしたこの作品も、バーニーやアーサー、レネの年齢になって、あの時からこれだけの時間を経て、自身の先を感じ始めて、行動に移せた、向き合えた、語れたことのように感じた

彼らが抱えてきたものは、とてつもなく重く、辛く、苦しい記憶
けれど、彼らだけが特別ではなかった
みながそうだった
歴史に残るストーリーでなくとも、みなにあった

バーニーたちの過去と向き合うようなこの旅も、帰りを待つレネの記憶も、そんな無数の中のひとつ

それでも、これほどに重く、胸を締め付ける
涙を抑えることなど出来なかった

バーニーも口にする、事実、truth
たくさんの事実
分かっていたはずのそれに気づかせてくれた

シリアスだけでなく、お茶目で、ユーモアも混ぜながら

忘れがたい作品
いろんな想いを残してくれた

最後の時間が、少しでも穏やかに過ぎたことを願わずにはいられない

コメントする (0件)
共感した! 7件)
yukarin

3.5266 大脱走する者

2024年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2024年公開
晩年はバットマンやフォーホースメンの隠れた親玉を
演じて人間味あふれるフォロワーを演じてきた
マイケルケインの引退作。
奇しくも共演のグレンダ・ジャクソンも本作が遺作となる。
館内はワタシと同世代の方たちで溢れており
これから迎える人生のラストマイルにどうするか
を一緒に体験したいと思っているに違いない。

ちなみに過去にオトンが施設から自宅に戻るため
脱走をよく企て、その際は施設内総出で居所を探したらしく
それが海を越えて異国に旅行となると
どのようになるか想像するに笑える。
バーニー(ケイン)は長嶋監督似の元軍人と行動を共にし、
お互いのケジメをつけるためにD-DAY式典に参加せず
米軍英霊墓地を訪れる。
敵であったドイツ兵との語らいも涙を誘う。
奥さんのレネとは残りの時間を一緒に暮らしていこうと
誓う。散歩時いつもイラっとさせる自転車野郎の愛車の
空気を抜くイタズラをしながら。
音楽もサントラほしいね。
あーいい話でした。
字幕は戸田奈津子御大。
この方もまだまだ頻度は少なくなるも頑張ってますな。
70点
鑑賞 2024年10月19日 京都シネマ
配給 東宝東和

コメントする (0件)
共感した! 4件)
NWFchamp1973

4.0ノルマンディー上陸作戦の厳しい思い出

2024年10月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

バーニーは元イギリス海軍の兵士で、妻のレネと老人ホームで暮らしていた。89歳の爺さんが、フランスで行われるノルマンディー上陸作戦の70年記念式典に参加しようとしたら、いっぱいだった。その事をレネに話したら、行ってもいいよって言われた。翌朝、レネが目覚めたらバーニーがいなくなっていた。黙って1人で旅立っちゃったのよ。これ、レネの認知症なのかと思ったら、そんな症状は一切無かったね。事実が分からないレネや看護師、そりゃ行方不明って事にしちゃうよな。あら、バーニーが船に。移動中もイベントって事なのかな?バーニーが出会う昔の同僚達。いろいろ思い出す戦時中の事。辛そうな事ばかり。やっぱり戦争はやっちゃダメだよね。バーニーが居なくなって昔の2人の事を思い出すレネ。ずっと仲良しなんだね。ただ、ちょっとモヤッとしたのが、2人の家族の話が無かった事。親のエピソードとか子供ができなかった(いたかもしれないけど)とかね。ストーリーとしては、それほど動かなかったけど、2人別々の思い出話しがとても良かった。2人ともコミケ能力が高くて素晴らしかった。そして、まさかのラストにウルッ。とても楽しかったです。

コメントする 1件)
共感した! 14件)
涼介

4.0海岸を散歩できる幸せ

2024年10月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ブライトンは三苫選手がいる街ですね、海の近くの道は散歩すると気持ち良さそうでした。紅茶に4つも砂糖入れるのかぁ。イギリスの老人ホームは部屋も広くて居心地良さそう。

レネが毎日おしゃれして暮らしていること、日常的にジョークを言って和ませること、若い頃の思い出のバラの押し花を70年経っても大切にしていること、バーナードを待つレネの生活も微笑ましく愉快でした。

90歳でひとりドーバー海峡を渡るのは、そんなに大冒険という印象はなかったです。距離近いし。でも、バーナードがドーバー海峡を渡った目的やノルマンディでの出来事に感動しました。5000人の兵士の墓標の空撮にジワジワと涙が出てきました。「無駄な死」だったと呟くバーナードの言葉は重かったです。

戦争に煽られて、若い兵士には出撃以外の選択肢がなく、簡単に命を落とされてしまう。70年前(2014年時)の昔の出来事ではなく、現在も戦争の脅威が広がりつつあり、過去の教訓は活かされていない現実に唖然としてしまいます。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
Mimoza

4.0慰霊のロードムービーであり、夫婦愛の物語

2024年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

ノルマンディー上陸作戦70年記念式典に参加するため老人ホームを抜け出し単身イギリスからフランスに向かった90歳の老人のロードムービー。
しかしその旅は慰霊であり、自ら戦争に加担した者の反省の旅だった…
と書くと、戦争色が色濃く感じるけど…
本筋は、だまって夫を旅立たせた奥さんとの夫婦愛の物語。

戦後の後悔と夫婦愛の物語のバランスが良く、とても映画らしい映画だった。
戦勝国にとってはお祝いの祭り、敗戦国にとっては慰霊の会なんだな。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
キブン

3.0ふたりの英名優のラストという価値

2024年10月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

マイケル・ケインの最後の作品。引退されたとは知りませんでした。1998年の『リトル・ヴォイス』で、シナトラの”It’s Over”を半狂乱で歌っていたのがとにかく印象的で、以来、対策でも度々楽しませてもらっただけに残念。

本作はそんなM・ケインの最後の作品にぴったりの内容。介護施設で暮らす老夫婦の夫役を演じ、愛らしく落ち着いた英作品らしい内容でした。作中のM・ケインの老衰っぷりはどこまでの演技なのかがわからないと思ってしまうほど、痛々しくもあり、派手さはないけれど名演をされているのだと思います。

相方を務められたグレンダ・ジャクソンは本作を観るまで知らない役者さんでしたし、過去の出演作を観たこともなさそうです。かなり高齢でしたが愛らしく、若かりし頃の過去作も観たいと思わせてくれる魅力がありました。本作が遺作となられたとのこと。

映画の内容が「面白い」と言えるかどうかはわかりませんが、英国名優ふたりの芝居を楽しめる作品です。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
yutes79

3.5名優の演技で楽しめた

2024年10月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

幸せ

 名優の演技で最後まで楽しめたが、戦争のトラウマや果たせなかった約束などの重たいテーマがある。五千を越える墓石のシーンは、戦争の悲惨さや不毛さを訴えているが、それでも世界から戦争は無くならない。
 老夫婦の愛の深さを感じ、いつも何も言わずに映画に行かせてくれる妻に、チョコではなく、シュークリームを買って帰った。

コメントする (0件)
共感した! 13件)
セイコウウドク

5.0忘れえぬ良作

2024年10月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

とても良かったです。

まず、脚本がとても良かったです。
丁寧かつ緻密に作られており、台詞の良さだけでなく、語る事・語らない事の塩梅が素晴らしくて圧倒されました。

そして、それを演じた俳優たちの演技が全て良かったです。
生のみっともなさまでも愛らしく、エンドロールでは泣きながら全ての登場人物の幸せを願わずにはいられませんでした。

賞を沢山取るような目立つ作品ではないが、生涯忘れえぬ良作というものが稀にあります。
私にとっては、この作品はまさにそれでした。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
たま

4.0壮大なラブストーリーだったなぁ

2024年10月16日
iPhoneアプリから投稿

泣ける

笑える

幸せ

退役軍人の冒険めいた話かと思っていたが、長年連れ添った老夫婦の愛ある美しいストーリーだったなぁ。
終盤のシーン。
2人で散歩へ出掛けた帰路でバーニーが駐めている自転車のタイヤの空気を抜いたシーンはクスッとした。
マナーを知らない若造への天罰だな。
「お爺ちゃん、やるなぁ」

コメントする (0件)
共感した! 7件)
ちゃ坊主

5.0グレイトエスケーパー

2024年10月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

良質な作品。名優たちの競演。「戦争は無駄な死」と言い切る反戦の思いも伝わってくる。老いは、必ず、やってくる。やり残した約束をかなえるための大脱走は、らしい。素敵な時間でした。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
DnaH

4.5退役軍人

2024年10月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

主演のマイケル・ケイン引退作、妻役のグレンダ・ジャクソンの遺作である本作

主人公のマイケル・ケインがノルマンディー上陸作戦に従軍した英国の退役軍人であり、その70周年記念行事に参加するため、施設を抜け出しアレヤコレヤ…

老人が突然一念発起して旅に出る映画はここ最近の流行りなのか何作かありますが(今年も一本観た)戦争から帰還した退役軍人という背景があるので、心に何かしら傷があるわけです

私の父方の祖父も太平洋戦争に従軍した元日本兵

終戦後は酒に溺れ、決して孫の自分達には当時のことを語らず、小学生のとき病死しましたが、今考えてみると、祖父には語りたくても語れない記憶や辛さがあったのでしょう(子供だった自分達にとっては、ただの無口なアル◯爺さんでしかなかったのですが…)

ノルマンディー上陸作戦といえば、スピルバーグの「プライベート・ライアン」の冒頭の壮絶シーンが有名ですが、その裏にはその戦いに参戦した連合軍、敵国のドイツ軍、敵味方関係無く壮絶な過去があるのだ、ということを痛感する作品になっております、オワリ

コメントする (0件)
共感した! 6件)
たれぞう

4.5マイケル・ケイン、任務完了

2024年10月15日
iPhoneアプリから投稿

【これだけ長期間、テレビで、映画館で、見続けられた俳優は、イーストウッドとマイケル・ケインの他にいるだろうか】

「マルセイユ特急」淀川長治の日曜洋画劇場だったとおぼろげに記憶している。

(前後で「リオの男」荻昌弘、「フレンチ・コネクション」水野晴朗だったような・・・)

劇場で「遠すぎた橋」「殺しのドレス」を鑑賞した時の衝撃は、
今も鮮明に記憶に残っている。

ヒッチコック「サイコ」のパーキンス変装キラーの恐ろしさは、
エンタメとしての怖さ、

デ・パルマ「殺しのドレス」のマイケル・ケイン変装キラーの気味悪さは、
振り返ったらそこにいそうな不気味さだった。

「勝利への脱出」「デストラップ」「ハンナとその姉妹」といった作品以降、
マイケル・ケインからは、

ローレンス・オリビエ、
アンソニー・ホプキンス、
ヒュー・グラント、
ジェレミー・アイアンズといったイギリス俳優特有の、
美しいイギリス英語と、
舞台で培われた特徴的なセリフ回しが際立っていた。

これらの要素は、
作品のテイストの影響もあり、
現代の俳優には日本ではなかなか見られない、
貴重なものになりつつある。

約半世紀にわたり、
新作映画を劇場で観ることができるという経験は、
感慨深いものがある。

本作では、

ノルマンディ上陸作戦というWWⅡの歴史的転換点の戦闘を舞台に、

歴史に翻弄され、
悲運を背負った老兵たちの、
心の傷跡を丹念に描き出し、
戦争の残酷さと人間の尊厳を、
若兵、老兵、ドイツ人も含めて対比させる。

作品の性質上、

回想のカットバック、シーンバックが多くならざるを得ない、

一般的には回想が増えるとストーリーにブレーキが掛かる、

が、

それらを感じさせないような若い人たちを配置するシナリオ、
その役割を的確に演じる芝居と演出の技術の高さは、

ケインやグレンダ・ジャクソンへの敬意の表れでもあるのだろう。

戦闘時の空、陸、海の悲劇、
ドイツ人の敬礼、フランス人の感謝など、
歴史から抜けられない出来事が丁寧に描かれている。

そして、ケインが任務完了、

タイヤの空気を抜いて、状況終了、

マイケル・ケイン、
グレンダ・ジャクソン、

そして

戦争という過酷な時代に生きた人々への、
贈り物のような作品だった。

【蛇足】
テレビで何度も観た、
「史上最大の作戦」→「The Longest Day」
「大脱走」→「The Great Escape」

本作は
「The Great Escaper」

ノルマンディ上陸作戦にかけて、
ではなく、
気持ちはマックィーンのヒルツ大尉なのかもしれない、
脱走17回・・・いや18回。

【蛇足の蛇足】
モーリス・ジャールの史上テーマと、
バースタインの大脱走テーマが、
口ずさんでると、
どちらかわからなくなる・・・

「ひまわり」「犬神家の一族」
「ロング・グッドバイ」
テレサ・テン「つぐない」
あるある・・・

コメントする (0件)
共感した! 6件)
蛇足軒妖瀬布

4.5自分の今後に重ね合わせ、涙ウルウル

2024年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

とても良かったです!と共に、観る方たちの年代により受け止め方は様々かとも。
ワタシ自体戦争体験は無いし、戦争を知らない子供たちが流行った年代よりも少し後の世代ですから、肌感覚はありませんが、自分の意志とは関係なく駆り立てられた戦争での恐怖・罪悪感・痛みなどは十分わかっているつもりです。
そして、愛する人と離れ離れになる辛さ、戻って来れても来れなくても、行く方・見送る方、戻りたい方・ひたすら待つ方、どちらも胸が張り裂けそうな想いになるのも分かるつもりです。
今回描かれた退役軍人たちは、年代や国に関係なく心に何らかの傷を負いながら日々を過ごしているのを見るにつけ心も締め付けられます。
やはり戦争とは何も幸福をもたらさないものだと改めて思わされるのに、どうして至る所でいまだに戦争が起き、治まることが無いのでしょう。
それでも主人公夫婦は日々の暮らしをユーモアを交えながら茶目っ気たっぷりに過ごしていきます。
「無駄な時間は1秒も無かった」ただの日常、素晴らしい言葉でした。
パートナーと過ごす日々をより大切に、特別な普通の暮らしを大事にしたいと深く深く思わされる作品でした。

コメントする 1件)
共感した! 16件)
ニコラス

4.0心の傷と夫婦の愛

2024年10月15日
PCから投稿

マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンの演技がすごすぎて、泣けてしまった。
すごく地味な内容で、決して派手なアクションも大きなトラブルもない。
ともすれば、間延びして退屈に感じてしまうかもしれません。
しかし沁みる。
・戦争の語り部の必要性、語り継ぐことの重要性
・70年経ってもPTSDを抱えるほどの戦争のむなしさと怖さ
・70年以上にわたる夫婦の愛。
というテーマがガツンと前面に出ているのがひしひしと伝わってくる。
決して戦争を美化せず、愛国心と戦勝を祝うことをアピールすることもせず、むしろ主人公やフェリーで知り合った退役軍人たちの姿を通じて、戦争とはいかに「心の傷」を残すのかということを徹底的に描いていて、すごく大事だなと。

そして、その旅を経たことで、夫婦の間にお互いへの愛があふれ出す。
見た目はお互い老けたけど、心は新婚当時の20代から何一つ変わらない、いやもっと好きになってる。
ああ、なんかこういうお爺ちゃんお婆ちゃんになりたい!

モデルになったご夫婦は7日差で亡くなったとのことで、ほぼ一緒に旅立ったようですが、マイケル・ケインは引退とグレンダ・ジャクソンは公開前に死去で、演じた二人も同時にはなればなれ、という現実がシンクロしてなんだかより沁みてしまいました。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
コージィ日本犬

3.5マイケルケイン引退作品ですと!?

2024年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

そんな悲しい触れ込みじゃあ観ないわけにはいかない
で、面白かったかと言えば「う~ん」
設定も役者の演技も全く問題ないのだが
どうしても全体が間延びしてしまっている
つまり、退屈な時間が常に付きまとう感じ
夫婦の関係性、Ddayを絡めた悔恨と終活
老人たちの残された時間はそう多くはないのだが
その流れる時間をまるで老人たちと同じ感覚で
スローに観る者に味あわせることには賛否がありそう
いい作品になりそうな要素満載だったんだけど
なんだか残念
でも、マイケルケインが見れて満足です

コメントする (0件)
共感した! 3件)
椿六十郎

3.5実話か…

2024年10月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

戦争で生き残った方々の語りは重い…。死の間際まで戦争の記憶を残さなければならない辛さがひしひしと伝わってくる。明老俳優ふたりの演技も見応えあり。良い作品でした。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
peanuts
PR U-NEXTで本編を観る