「心の傷と夫婦の愛」2度目のはなればなれ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
心の傷と夫婦の愛
マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンの演技がすごすぎて、泣けてしまった。
すごく地味な内容で、決して派手なアクションも大きなトラブルもない。
ともすれば、間延びして退屈に感じてしまうかもしれません。
しかし沁みる。
・戦争の語り部の必要性、語り継ぐことの重要性
・70年経ってもPTSDを抱えるほどの戦争のむなしさと怖さ
・70年以上にわたる夫婦の愛。
というテーマがガツンと前面に出ているのがひしひしと伝わってくる。
決して戦争を美化せず、愛国心と戦勝を祝うことをアピールすることもせず、むしろ主人公やフェリーで知り合った退役軍人たちの姿を通じて、戦争とはいかに「心の傷」を残すのかということを徹底的に描いていて、すごく大事だなと。
そして、その旅を経たことで、夫婦の間にお互いへの愛があふれ出す。
見た目はお互い老けたけど、心は新婚当時の20代から何一つ変わらない、いやもっと好きになってる。
ああ、なんかこういうお爺ちゃんお婆ちゃんになりたい!
モデルになったご夫婦は7日差で亡くなったとのことで、ほぼ一緒に旅立ったようですが、マイケル・ケインは引退とグレンダ・ジャクソンは公開前に死去で、演じた二人も同時にはなればなれ、という現実がシンクロしてなんだかより沁みてしまいました。
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