徒花 ADABANAのレビュー・感想・評価
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少し未来の物語。 人口減少が進み、最新技術で延命治療が推進され。 ...
少し未来の物語。 人口減少が進み、最新技術で延命治療が推進され。 いざ病が重篤になると、さらなる処置が施される、と。 ただし、限られた人々のみ。 患者と臨床心理士とが会話し、思い出をえぐられるようなこともあり。 光も音量も抑えめながら、心の揺らぎがじわじわ見えてきました。 各所で見る役者さんたち、井浦新さんも、水原希子さんも、甲田益也子さん etc... それぞれの表情や演技も、凄みがありますね。
いや、戸田奈津子か!
うーむ。。。 監督の言わんとしていることは分かるし、テーマ性も理解出来る。ただいくらなんでも映画として未完成過ぎるし、宙に浮いているようなフワフワとした展開がずーっと続いてとにかく退屈。何ひとつとしてハッキリとしたものがなく、壮大な設定の割に見せられるものがあまりにちっぽけ。しかもやけにアートぽい芸術家気取りな映像が続くから、眠たくて眠たくて仕方ない。一体全体、何を見せられてるんだ? もう1人の自分、要はクローンのことを劇中では"それ"と呼んでるのだけど、その設定を聞いた途端、心の中ですぐさまツッコんだ。 いーや、ミッション:インポッシブル デッドレコニングの戸田奈津子翻訳かよ!(東京ホテイソン風) まじで分かりにくい。"それ"と呼ぶのはただの雰囲気作りでしかなく、意味の無い設定。そもそもいくらその事柄が浸透しようと、"それ"とかいう言い方はしないでしょ。thisは適度に日本語翻訳してくれないと、日本人の私たちにとっては理解し難いでしょ。この映画にも、そして戸田奈津子にも言いたい。わざわざ難しいように言わなくてよろし!!ちゃんとエンティティ、クローンと呼んでくれ! ややこしい設定と構成だけど、個人的には嫌いじゃなかった。結局のところ何だったの?何を意味してたの?と感じざるを得ないけど、良作になるポテンシャルはあったように思える。今年の4月に見た「インフィニティ・プール」ぽい。だけど、あの作品よりインパクトは無いし、ある意味こっちの方が怖かったけど、正直記憶には残りにくい。めっちゃ芸術的な方向に行くのか、それとも社会派ドラマに持っていくのか、ハッキリした方が面白かっただろうし、いい作品になっただろうね。 それでもキャストはいい。 やっぱり井浦新が好きだ。自身のクローンと対話するシーンは結構衝撃的だし、監督はこれをやりたかったんだろうなとも思った。こんなにもしっかり2面性を出せるものなんだな。ホントすごいや。水原希子との相性もなんだか良かった。 いい作品とはとても言えないし、個人的にはつまらなく感じたけど、こんだけの名優を揃えれて、ぶっ飛んでるけど現実にありそうなストーリーを考えれるのだから、いつかこの監督はホームラン打ちそう。その時を待ち遠しく待っておくとして、本作の感想はこのくらいにしときます。公開初日で初回の貸切は流石に初めてでした。
期待度○鑑賞後の満足度△ 言いたいことは分かるような気はするが、この設定が良かったのどうか?労働力を確保するためのクローン導入なのに労働力になりそうにない人ばっかり出てくるのは何故?
①フランス映画人との合作ということでなんとなく納得。如何にもヨーロッパで喜ばれそうな内容と映像。ただ、河瀨直美作品(本人が脚本を書いた方)と同じくひたすら観念的な映像てんこ盛りになるのは何故かしら。
見事❗️井浦新と水原希子の演技は圧巻
未来の日本医療、医療倫理、人命倫理、クローンがテーマの作品だが色々考えさせられた。 もし、私が新次ならそれならと思って観るとなるほどと唸らされた。 見事な作品だった。 それ以上に井浦新、水原希子の演技が素晴らしかった。難しいテーマなのによくこなした。見事でした。 観て良かった作品。
マトリックスでカプセルの中で仮想世界を見せられていた人間みたいにすれば。。
近未来の富裕者層には、クローン人間が準備され、病気の時にはそのクローン(それ)を犠牲にして延命処置が出来る世界の話。 主人公はそこで、自分のクローン(それ)と会い、話し、延命処置を行わないと決める。 この二行でほぼ映画の説明は終わってしまう。 ほぼ想像通りの展開をいかに楽しむか。。 主人公は、井浦新と水原希子。 その他に、三浦透子、永瀬正敏、斉藤由貴、原日出子、板谷由夏など。。 豪華なキャストでした。 曇りで暗い世界というか、冬のどんよりとした天気の日というような感じの映像が続く。 あとは静かで、BGMも無い無音で会話のみのシーンばかり。 前日の長い残業のせいもあって、見ていて眠くなってしまった。 見に行く前のネットの紹介文でおおよその話は把握していた。 映画の中ではクローンを(それ)と呼び、それは施設の中で普通に生活し、自分のオリジナルのために生き、オリジナルのために死ぬ事を理解している。 オリジナルのためのクローンなんだったら、眠らせたままにしておくとか、普通に生活させるのは残酷過ぎると思う。 案の定というか、主人公は(それ)と対面し、悩む。 マトリックスでカプセルの中で仮想世界を見せられていた人間みたいにすれば、そんなに悩まなくても良いのにと強く思った。 この暗い無音で静かな映像、設定、世界観を見る人がどうとらえるか。 私は、設定とクローンとの対峙がまだまだ奥深くまで描き切れていなかったと感じた。 ちなみに、徒花(あだばな)の意味は、『散った後に果実を付けない花や、すぐに散ってしまうはかない花の事』 そこから転じて、『見かけは華やかでも内容や結果を伴わない物事についても「徒花」と言うようになったた』らしい。 聞いた事はあったけど意味は知りませんでした。
レール
未知のウイルスにより出生率が下がり、クローンによる延命術が推進される様になった近未来で、重い病で手術を控える男の話。 1週間後に手術を控えている男が、本来禁止されている「それ」と会いたいと言い始めて巻き起こっていくストーリー。 「それ」=クローンがいることはわかっているものの、詳細はわからず進んで行くのでイマイチ入り込み難いし、敢えてだろうけれどずっと暗い画面に退屈な会話劇の様相の序盤。 「アイランド」的なクローンてこと?とか思って観ていたけれど、だとしたら冒頭の少女はそもそも持っていないんですよね…。 そしてそれと会って話しをしてって、結果として自分の存在を知り受け入れていたけれど、それに対してもの凄い傲慢じゃない? 物語としては親の決めた人生と自分の想いとかそういう話しではあったし、人間らしさというところに繋がって行くけれど、それほど刺さるものはなかったかな。
予告動画厳禁、ネタバレしてる
全体的にミステリアスで良い雰囲気の映画です。監督のこだわりも感じます。映画っぽくて好きな感じです。 設定としてはよくあるクローン人間の設定ですが、人間ドラマで、面白かったです。 ただ、、、予告動画を観ると展開が予想出来てしまいます。肝心のネタバレというか、だろうね、という感じ。これは残念。
「あれ」じゃなくて「それ」
子守歌のようなBGMとイメージ映像を多用するため、目を開けているのがやっと。 金持ちは、自分のスペアとしてのクローンを持てるという設定だけど、こんな技術があるんだったら、臓器培養した方がコストが少なくて済むと思うけど。 時代が求める徒花のような作品であれば楽しめるが、この物語は無駄花でございます。
どこまでがネタバレ?
甲斐さやか監督、前作『赤い雪 Red Snow』も劇場で鑑賞しましたが正直あまり好みではありませんでした。ですが、今作のキャスティングを見ると自分が好きな俳優が多く出演されており、では「もう1本観てみよう」と思い直して劇場鑑賞を決定。公開週でしたが、シャンテはSCREEN1ではなくSCREEN2が割り当てられており、若干モヤモヤしつつもポイントを使ってチケット購入。で、実際のところ客入りは、、寂しい感じでした。。。 で、観終わってレビューのことを考えながら「本作はどこまでがネタバレなんだろう?」と思い、まず映画.comのあらすじを確認。続いて(初めて)予告編を確認してみたところ、「あぁ、ここまで言ってるのか」と。確かに、この世界の特異な設定ついては、映画内でも冒頭に文字情報でのみ簡潔に情報あり。逆に言えば「こういう世界だから」とそれ以上の説明や映像的な視覚情報は一切なし。そこは重要じゃないのでしょうが、観続けると結局は「なんでこんな不確実で不経済、不平等にもかかわらず、生産性も高いとは思えないことを国家がやるんだ?」とひっかかざるを得ない。とは言え、それは言わない約束だとしたら、せめて序盤のシーンももう少しシステマティックにするか、或いはこのシーン一切なくてもいいような気も。。なおこの作品、甲斐監督は20年以上の歳月をかけて練り続けてきたとのことですが、作品性としてはこれ以上ないくらい古典的な話。死を目前に、人生や生命について考え、悟り、そして語りだせば当然自ずと哲学的になり、そして「今更?」に倫理を気にし始める。何?この壮大な矛盾と言うかマッチポンプ。 とまぁ、ついついネガティブな意見が止まらないのでポジティブに捉えられたことも一点、この世界でいう「最新技術(一応ぼやかしておきます)」の構造を、新次(井浦新)の自分の立場を使った大いなるルール違反(ああ、またネガに振れる…)によって鏡越しに対面させ、「自己への否定と肯定」を見せるやり方はまさに本作の象徴的シーンであり、面白い表現方法だと思います。(そこから、感化された彼女の越権行為もセキュリティー緩々すがw) それにしても、20年以上かけてこれ完成させたのか、、甲斐監督お疲れ様でした。プロデューサーは、、ああ、こういう作品作ってきた人なのね。うーん。。 申し訳ないけど甲斐監督は私的に次回はないかな。。ごめんなさい。
未来を感じられないのが残念
ウィルスの蔓延により人口が激減したことに対処するため、「あれ」を使って人間の寿命を延ばす治療を行っているという近未来のお話でした。「あれ」とは自分のクローン。何か病気をした場合に、クローンを使った延命治療を行おうという技術が開発されたものの、「あれ」を使った治療が出来るのは上流階級の人のみ。平民には使えないシステムであることが冒頭描かれ、この辺りは75歳以上の老人には自死する選択肢が与えられる近未来を描いた「PLAN 75」を想起させられましたが、貧富による”命の値段”の格差に関しては、本作の主題ではありませんでした。 ではどんなことがテーマだったのか?思うに自分の内面にあるもう一人の自分と面と向かうことで、自分の実像を知る怖さを表しているということではなかったかと感じました。本作で登場するクローンによる延命治療という概念は、勿論SFの世界ではありますが、井浦新演じる新次が自分のクローンと話すことで自らの来し方を振り返るという流れは、何もクローンが居なくても出来ることです。自分の過去を見つめ直すことで自分に価値を見出せれば幸福感はアップしますが、そうでなければ逆に自我は崩壊することになり兼ねない訳で、この辺は純文学チックな作品だったなと感じたところです。 ただ、どちらかと言えば刺激を求めがちな私としては、今ひとつ物足りなさを感じたのも事実。クローンを使って延命治療をする技術が開発された近未来を描きながら、今ひとつ未来感が感じられないところがその一因でした。マイナンバーカードを模したと思われる”国民カード”なるものが登場しましたが、投下した費用の割にメリットが少なく、それどころがトラブル続きのマイナンバーカードが、クローン技術が発達した時代においても使われ続けているのを見た瞬間、「これって本当に未来なの?」と思ってしまいました。その後も自然の中に建設された医療施設の内外が舞台であり、全然未来感はなし。まあ本作の主題はそこにはないということなんでしょうが、表面的には美しくも、実はディストピアっていう未来を期待していた私としては、ちょっと残念な未来の描き方でした。 そんな訳で、本作の評価は★3.5とします。
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