「近い未来に起きる現実」徒花 ADABANA TRINITYさんの映画レビュー(感想・評価)
近い未来に起きる現実
見逃していた徒花をWOWOWでやっと観た
近未来では確実に行われるだろうクローンによる生命創造
メアリーシェリーがフランケンシュタインを書いたのは1818年
新たなる生命創造が夢物語だった時代から一歩ずつ進化した人類はたった200年で人間のクローンつくれる時代になった
映画の中で治療の代用品として使う事を目的に生み出されたクローン=「それ」と呼ばれるものは何なのか
考える事を放棄して「それ」と呼ぶ
「それ」を使う事は「それ」を殺す事
産み出された命は心をもった人間という避けられない現実に面した人の心の葛藤を淡々と描き上げた美しい映画
現実と夢が繰り返される
その行間にある思いを読み取るのはとても苦しかった
「それ」の臓器を治療に使える人間になりさがるくらいなら多分死んだほうがまし
人してどう生きるか
そんな哲学的な問いを感じた
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