「怒りの権化!」ポライト・ソサエティ ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
怒りの権化!
ポスタービジュアルを見てインド映画かと思いきや、実は英国映画で、さらにパキスタン系移民のムスリム社会が舞台の作品(まあ、欧米人が日本と中国、韓国をごっちゃにしてるのと同じようなもんで許してほしい)。そんなわけで、やたら画面映えする主人公姉妹の美女度や、途中のダンス歌唱シーンはよくあるインド映画ふうではあるが、欧米文化の影響下で育った英国人監督の演出はタランティーノっぽく、話はボンクラ友人&実の姉とのリアル・シスターフッド・コメディ。ロック、ポップ中心の劇伴では、突然日本の昭和歌謡、浅川マキの「ちっちゃな時から」が流れたりもして驚く。
ぽんぽんと潔く切り替わる各シーンはどっかで観たようなサンプリング感で、先が読めるところはあるし、アクションもキレがいいとは言えないけど、テーマはムスリムの旧弊な社会構造や家父長制批判。新宿ピカデリーでの本編上映前に予告が流れていた男社会批判を含んだ花嫁取り違えのインド映画に比べると、当然かなり過激でストレート。で、実のところ、その点いちばん遅れているのが日本映画なんじゃないかとも思った次第…。
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