「凄みが増している」犯罪都市 PUNISHMENT LSさんの映画レビュー(感想・評価)
凄みが増している
マ・ソクト刑事シリーズ、第3作の日本公開から半年あまりで早くも新作は嬉しい。
今回の巨悪はフィリピンを舞台にした巨大オンラインカジノ利権、そして主敵はナイフ使いの元傭兵。秘めたる狂暴さは2作目に匹敵し、彼らに拳で独り立ち向かう閉所での闘いは緊迫感に満ちている。
冒頭にいつものぶちのめしがなくシリアスな展開で毛色が違うように感じるが、第2作でとてもいい味出していた情報屋チャン・イスが登場すると安心のコミカル度に。
それでも全体としてはマブリー無双よりはチームでの闘いにストーリーの力点が置かれていたように思う。国境を越えるIT犯罪や、海外に監禁して悪事を強制するなどの現代的な問題に対して、従来の彼の捜査スタイルが通用するかがポイントなのだが、そこは古い人間を自覚しながらも、他の(表も裏でも)プロたちを引き込んでいける、強引だが人情味ある人柄がうまく働いている。(コンプラは抜きにして、だが)
一方、拳を交える機会はここぞという山場にまとめられていて(なので途中までは若干の物足りなさも)、チンピラぶちのめしが、腕っぷしの証明ではなくやるせなさの発露として描かれていたのもちょっと驚いた。
オーセンティックな刑事ドラマに近づいた印象で、もっと尖ったのを期待する人もいるだろうとは思うが、個人的には面白さは減じていない。
こんにちは。
コメント失礼致します。
"腕っぷしの証明ではなく、やるせなさの発露"
正に!!そうでしたよね!!
私も驚きました。
短文なのにここまで的確に評するLSさんのレビューに唸りました。
拝読できてちょっと興奮しました
٩( ᐛ )و