「アナログ刑事VSデジタル犯罪」犯罪都市 PUNISHMENT レントさんの映画レビュー(感想・評価)
アナログ刑事VSデジタル犯罪
今度の兄貴の敵はデジタル犯罪。「アカウントが同期していて警察学校の同期を連れてくる」、「それはガスライターだ」、兄貴ほんとわかってる?こりゃあ兄貴にとって最強の敵であるのは間違いない。それだけじゃない、敵の親玉は元特殊傭兵部隊で人を殺しすぎて追放されたような最悪野郎ペク・チャンギ、その見事なまでのナイフ裁きは脅威だ。しかしご安心、今回兄貴には強い味方がいる。その名も「F・D・A」、ポリス・ダーク・アーミー、闇の警察兵士、この謎の男が強い味方だ。これで兄貴も安心して存分に暴れまくれる。
フィリピンに偽の賭博場までセッティングしての大掛かりなおとり捜査で敵のアジトを見つけ出し手下どもを一網打尽、そして兄貴のメインディッシュは親玉のチャンギだ。
お客様、優雅なファーストクラスでの機内上映をお楽しみください。映画タイトルはマ・ソクト主演の「どついたるねん」。機内には刃物を持ち込めないので兄貴断然有利かと思いきや敵もさるもの、バターナイフをへし折り向かってくる。さすがの兄貴も殺人マシンに苦戦。しかし傷を負いながらもなんとか辛勝、いや、終わってみれば快勝。兄貴は今回も悪党を成敗し、ヒーローは何事もなかったかのように黙ってその場を立ち去るのだった。ファーストクラスの弁償は上司に任せて。
本作はシリーズ最高傑作の「ラウンドアップ」に次ぐ出来栄え。アクションも今まで武術指導してきたホ・ミョンヘンが監督したせいかさらに磨きがかかった。二作目の悪役だった狂犬のような凶暴なカンとは違い眉一つ動かさずに人を殺す冷徹な殺人マシンを演じたキム・ムヨルがとても魅力的。悪人伝以来の共演でドンソク兄貴とも息ピッタリ。
特に兄貴とチャンギがエレベーターで鉢合わせするシーンは本作の白眉。やばい奴らは本能で瞬時に相手をかぎ分ける。このエレベーター内での緊迫感あふれるシーンは「ダイハード」でマクレーンとハンスが鉢合わせしたシーンを思い出すくらいのシーンだった。
そして前作ではラストにチョイ役しかなかったイス会長も今回は見せ場ありの大活躍でお笑い要員としても十分に楽しませてくれた。
独身自虐ネタや切電マウントネタもちゃんとパターンを踏襲、シリーズファンへの気遣いも忘れない。
ほんと今回もおなか一杯で劇場を後にすることが出来た。日に映画をハシゴする場合一本目が当たりだと大抵他も当たりだったりするからこの日は調子に乗って全部で五本ハシゴしてしまった。予想通りすべて当たりだった。ドンソク兄貴に感謝感謝。
今後も続編への期待が膨らむ。シリーズ続けていく上では悪役が重要で次から次へと最強最悪の悪党を創造しなければならないから悪役のインフレが止まらない。大変だろうけど、シリーズが長く続くことを期待。新しいキャラクターも必要になるだろう。その新しいキャラがまた兄貴の魅力をさらに引き出していくだろうし。
しかし元傭兵の殺人マシンでさえも兄貴の敵ではなかった、さすがだぜ兄貴。これからもよろしく頼むぜ、ラブリー、マブリー、ヨロピクネ。