「「現実を見つめる」とは…」あなたのおみとり Kchunさんの映画レビュー(感想・評価)
「現実を見つめる」とは…
元々ドキュメンタリーが好きで、色々なジャンルのものを見ていた。親の介護や死といった題材の作品もみてきたが、今回は子自身の眼(レンズ)を通して、「介護」という現実を見つめている作品である。
介護を題材にしたドキュメンタリーも過去見てきたが、今作は介護をする母、そして息子(村上監督)の眼を通して、「現実を見つめる」ことが如何に大切か、そして人生の最後を看取り、訪れる「死」をどう受け止めるのか…
そんな問いかけをされているかのように感じた。
自分にも高齢の両親がいて、これから正に「介護」という現実が、近い将来訪れることは理解しているつもりだ。
しかし、今作のように「介護」という現実を見つめ、人生の最後を看取ることができるだろうか?
この作品を見てから、そんな自問自答を繰り返している。正直、答えはすぐに出てこないが、そんな問いかけがあることすら、わからなかった(わかろうとしなかった)自分にとって、この作品に出会えたことに感謝せざるを得ない。
舞台挨拶では、村上監督の「私の看取りを通して、あなたならどう看取るか、そしてどう看取られるか、それを考えるきっかけにして欲しい。」という言葉が印象的だった。
今、このタイミングで今作に出会えたこと。これは正に運命そのものだと実感している。
この世に命を与えてくれた「親」という存在を今一度、見つめ直すきっかけを見出してくれた唯一無二の作品であった。
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