私にふさわしいホテルのレビュー・感想・評価
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加代子VS東十条が最高!
原作未読ですが、おもしろそうな予告に惹かれ、のんさん主演ということで期待して、公開初日に鑑賞してきました。期待どおりのなかなか楽しい作品で大満足です。
ストーリーは、新人賞を受賞しながらも文壇の重鎮・東十条宗典の酷評により、小説を発表する場を失った新人作家・中島加代子が、作家気分を味わいたくて文豪御用達の「山の上ホテル」に泊まると、たまたま上階に東十条も執筆のために宿泊していることを知り、復讐に燃える加代子が執筆の邪魔をして原稿を落とさせることに成功するが、これを皮切りに二人のバトルがさらにエスカレートしていくというもの。
冒頭で、加代子と東十条の因縁、そこに加代子の大学の先輩で編集者の遠藤を加え、さくっと舞台を整えてくれているおかげで、すぐに作品世界に没入できます。以降は、予告で観たとおりの加代子と東十条のコミカルな攻防が繰り広げられ、最後までしっかり楽しませてくれます。
野心とバイタリティの塊のような加代子が、暴走機関車のような行動力で突き進み、それがテンポよく描かれているので魅入ってしまいます。これを、のんさんの勢いのある演技が支え、最後まで軽快感が損なわれることはありません。そのため、一見すると深みのない作品のようにも映りますが、最後は自らの手で成功の扉をこじ開ける加代子の姿が眩しく描かれます。大御所に忖度した古き慣習がお似合いの文壇ならではの不条理を、鮮やかに軽やかにぶった斬る痛快コメディであったと感じます。
そんな本作の魅力は、間違いなく加代子と東十条のコミカルなバトルにあります。時には策を弄し、時には罵詈雑言を浴びせる対決は、年齢や立場を超えた子どものケンカのようです。作中、何度も名前を変えた加代子の受賞作「魔女だと思えばいい」も、その内容はわかりませんが、魔女とは加代子のことであり、このタイトルは東十条に向けてのものだったのではないかと思ってしまいます。大御所と持ち上げられ、創作意欲を失いかけた東十条にとっても、加代子からの攻撃は自身を奮い立たせるカンフル剤のようで、心のどこかで期待して待っているような雰囲気を感じます。トムとジェリーのような二人の関係が最高に楽しいです。
さすがに大オチは読めてしまいましたが、それでも後味は爽やかで、満足感の得られる作品でした。タイトルは「私にふさわしいホテル」ですが、最後は「ホテルにふさわしい私」になった加代子の姿が印象的です。
主演はのんさんで、パワフルな佳代子を熱演しています。脇を固めるのは、田中圭さん、滝藤賢一さん、田中みな実さん、服部樹咲さん、髙石あかりさん、橋本愛さん、若村麻由美さんら。中でも、滝藤賢一さんの演技が秀逸です。ちょっと大物作家には見えませんでしたが、のんさんとの掛け合いは最高です。
ちなみにエンドロール後に、本作と世界観を共有した別作品の速報があるので、最後まで席を立たずにご覧ください。今度は、本作で書店員を演じた橋本愛さんが主演で、のんさんも有森樹李として登場するようです。そちらもおもしろそうなので、今から公開が待ち遠しいです。
よく噛み砕かれた脚本が秀逸
柚木麻子の原作は今から12年前の作品で原作者のキャリアとしては初期作品というべきもの。なぜ今頃映画化を、ということだが、これは現在休業中の山の上ホテルへのオマージュということなのだろう。原作と異なり映画は山の上ホテルの401号室で始まり501号室で終わる。
正直、原作は柚木の作品としてはあまり良いものとは言えない。主人公の加代子が、大学の先輩である編集者の遠藤と、文壇大御所の東十条宗則と絡み合いながらキャリアを高めていくということなのだが文体がまた拙いこともあって単なる悪ふざけとしか読めない。
ただ、加代子は映画の中で言及されているように、「青教大学」の演劇部出身ということだけで一切のブロフィールが示されない。これは加代子は原作者の100%分身であって新たな人物設定を要しなかったいうことなのだろう。(柚木は立教大学出身)加代子=原作者は、日本の文芸業界において新人作家をがんじがらめにする数々の不文律(新人賞は1回しか取れないとか、最初の単行本は新人賞を主催した出版社からしか出せないとか)に満腔の怒りを示しているのであってこの原作小説本が言いたいのはまさにその部分である。
映画はそのあたりを実にスッキリ整理しており、原作小説が言い切れなかったところをよく補完している。良い脚本である。
主役の三人はいずれも好演。ただ、のん、についてはもっと大暴れを期待してきたのだが。演出が常識レベルに留まったのか、のん自身がやや年齢相応に落ち着いてきたのか。そこはよくわからないけど。
のん、圧巻の存在感
山の上ホテルは情緒に溢れているけれど…
文壇において、大物作家の影響が実際にどれだけあるのかないのか。
私にはよく分かりませんが、面白ければ売れるし、つまらなければ売れない。また、売れ行きとは別に、大物作家がどう評価しようと、いい作品なら、ジワジワと「え、これ面白いじゃん。友だちにも勧めよう」と先入観を覆して評価が高まることはあるはずだ。それに、受賞してるのに大物作家が酷評してる作品ってどうなんだろう、と興味を持つ人も必ず一定数いるはず。
世の中は、大勢に流れる人と、天の邪鬼で多くの人々とは違うことをしたがる人で成り立っているからだ。
だから、いくらコメディとはいえ、作品の大事なポイントが、大物作家次第という筋立てがどうしてもピンとこない。
結果として、のんさんの孤軍奮闘なくらいの演技がすべて空回りして見えてしまい、後半は辛くなってしまった。
今年の〆の映画として観たが・・・
稀代のヒロイン。俺はのんをそう思っている。未だ事務所退所問題の影響なのか、出演作が限られる彼女だが、ここ数年の限られた出演作で、スクリーンに釘付けにする吸引力、独特の魅力、他の女優は真似のできない唯一無二の存在感を感じて来た。
なので、この作品の記事を見てから、公開を心待ちにしていた。
【物語】
加代子(のん)は短編小説で出版社の新人賞を受賞し、プロの小説家として道が開けたと思ったのも束の間、その受賞作を大御所作家・東十条宗典に酷評され世間の期待は一気にしぼんでしまう。 その後何作書いても出版社に評価されず、1冊の本も出せずに3年が経過する。それでも書くことを諦めていない加代子は、ある日名だたる文豪に愛された「山の上ホテル」に自費で泊って執筆に勤しもうとしていた。
ところが、彼女の部屋に大学時代の先輩であり、大手出版社の編集者・遠藤がひょいとやって来る。彼はたまたま同じホテルのスイートルームに東十条を缶詰にして作品を書かせようとしていたのだった。 東十条は翌朝までに作品を書き上げないと遠藤が携わっている文芸雑誌の記念特集に穴をあけることになることを聞いた加代子は、東十条が穴を開ければ自分の作品をねじ込むチャンスだと悟る。 加代子は東十条への絶好の復讐の機会がやってきたと、彼の執筆の邪魔を画策する。
その日を起点に加代子と東十条の因縁はさらに深いものとなって行く。
【感想】
うう~ん・・・
まあ、結構笑えたし、面白かったのだが、期待が大きかっただけに、満足するところには至らなかった。
本作の目的はのん観賞に尽きるのだが、今回はちょっとのんが空回りしているように感じた。のんはいつも魅力的ヒロインを演じるのだけれど、決して正統派のヒロインではない。個性的と言うか、ユニークと言うか、ひらたく言えば変人のような役が多い。 そう、普通は変人としか思われないキャラをのんが演じると不思議なほど魅力的に見えてしまうのだ。 が、今回のキャラは少々度が過ぎたかも。“変わり者”の範疇を越えて、異常な振る舞いのレベルにまで行ってしまって、「コメディーだから」と言ってしまえばそれまでだが、演技的にも、やり過ぎというか、イタイ感じさえしてしまった。少なくとも本作では唯一無二感は無かった。
対象的に田中圭はもの凄く抑えた演技で、作品としてはそれでバランスが取れているとも言えるのだけれど、俺はのんの魅力を堪能するために映画館に行ったわけで、そういう意味で満足できなかった。
のん目当てではなく、大き過ぎる期待も持たずに、「ふらっと入った映画館で観た」という人なら楽しめるかな。
年末にベスト級のコメディ
邦画には珍しいソフィスティケーテッド・コメディの佳作
お洒落でドライなコメディで、大ベテラン堤幸彦監督がこれまでとは打って変わって思い切った演出で、まるで「グランド・ブダペスト・ホテル」2014年や「アステロイド・シティ」2023年のウェス・アンダーソン監督作のよう。ほとんど主演を務める「のん」の為の「のん」による「のん」の映画ですが、タイトルはズバリ「山の上ホテル」でもよかったのでは。
処女作が世に出た瞬間に、大御所作家の酷評の憂き目にあい、以降鳴かず飛ばずのうっぷんを晴らすべく、とことん復讐に打って出るお話。のんのオーバーアクト気味のデッドヒートを、滝藤賢一扮する大作家が受け止める超シンプルな構成。何故か時代は1984年、共に学園紛争を経験した中での先輩・後輩として、大手出版社の編集者に扮した田中圭が2人の間に入り右往左往するのもまた定石で面白い。
ところがこの復讐劇がまるで日本人離れした、徹底抗戦かつ波状攻撃であるところがミソ。のん扮する中島加代子が、相田大樹、白鳥氷、有森樹李と名前も変えて、衣装も相当に凝りに凝り時代色を反映させながらもオシャレなトーンを貫き、その攻略ぶりがなかなか冴えて、ドタバタに終らせない。基調が本であり、紙とペンの香りが画面から匂う程に濃厚で、文学界への批判とともに情景も湛え、馬鹿馬鹿しくも知的な雰囲気が効いてます。背景も山の上ホテルのクラシックなインテリアをベースに、チリひとつないオフィス、豪華な宴会場から銀座のクラブ、銀座千疋屋のパッケージ(映画のタイトルバックまでこの柄)、カラオケスナック、昭和の豪邸と、生活感まるでないのがいいのです。
今日のニュースにもありましたが、芸能事務所による移籍の拘束については独占禁止法に触れると。まさにその辛酸に押しやられた能年玲奈にとって、本作での怒りの爆発と重なってみえる。とは言え既に時間ばかりが経ち、彼女も30歳超えに。基調は美人ですから安心ですが、本作も含め今のままのキャラを推し進めるのも難しいのでは。友情出演のように登場の橋本愛ともども、「あまちゃん」を引きずり過ぎるのも、如何なものか。
惜しいのは田中圭が本作ではまるでイケメン範疇に見えない点です。普段のはしゃいだような軽さを封印しているせいかもしれませんが、ひょっとしたら先輩・後輩の関係性から男と女の関係へ匂わせる手もあったのに、と思うのです。ハリウッド映画でしたら当然そうしたでしょうけれど。3人の中でひとり演技トーンが異なるのは確かです。
文学の香り漂う山の上ホテルも既に建物老朽化のために現在は閉館しているとのこと。ですが隣接する明治大学によって改修しホテルを再開の予定とか。ホテルってのは日常とは"真逆の別の日常"の場と言え、人の裏側も見える。だから映画でもよく描かれるのはそのためでもありましょう。
のんちゃんが 究極の悪女を演じる
のんちゃんが美しく面白い
のんはあまちゃん時しかドラマや映画では観たことがあまり無く、アニメの この世界の片隅に すずの声が素晴らしかった印象。
ストーリーもいいとは思いますが、のんの演技が映画の中で人を騙す為に他人を演じているので、わざとらしくなって(笑)しまうのが最初は気になりましたが。
ホントのんちゃん綺麗やし、着物姿やアップのシーンでは色気が漂ってます。見惚れてしまうほどです。
前半は滝藤賢一とのコントみたいでしたけど、ドラマとして面白かったですね。
才能は無いけど成り上がる為には手段は選ばない女流作家とか新鮮。
周りを固める演者も滝藤賢一、田中圭、若村麻由美さんなど芸達者ばかりで最近売り出し中の高石あかりさんも出演されてます。
年末を過ぎると上映館や回数も減る予定見たいなので、今のうちに観ることをおすすめします。
サンタvsトナカイ?
原作未読
最初から笑うつもりで行きました
結果吹き出して咳き込んでしまいました
なので皆さんマスクして観ましょう
難しいことは別にして🙇♂️とりあえず笑って年を越してはどうでしょう
正月映画にふさわしい作品です
さて主要3人(加代子、東十条、遠藤)全て曲者ですがやはり加代子さんが一番怖い😱
いろいろカッコいいこと言うけどやりすぎだから(笑)
(個人的なツボ)
5百万円の着物を着てシャトーマルゴー飲むのはいいけど、こぼしたらとヒヤヒヤ
パトロンからもらった5百万円の着物を1日3千円で貸す方と借りる方、どちらも怖い
自分の父親に向かって「エロ親父(エロジジイだったかも)」と連呼する将来の朝ドラヒロイン
ロックなのんの独壇場!
のんが好き&予告を観て面白そうだったので鑑賞しました。
のんの独壇場です。
ロックなキャラクターがのんとマッチしていますし、
行動がもはや怖いレベルでエキセントリックでありながらも、
小説家として成功したいとの信念の強さを感じられたのが良かったです。
のんと滝藤賢一、のんと田中圭との会話の応酬も実に面白いです。
基本、メインの登場人物はこの3人なのですが、怒涛の会話劇が本当に
見応えがありますし、本当に笑えるレベルの可笑しさです。
のんによる“文豪コール”も最高でした。
予告でみて楽しみにしていましたが、期待通りでした。
ほんのちょっとしか登場しませんが、髙石あかりの表情の演技も最高でした。
このあたりはベイビーわるきゅーれを彷彿とさせる演技ですね。素晴らしいです。
表情といえば、もはや顔芸と呼べそうなのんの表情の演技も実にすごい!
観てて本当に飽きないですし、見入ってしまいましたね。
いやぁ、のんはとても魅力的な俳優ですね。
大好きですし、今後の活躍も楽しみです。
のんが主演じゃなかったら、成り立たない映画だと思います。
小説家系映画にハズレなし
面白いけれど、「あー面白かった」という気分にはさせてくれない
話が、どんどん進んでいって、主人公たちの立場や関係も微妙に変わっていくのは面白いです。でも、それぞれの話が、「起承転結」の「結」の部分は、ほどほどに切り上げて、「数ヶ月後、だからこうなりました・・・」みたいに次の事件の「起」が始まるぶつ切り状態に、ちょっと戸惑います。
描いていないところは、観ている人が想像してねみたいなのは、嫌いではないです。でも、それぞれの場面で、思いっきり笑うことは、許してもらえないみたいなモヤモヤ感との闘いもありました。2時間弱の映画よりも、テレビの連続ドラマで観たいお話かも・・・
売れない作家だった主人公が、最後は、大きな賞を狙えるぐらいの作家になれたのは、どうして?(カリスマ店員の力?)と、自分よりも才能のある別の作家に力を入れていた編集者とは、ふつうに仲直り出来たのか?の2点は、さすがに説明不足かもと思います。
そういうモヤモヤを引きずったままだったので、映画が終わっても、「あー面白かった」という満足感に浸れないのが、惜しいです。
のんにふさわしいシネマ
サクサク進むので見やすい。
酷すぎる
【”文壇大御所VS新人女性作家との果てしなき戦いの数々!”今作は、全く変わらぬ透明感が素敵なのんさんのコメディエンヌとしての魅力満載の”文壇あるある”クスクスコメディなのである。】
ー 私はのんさんの主役出演映画は全て欠かさずに映画館で見ている。
理由は、且つて彼女が公共放送の朝のドラマで天真爛漫なヒロインを演じた事で、東北の民が大きく勇気づけられたからである。朝のドラマなので録画して見ていたが、”物凄い透明感を称えた眼がとても綺麗な女優さんだなあ、笑顔が可愛いなあ。”と思ったモノである。
今作で嬉しかったのは、のんさん(ある時期まで、私はレビューで頑なに能年玲奈さんと書いて来たが・・。)が身に纏う透明感と眼の美しさが全く変わっていない事と、橋本愛さんが出演している事である。
あとは、今は休業しているが「山の上ホテル」の内装と、あの401号室と憧れの501号室がタップリ見れた事である。-
■ある出版社の新人賞を受賞したにもかかわらず、文壇大御所、東十条宗典(滝藤賢一)の書評での酷評により新人作家相田大樹こと中島加代子(のん。以下加代子と記す。)は単行本すら出版できない。そこで、彼女は山の上ホテルの501号室に籠り執筆する東十条に近づくために、401号室に部屋を取りアプローチをしていく。大学の”演劇部”の先輩で大手出版社の編集者遠藤(田中圭)の助力を時々借りながら・・。
◆感想<Caution!内容に触れているのと、且つての"文壇あるある"を入れてます。)
・序盤、中島加代子がホテル従業員に紛争して山の上ホテルの501号に籠って執筆する(文壇あるある①)東十条を邪魔するシーン。”文豪コール!逍遥、四迷に鴎外、露伴!”と叫びながら、シャンパンをシャカシャカ振りながら東十条の原稿にぶちまけるシーン。クスクス可笑しい。
そして、加代子は東十条に一晩中話しかけて、原稿入稿を落とさせて、空いた枠に自分の作品を入れる事に成功するのである。ど根性だなあ。
・その後も加代子は、東十条の愛人でもある銀座のバーの和服姿が似合う明美(田中みな実)と東十条が飲んでいる所(文壇あるある②)に闖入し、ボトルを4本も空にしたり!(お値段、80万!ウーム、銀座のバーは矢張り高いなあ。)、一番可笑しかったのは、ナント東十条の奥様(若村麻由美。凄く嬉しい。)と仲良くなり、彼の家に東十条が買ってあげた明美の和服を借りて押しかけるシーンである。ジワジワと責められる東十条、攻める加代子。序でに彼女は、東十条の娘(高石あかり)とも仲良くなるのである。
それは、”鮫島賞”の最終選考に残った加代子の策略であった。東十条は選考委員の一人で最も影響力のある彼を、選考会に登場させない加代子の高等戦術である。(文壇あるある③:今はどうだか知らないが、且つてはお気に入りの銀座のホステスを取られた文豪が、それを根に持って取られた作家に、絶対に賞を取らせなかった事、多数である。特に名は記さない。)
・だーが、二人は遠藤が高校生作家(服部樹咲)を説得している時に、東十条と加代子を貶した事から、一時休戦し、今度は二人で遠藤に嫌がらせをするために、しょぼいサンタとトナカイに扮装するも、娘2人からしょぼさを指摘され、撃沈するのであーる。クスクス。二人は何だかんだ言って、仲が良いんじゃないのかなあ。
■加代子は、何だかんだ言いながら、徐々に文壇での地位を上げて行くのである。その活動の中で書店での”サイン会”もやったりするわけだが、カリスマ書店員(橋本愛)にポップを書いて貰うように交渉したり、サイン本を置かせて貰ったりするが、偶々居合わせた新刊泥棒を捕まえた時に出て来た本が、東十条のモノであった事に逆上するシーンも可笑しかったなあ。
■けれども、東十条も加代子に刺激を受けて、自宅の書斎に籠って”ヒジョーに読みにくい字を万年筆で書き殴りながら(文壇あるある④:且つては悪筆の文豪専門の解読編集者がいたそうである。)、夜鍋で執筆するのである。
<数々の努力の結果、相田大樹こと加代子は”鮫島賞”選考結果を、編集者遠藤達と喫茶店で待ち、黒電話が鳴った途端に遠藤はその受話器を相田大樹に渡すのである。(文壇あるある⑤。今はラインかなあ、且つては皆で黒電話が鳴るのを睨んでいたそうである。)
そして、相田大樹こと加代子は見事に”鮫島賞”を受賞するのである。
その2年後に、彼女は山の上ホテルの501号室で、原稿用紙を広げるのである。
今作は全く変わらぬ透明感が素敵な、のんさんのコメディエンヌとしての魅力満載の”文壇あるある”クスクスコメディなのである。>
■追記
・エンドロールが終わるまで、席を立っちゃ駄目だよ!!
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