「2025年ベスト級! この面白さと深みはもっと知られてほしい」KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ パンダさんの映画レビュー(感想・評価)
2025年ベスト級! この面白さと深みはもっと知られてほしい
まさかの傑作。
ストーリーは予測不能で、そこまで追い詰められるかと思うほど主人公は窮地に陥る。一方で人間的には着実に成長する。苦悩しながらも大切なものを守り、友人を作り、助けようとする。
デーモンハンターズという勇ましいタイトルとは裏腹に、本作のテーマは「心の壁」。これが極めて繊細に描かれている。戦闘アクションは添え物だ。
韓国のジェネレーションギャップの描写もうまい。「デーモンハントの裏稼業は代々引き継がれる女性グループの使命」という設定だが、抑圧の中で節制を美徳とした前世代と、自己肯定感も大切にしたい現世代。それぞれが否定されずに描かれている。
美術や楽曲も素晴らしい。既に主題曲「Golden」が世界的に大ヒットしているが、改めて作中で耳にするとマジで盛り上がる。
これらが相まって、あらゆるシーンで感情を揺さぶられる。美しい映像と壮大な音楽で何だか分からないけどやたらと感動してしまうのは、日本アニメの真骨頂ではないか(本作はソニー製)。人間の心の琴線、というか秘孔を分かっていないと出来ないことで、韓国が舞台の映画なのに日本人として誇れる気持ちになる。主人公の名前もルミだ。
本作はNetflixアニメで歴代No.1のヒットとなっており、K-POPファンでなくても楽しめることが証明されている。しかし、K-POPファンがニヤリとできる仕掛けも用意されていて、特にボーイズグループの描写は「そうそう、韓国アイドルってこう!」と思わず嬉しくなる。
漫画原作ではないから一本の映画としてまとまり(起承転結)も良い。早くもカムバック(続編)が楽しみだ。
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