劇場公開日 2024年6月22日

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「大バトルアクションじゃないでしょうが」ひとつの空 tagonさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大バトルアクションじゃないでしょうが

2024年6月29日
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鑑賞方法:映画館

空手に己を賭けた女子の
大バトルアクション!!

でなくて、戦う為に空手があるんじゃない、戦わずして勝つ、柔よく剛を倒す日本の武道全般に通ずるスピリットと愛が溢れた映画でした。

宣伝文句から武道一筋に生きるカラテ女子の乱闘や無駄に派手なハリウッド的アクションを期待する人には向きません。制作側は、何を思ってそんな売り文句つけたのか、お金と時間かけて映画を楽しみに来た客の文句を買ってどうするんだと、チラシにツッコミ入れたくなりました。客が最初に目にする不誠実な宣伝文句が映画とセールスを台無しにする、良くない例だと思います。

武道を志すと、精神世界や人生哲学の探求に自ず通じてゆくもので、そのあたりをきちんと日本人が描けなくてどうする?と常々感じますので、良心的な日本映画だと思います。
チャンバラや派手なワイヤーアクションが武道の本質とはかけ離れた世界であることを理解できてないでこの作品をつまらないと安易に評せるとしたら、日本に来て空手をはじめとする武道を真剣に学ぶ外国人に、武道の精神を語っていただくと勉強になりますよ。(私はNYでアメリカ人が主催する居合教室で英語で日本の居合道について説明を受け、日本人より日本的な彼の立ち居振る舞いからカルチャーショックを受けました)
恐らく空手も殺傷能力を極める程に、実戦は地味になるのでしょう。リアルを追求すれば絵的に地味にアート寄りになるんだろうと、気づける力、察する心も観る側に求められる作品なんじゃないかと思います。

普通の女子高生が偶然空手に出会い、子犬のように成長してゆくストーリーは、個人的には好感が持てました。

tagon