「欲と恐れが支配を支える」マハーラージ ウサギさんの映画レビュー(感想・評価)
欲と恐れが支配を支える
クリックして本文を読む
何気なく配信で見たこの映画はかなり重いものだった。
人間社会において支配はどこにでも存在するけれど、ドームのように余す所なく全体を覆われた支配には突破口などなかなか無い。
司祭様が言っていた「内側からは無理だが外側からなら何か出来る」支配に呑み込まれた者が事を動かす難しさを表している。
このJJという宗教指導者は男という生き物の欲深さをよくわかっていて、自分自身もそうであり、性的奉仕の様子を金を取ってまで取り巻きの下僕に覗かせる、それを必要とし群がる下僕らに支えられ、それをやる事でさらに自身の権力を誇示し格差を強固なものにしている。
JJ役の俳優にインパクトがあり、それに付き従うカワスが道化のような狡賢さを醸し出していた。
アーミル・カーン氏の息子は熱演だけれど、もっと眼力が備わっていたら尚良しだったかな、と思う。
ところどころ、ん?と思う箇所もあったが、支配と強欲と不正、狂信と隷属と悪しき慣習、改革と孤独、この世の色んな要素が含まれていて見応えがある作品だった。
コメントする