劇場公開日 2024年9月27日

「35年越しの恋は実るか!?」ビートルジュース ビートルジュース おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.535年越しの恋は実るか!?

2024年9月29日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

ティム・バートン監督の1988年の大ヒット作「ビートルジュース」のまさかの36年越しの続編。未鑑賞だった前作を前夜にあわてて鑑賞し、公開初日に行ってきました。

ストーリーは、35年前にゴーストハウスに引っ越し、そこでの騒動から「人間怖がらせ屋」のビートルジュースに結婚を迫られたリディアは、今や霊能力者として有名になっていたが、彼女の能力を信用せずに反発していた一人娘のアストリッドが悪い幽霊に騙されて霊界に連れ去られてしまったため、再びビートルジュースの助けを借りようとしたことから巻き起こる騒動を描くというもの。

リディアとアストリッドの親子関係の修復をメインに、ビートルジュースの35年越しの恋、その元嫁ドロレスの復讐、亡き祖父や亡き父への思い、幽霊探偵ウルフなど、多くの要素を絡めた霊界ドタバタ劇をコミカルに描いているところが楽しいです。基本的には、ストーリーよりも摩訶不思議な幽霊界とその世界のキモカワキャラを愛でるというのが、本作の王道の楽しみ方だと思います。でも、思ったよりはストーリーがしっかりしていた印象です。

前作未鑑賞でもストーリーは理解できますが、前作から地続きの展開なので、時間があれば事前に前作を観ておくとより楽しめると思います。例えば、前作をきっちり踏襲したオープニング、バターフィールド不動産の登場、デリア作のハエトリグサのようなオブジェなど、前作を知っている者にはニヤリとさせられる小ネタが多く存在します。そんな中、亡き祖父チャールズが最後まであの姿なのはちょっと不憫でしたが、むしろ苦肉の策での登場を評価すべきかもしれません。

他にも、コミカルなシュリンカー、キモカワの“ベイビー・ジュース”、最後はやっぱりのサンド・ワームなど、さまざまなキャラが楽しませてくれます。中でも、映像技術の進歩でもっとリアルに描けるのに、あえてチープ感を残したサンド・ワームには、前作踏襲のこだわりを感じます。その一方で、新キャラ・ドロレスの登場シーンは、インパクトのある映像表現できっちり魅せてくれます。これが以降の展開を期待させるのですが、後半は思いのほか活躍の場面がなかったのが残念です。その分、デフォー探偵は頑張ってくれました。

キャストは、前作に引き続きマイケル・キートン、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラ、新たにジェナ・オルテガ、モニカ・ベルッチ、ウィレム・デフォー、ジャスティン・セロー、アーサー・コンティらが参加しています。中でもマイケル・キートンの前作と遜色のない演技が秀逸です。それに対して、ウィノナ・ライダーが娘に手を焼く母親役となっているのが感慨深いです。

おじゃる