悪い夏のレビュー・感想・評価
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真面目なのかコメディなのか
邦画で、この手の(ってなんだろ、犯罪ミステリー?)映画をあまり観ないのだが、河合優実や竹原ピストルといった配役と、予告で感じた物語に惹かれて鑑賞した。結論から言えば、やや期待外れで、スコアは甘めだと思う。
期待した配役の演技はよかった。とりわけ本筋からは外れた木南晴夏演じる、追い詰められたシングルマザーはかなりよかった。
しかしながら、窪田正孝演じるチンピラ像は定型的で、今ひとつ迫力に欠けていた事と、河合優実ももちろん上手いのだが、「ナミビアの砂漠」「敵」と言った作品と比べると、その魅力を引き出しきれていないと感じた。北村匠海は面白い役者に感じた。
最大のマイナス点は深みに欠ける物語と、ラスト近くクライマックスと思われる、主な登場人物勢揃いと彼らによる乱闘シーンの失敗と思われる。スラップスティックに振りたいのならば、もっと大袈裟な描き方や音響があった気がする。
まあでも最近の邦画ヒット作と比べれば、漫画原作でもなく、チープなファンタジーでもない点は評価されるべきかもしれない。
久しぶりに面白い映画を観させてもらった
他人事ではない
チョメチョメは控えめ。
ノワールじゃなかった
お目当ては河合優実だったけど、北村匠海も最高だった
先日の発表された日本アカデミー賞をはじめ、キネマ旬報ベスト・テンや毎日映画コンクールなどなど、昨年の映画を対象にした映画賞で軒並み主演女優賞を獲得した河合優実が悪役として出演しているらしいということで、取るものも取りあえず観に行きました。
監督は、1月に観た「嗤う蟲」同様に城定秀夫監督作品で、前作では地方蔑視を煽っていた印象でしたが、本作では生活保護受給者とか公務員(ケースワーカー)蔑視を煽る話になっていて、その辺の作風は一致していた感がありました。そのため、前作同様に胸糞悪いストーリー展開だったというのが第一印象でしたが、市役所のケースワーカー役の北村匠海が、理想と現実の狭間で人格崩壊して行く過程の演技や、お目当ての河合優実がどん底でみせる微妙な心情変化の演技などは絶品でした。その他も窪田正孝の半グレぶり、竹原ピストルのクズ男ぶり、木南晴夏のどん底シンマぶりなど、それぞれがそれぞれの役どころを絶妙に演じていて、役者陣の活躍は満点でした。
映像的にも、エアコンのない夏場の蒸し暑さが上手く表現されていましたが、題名も「悪い夏」だし、いっそのこと蒸し暑い夏に公開して欲しかったかなとも感じました。
ストーリーとしては、最終的に勧善懲悪のプチハッピーエンドで、ちょっと意外な感がありましたが、まあこの辺りは原作通りということなんでしょう。「嗤う蟲」と比べると心情表現が素晴らしく、良い点も嫌な点も混在する作品ではありましたが、結構印象に残る作品でした。いずれにしても、今年も河合優実の時代は続きそうだと感じた一作でした。
そんな訳で、本作の評価は★3.4とします。
匠海の大人への階段
身近な地面師達?
カナモトさんカッケー!
いけないことはいけない、それって"普通"のことじゃない?だったら助けてよ
ぼくは見てます。人の弱みに付け込んで、利用するなんて最低です。権力や文字通りの力、必ず強い立場の人間から弱い立場の人間へと行なわれるレイプや性犯罪の図式。そんな人生をブチ壊し命を奪うような事件ですら、くだらないネット記事やワイドショー、SNSなどで心無い扇情的な文句が飛び交ってはエンタメのように消費されるイカれたクソみたいな世の中。巨人の足元でセミの抜け殻のようにぞんざいに扱われ人知れず踏みつけられる命たち。こんな社会でいいんですか?
スキャンダラスなことにすぐ飛びつく"飛んで火に入る夏の虫"な大衆のサルっぷりを逆手に取って、日本の貧困・経済格差や法・制度からはみ出る人々、性差別など社会問題を、予想だにしないカオスに雪崩込む結末までエネルギッシュに描く!そして、作品に欠かすことができない子供という存在から考える、彼らにどんな未来を残していきたいか?不正受給は断固として許すべからず、一方で愛美や古川をただ"クズ"と切り捨てる世の中でもあってほしくない。こんな時代にこれ以上、悪をのさばらせてはダメだ。
城定秀夫 ✕ 向井康介(『ある男』『マイ・ブロークン・マリコ』)✕ 染井為人(『正体』社会問題を扱う明るくない作風?)= 熱量エネルギーのある日本映画!!
北村匠海✕河合優実✕窪田正孝=三者三様スゴくて目が離せない!目に光が当たらず、死んだ目のようになっている状態での独白長台詞がとりわけ異様に鬼気迫るものがあってヤバかった。そんな本作の主人公・佐々木におけるヘアスタイルの前髪が意味するところは、やっぱり自分に自信のない非モテ男子感だと思う。
『あんのこと』『ナミビアの砂漠』など自らが何者かを証明する必要がない地位を築いたとしてもなお果敢に挑戦する姿勢を一向に緩めないで、むしろ演技や映画作りへの情熱が迸り出続けているようなバケモノ級の若き名優、河合優実のまたしても生活が苦しく性的に搾取されるような役柄からの、自身も予期しなかった恋心や母性への目覚めに戸惑うような演技。本当に出で立ちからただ者じゃないというか、彼女がいるだけで画が締まるような異彩を放つ存在だ。
そして、止めポジション(洋画で言えば「And」ポジション)も大納得の『初恋』以来の推し・我らが窪田正孝、どの作品見てもキッレキレでいい!『ある男』『Cloud クラウド』(「グランメゾン東京」スペシャルドラマ?)に続き、先の読めないサイコパス味のあるインテリヤクザといった趣で、本作でも場を支配するような異様な雰囲気を醸し出す出で立ち纏うオーラ、切れ味、そして怖さは圧巻だ。本当にノリにノッている!!
竹原ピストルのお調子者で浅はかな悪知恵を働かせる小悪党な感じも、木南晴夏の顔色悪く・生気なくただその場に漂うように今にも倒れて消え入りそうな灯火の限界さも、各人が適材適所に輝いていた豪華キャストの全員試合。
やがてこのどうしようもない物語は、悪いほう悪いほうへと転がって鉢合わせ全員集合へと叩かみかけていくスラップスティック・コントの応酬を迎える(ex.最近で言っても『ANORA』『ミッキー17』など、またセリフに限って言えば『街の上で』の気まずさも然り)!!
男が身勝手さが女性をいかに困窮させているか?もっと女性同士の連帯があれば、少しずつは違う展開もあり得たのだろうか?まさかの職場恋愛は終盤一周回ってコレが純愛なのかなと思うくらいコミカルに見えるし、映画の中で果たす役割はそれでもいいかもしれないけど、そういう風に被害女性がいるにも関わらず「私には関係ない。どうせ露出多い服着たり、男と2人で飲みに行って誘惑したんでしょ?」的な他人事な無関心が悲しいかな女性内にもあるという残酷な現実を浮き彫りにするがごとく描いているようでもあった。
生きてさえいればやり直せる「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」(チャップリン)
P.S. 原作者の舞台挨拶はよかった!打ち上げの席で染井為人がプライベートで交友のある北村匠海と2人でずっと話していた(というか北村匠海が一方的に喋っていた)ら、窪田正孝が「ちょっと匠海借りていきますね」と連れて行ったけど、締めの言葉で染井為人が挨拶したら窪田正孝が驚いた顔になっていて、すぐに「原作の先生と知らず」と謝りに来た…というエピソードなど。あと、小説の冒頭を主人公が目覚めるところからにしてはいけないらしい?
タイトルのピンクはなんだか邦画でよく見る気がする。それに画面分割して、下に小さい四角でたくさんの人の顔を載せるのも邦画っぽいポスタービジュアル。やっぱり北村匠海や窪田正孝パワーか普段の洋画などの試写会よりも女性が多かった気がした。
狂わせたのは夏の暑さか、嵐の夜か。
生活保護がテーマ
サイコなワルに要注意
全員クズとワル、確かに!
でもそれ以上に全員狂って(く)る!!
ラストのスピード感がたまらん。
誠実の塊な彼が徐々に闇に染まっていく様子に胸が痛む反面、悪びれなくワルな奴らの狡賢さに言葉を失う。
真っ直ぐな人ほど負荷が一気にかかるとボキッといく気がするけど、彼も闇堕ちまでの時間が短くて豹変する様が凄かった。
一方、元々悪いヤツらは柳の枝の如くしなやかに悪事に適応していく、見事!
今回のワルの元締めは賢くて更に腕っぷしも最強、窪田正孝氏、パンチが構えからして違う。情緒面も穏やかに怖い事話して、笑いながら殴りかかってくるヤバさが凄かった。ゾクゾクしたわっ!反社な上にサイコ。
絶対敵に回したらダメなのが素人でもわかるわね。。
面白かった!
河合優美
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