劇場公開日 2025年3月20日

「おっぱいがいっぱい(名もなきパイのうた)」悪い夏 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5おっぱいがいっぱい(名もなきパイのうた)

2025年4月1日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

興奮

2025年映画館鑑賞32作品目
3月31日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円

原作は『正体』の染井為人
監督は『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』『夜、鳥たちが啼く』『銀平町シネマブルース』『嗤う蟲』の城定秀夫
脚本は『聖の青春』『愚行録』『ハード・コア』『マイ・ブロークン・マリコ』『ある男』の向井康介

舞台は架空
船岡市
ロケ地は佐野市と飯能市

生活保護を絡めたサスペンス

ダメ人間しか出ない映画らしい

エログロナンセンス

真夏
エアコンもない貧困
汗ばむエロティシズム

河合優実のはじめのメイクがドギツい
極悪同盟の下っ端みたいな感じ
しかし守と親密になりはじめた頃からなぜか普通になる

窪田正孝はこういう役が一番似合う
無口なマッチョとか童貞っぽい変人よりも

伊藤万理華は下からイライラしながら少し抑えめに理屈っぽいことを言うキャラがよく似合う

箭内夢菜は役作りのためか激太り
野呂佳代かと思ったら違った

『シャイロックの子どもたち』では性悪な銀行員を演じていた木南晴夏は今回も怪演
貧困に喘ぐ母子家庭の疲れ果てた主婦を見事に演じ切った
万引きで捕まり喚き散らすシーンがないのはとても残念

この作品を鑑賞し自民党ガーと食ってかかるヤフコメ民の政治豚みたいな書き込みはできない
映画のレビューに乗じて政治談義に花を咲かせるのは本当は大の苦手だ
全然楽しくない

アパートに主要なメンバーが揃った時これはコメディーかもしれないと思った
揃いも揃った顔と顔
東映オールスター時代劇のクライマックスのよう
まあそれほど凄くはないけど
チャップリンの名言「人生はクローズアップで見れば悲劇だがロングショットで見れば喜劇だ」と思い出した

それにしてもなぜ東京にはホームレスがいるのか
なぜあんなに大量の空き缶を集めて自転車で運ぶのか
仙台や盛岡では見かけたことがない

あとまたしても吉岡睦夫
『早乙女カナコの場合は』『少年と犬』そして今回
3回連続で吉岡睦夫

配役
優実に嵌められる生活保護のケースワーカーの佐々木守に北村匠海
山田に話を持ちかけられ金本の指示で守を嵌めるシングルマザーの河合優実に林野愛美
愛美の娘でお絵描きが大好きな林野美空に佐藤恋和
守の同僚で高野に対する異常な執着と異常な正義感を持つ宮田有子に伊藤万理華
守の上司の嶺本に菅原大吉
妻子を持ちながら後輩の有子と関係を持ち担当している愛美とも肉体関係を続ける守の先輩の高野洋司に毎熊克哉
夫が役場を辞めた途端に離婚する高野の妻に美玖空
高野の娘に出口結葵
高野の息子に太田恵晴
セクキャバの経営者で犯罪の計画者の金本龍也に窪田正孝
金本の愛人でぽっちゃりの莉華に箭内夢菜
ドラッグの売人で生活保護を受けている山田吉男に竹原ピストル
万引きに手を染める貧しい母子家庭の母親の古川佳澄に木南晴夏
佳澄の息子に古川勇太に斉藤拓弥
ホームレスにチャンス大城
佳澄の友人に山本裕子
工場の責任者にカトウシンスケ
刑事に吉岡睦雄
刑事の立花に岩男海史
コンビニの店員に山下永玖
セクキャバのマネージャーの平岡亮
セクキャバの従業員に足立英
スーパーの客に金沢涼恵
コスプレ嬢に渡森さや
コスプレ嬢に松原怜香
市役所の職員に昼間由輝

野川新栄