「原作に程よく現代の価値観を織り込んだ良作」ボルテスV レガシー はじかみさんの映画レビュー(感想・評価)
原作に程よく現代の価値観を織り込んだ良作
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テンポの悪さを指摘するレビューもありますが、原作の展開を考えたら仕方ないと思いました。原作では主人公の母親がやや冷淡に見えてしまうため、その穴を埋めるための物語を入れた結果だと思います。
最近の風潮では、子供が戦いの最前線に立つ描写はセンシティブなものと扱われますし、多少冗長になってもそのフォローは必要でしょう。
基地内のスタッフがほぼ男女半々の比率になっており、管理職クラスの軍人が女性になっていたりするところに「リメイク」と「模倣」の違いを感じました。
70年代に作られたアニメを今もそっくりそのまま作ったら、価値観が合わずに違和感だらけになっていたでしょう。しっかり再現するところは再現し、加筆すべきところは熟考の上加筆した良作だと思います。
ボルテスVの力強さ、歩く姿に怒りや悲しみまで帯びて見える様子に、まさに「大きすぎる愛」を感じました。日本の子供だった自分が、子供の頃に感じた「かっこいい」が詰まっているように思え、「かっこいい」が国境を超えたことに驚かされました。
あえて残念なところを挙げるとしたら、字幕で見たほうがいいです。
日本生まれの作品のはずなのに残念なことですが、全体的に演技のレベル、そしてセリフの翻訳センスがあまりよくありません。
役者さんの演技と言葉が合っていなくて、非常に間延びした話し方をするな、とたびたび感じます。
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