劇場公開日 2024年8月9日

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ボレロ 永遠の旋律のレビュー・感想・評価

全56件中、21~40件目を表示

3.0冗長的、特に前半は要らない

2024年8月22日
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鑑賞方法:映画館

音楽家の生涯は音楽作品がメインで、プライベートな女性関係は参考程度で良いと思うが、登場人物は女性ばかりでダラダラ長々と描かれ、前半で席を立っていく人もいた。
フォーレやドビュッシーやサティやガーシュインや、作品に影響し合った音楽家は出てこない。
ボレロは傑作だが、ピアノ協奏曲第2楽章も聴きたかったので、最後のエンドロールで流れたので良かった。
精確さのボレロとは反対の、あの不思議な魅力の不協和音は彼が精神的に病んでいく(認知症?)影響なのか、2つの曲の対比で彼の頭の中を感じる事が出来たので、我慢して前半で席を立たなくて良かった。

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ゲド

3.0手袋フェチ

2024年8月20日
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鑑賞方法:映画館

イダの「肉体の音楽だ」という発言や不本意な褒められ方にラヴェルは反発するのだが、例えばベジャール振り付けによるドンやギエムの演技を知ってしまうとその通りだとしか言い様がない。いちばんの有名作が必ずしも本人のお気に入りとは限らないのはよくある話で(手塚治虫は「鉄腕アトム」があまり好きじゃなかったらしい)、それを乗り越えるようとする事が新たなモチベーションになるのもまた然り。
それにしても、それこそドンやギエムと比較しても仕方ないけど、バリバールの演技にケチつける気は無いが、踊りのキレの無さは…
レスター・ヤングとビリー・ホリデーは彼の同時代人だったんだなぁ。

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ひろちゃんのカレシ

3.5鑑賞後にボレロのリズムが頭の中でグルグル

2024年8月20日
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非常に繊細な神経を持ち「ボレロ」を作曲した作曲家ラヴェルの半生の運命を描く内容。
エンディングが格好いい!

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デコ山

4.0ラベルの「ボレロ」ではなく

2024年8月19日
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2024年。アンヌ・フォンテーヌ監督。音楽家ラベルが「ボレロ」作曲に至るまでを描いた映画。「ボレロ」作曲に至るまでの、また「ボレロ」作曲後のいくつかのエピソードが「ボレロ」を焦点にしてつなぎ合わされている。「ラベルの「ボレロ」」についての映画。
ラベル自身がそういう経験を苦々しく思っていたらしいこともセリフとして出てくるが、エピソードとして、ラベル=「ボレロ」に収まっていないのは、結婚しなかったラベルの終生のミューズだった女性との関係、靴探し、逆説的だが「ボレロ」初演時のダンスシーンといったところか。とくに、初演時のダンスはジャンヌ・バリバールの過剰な演技(わざとか?)もあいまって、ダンス自体の「ボレロ」との不協和音が強調されており、ラベルから「ボレロ」が奪われていくようにみえる。直後にラベル自身が「自分にはわかっていなかった「ボレロ」の性的な側面」として認めてしまうのだが。
そもあれ、映画自体が「ラベルの「ボレロ」」を表象しているのは間違いなく、工場や近代化の隠喩、時計の音の換喩などはこれまでの「ボレロ」解釈を多用にしたかもしれないが、ラベルといえば「ボレロ」という構図は不変であり、ラベル=「ボレロ」という等号の線をいくらか太くしたり複雑にしたりしたにすぎない。
いや、ラベルが精神を病んでいくことを思えば(ただの認知症にも見えるが)、むしろ、主役はラベルではなく「ボレロ」という近代的な音楽(厳格に均質的なリズム、テーマの繰り返しと微妙な差異、徐々にもりあがって最後に爆発)であり、ラベルという特定の人をある日突然襲ってきた近代社会の音の魔力、その犠牲となった音楽家の悲劇、の映画なのかもしれない。=は等号ではなく、「ボレロ」に飲み込まれたラベル(記号で言えば、ラベル<「ボレロ」)ということかも。

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文字読み

2.5ラヴェルの人生を知ってたらもう少し違ってたかな と思える内容でした...

2024年8月17日
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ラヴェルの人生を知ってたらもう少し違ってたかな
と思える内容でした

時間が行き来するのと、大きな盛り上がりや起承転結のような流れがなく、観終わったあと、久々に、フランス映画ってこうだよね、という思いに駆られる

ただ、ボレロは心地よく、音楽に癒される映画だった

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yukarin

3.5音楽好きな方には良い映画

2024年8月15日
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知的

音楽好きな方には良い映画かも知れませんが、物語としては特に面白みもなく、パトロンとの関係等で淡々と進みます
タバコ嫌いの私には、ラベルのタバコを吸うシーンばかりが目につき、鬱陶しく感じました
そんなにタバコばかり吸ってたら、死んでしまうで!と思いながら見ていたら、62歳という若さで亡くなりました

ラベルを演じた役者は、ラベルに似た人だったんですね!

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jazz須磨

3.0自分は音楽無知なので

2024年8月15日
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ラベルの曲だと思っていたタイトルがほとんど他の作曲家のものでびっくりしました。それだけボレロが大きいのですね。主人公を取り巻く女性俳優は魅力的ではあるものの自分の好みではないので星が辛めですが、面白い映画だと思います

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michi

4.0タイトルなし

2024年8月15日
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ちょっとわかりにくかった。が、繊細だし俳優も良かった。こんなにラヴェルが不幸な人だったとは知らなかった。そしてこういう特性のある人とは。
他の曲もラヴェルはいい。

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Emiri

3.0ボレロを聴きたいがために

2024年8月15日
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鑑賞方法:映画館

バレエもたまに鑑賞しますが、ボレロが聴けるし、もしかしたらバレエも観られる?!と期待しての鑑賞。ちょっと違いました。
私としたことが前半はほとんど寝てしまって記憶が飛び飛び。
個人的には最後のシーンのダンスはあまり好みでなく。それでも音楽は聴けたので頑張ってこの評価です。

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モロッコガール

3.0ボレロが完成するまではそれなりに面白い展開でしたが、完成後のラベェルが病気になっていく展開では、フランス映画ならではの「ヤマナシ・オチナシ」展開に

2024年8月15日
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鑑賞方法:映画館

難しい

 本作は、フランスの作曲家ラヴェルによる不朽の名曲「ボレロ」の誕生秘話を描いた音楽映画です。

●ストーリー
 1928年のパリ。スランプに陥っている作曲家のモーリス・ラベル(ラファエル・ペルソナ)は、ダンサーのイダ・ルビンシュタイン(ジャンヌ・バリバール)から、新作バレエの音楽を依頼されます。しかし一音も書けずにいたのです。
 彼は失った閃きを追い求めるかのように、過ぎ去った人生のページをめくっていきます。戦争の痛み、叶わない美しい愛、最愛の母との別れ。引き裂かれた魂に深く潜り、試行錯誤の日々を経て、傑作「ボレロ」を作り上げます。しかし自身のすべてを注ぎ込んで作り上げたこの曲に、彼の人生は侵食されていくのでした。

●解説
 来年で生誕150周年を迎えるフランスの作曲家、モーリス・ラヴェル。彼の音楽には、たとえば同じフランスで1800年代後半から1900年代初頭の日々を先輩格として活躍したクロード・ドビュッシーと比較しても、どこか機械的な性格がきわだちます。曲が機械的なだけではありません。演奏者もまた、下手に個人的情感を込めるより、譜面通り機械的に演奏することで、立派なラヴェル・サウンドを奏でることができるのです。劇中のラベェルも、自身の作品を演奏するオーケストラに対して、ピッチの正確さを神経質に求めていたのが印象的でした。
 このラヴェルの音楽の機械的性格に着目して作られたのが、「ココ・アヴアン・シャネル」など実話を基にした作品を手がけてきたアンヌ・フォンテーヌ監督による本作です。ジャンルとしては伝記映画。しかしラヴェルの生い立ちを順序だてて史実に忠実に語ることには、ほとんど関心を示していません。時系列をパズルのように組み替えながら、ラベルの人生と苦しみのもとともなった創作の秘密に迫っていくのです。
 映画が始まるやすぐ、映し出されるのは機械音が反復して鳴り響く大きな工場。既に人気作曲家の地位を確立したラヴェルが、そこで工場が奏でる「音楽」の解釈について語るのです。そして本作がラヴェル作品のなかでも特に光を当てる「ボレロ」こそ、そのリズムやメロディーの反復性において、機械的な性格を最も露わにしたものといえます。
 工場の規則的な機械音が、反復するリズムのインスピレーションの源になったエピソードばかりではなく、当時の反復リズムの流行歌を、家政婦に歌わせたり、ラベェルのアメリカ公演でニューヨークで演奏が終わった後、ファンの誘いでジャズライブを聴きに行ったとき、「ボレロ」を連想させるジャズの曲にラベェルが聞き惚れるという意外だが納得の誕生秘話を伏線として描いています。
 監督はラベルを禁欲的な人としてではなく、性的に他者にひかれないアンセクシュアルと捉え、エロチックな振り付けで踊ったイダとの衝突と和解も描き出しました。イダの振付は完成した曲に合わせて艶めかしく人間的な振り付けでした。イダに機械工場を連想させる演出を厳命していた、ラヴェルは失望を隠せません。
 その後世界中でボレロの人気が高まるほど、その成功がラベェルを苦しめ、やがては脳の病気である失語症を引き起こす要因となっていったのでした。
 繰り返されるドラムのリズムと二つの旋律がもたらす陶酔感は、モーリス・ベジャールら多くの振付家にインスピレーションを与えてきましたが、曲や踊りのイメージが強すぎた側面も。但し最愛の母やピアノ奏者、それに終生結ばれることなく愛した女性の存在など情感たっぷりなエピソードがこの物語をより豊かなものにしています。
 それに加えて、フォンテーヌ監督はラベルの人物像とともに、「亡き王女のためのパヴァーヌ」「ピアノ協奏曲ト長調」など、ボレロ以外の作品の美しさにも光を当てています。
 ちなみに演奏は「ボレロ」がブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団によるものに加え、ピアノ曲では、ヨーロッパを代表するピアニストの1人であるアレクサンドル・タローがラベルの名曲の数々を演奏しています。
 ラヴェルを演じるのは、ラファエル・ペルソナ。終始抑制されたその演技は、監督のコンセプトの具現化であると共に、終生音楽にのめり込み、音楽と結婚していたといわれたラヴェル自身の思想の具現化であるようにも見えます。
 また監督の熱意で、モンフォール・ラモーリーにあるラヴェルの実家、ル・ベルヴェデールでの撮影が許可されたことも特筆すべき点です。

●感想
 イダのボレロの振付けは、まるで娼館にいる娼婦のようなエロチックなものでした。曲想とは似ても似つかない踊りに、ラベェルが卒倒し、やがては脳の病気にまでなってしまうというくらいの強い心労を負ってしまったのも頷けます。
 なのに終盤唐突にラベェル自身にボレロには官能的表現が含まれていた、イダには曲の側面を教えられたと感謝してしまうのです。もう少し丁寧に説明してくれないと、本作の言うボレロの官能的側面がよく分かりませんでした。
 そしてボレロが完成するまではそれなりに面白い展開でしたが、完成後のラベェルが病気になっていく展開では、フランス映画ならではの「ヤマナシ・オチナシ」展開となり、母の死や戦争体験などの過去の時系列をアットランダムに描いて行くだけの盛り上がりに欠けるラストになってしまいました。

●《参考までに》『ボレロ』Wikiより抜粋
 この曲は、バレエ演者のイダ・ルビンシュタインの依頼により、スペイン人役のためのバレエ曲として制作された。当初、ラヴェルはイサーク・アルベニスのピアノ曲集『イベリア』から6曲をオーケストラ編曲することでルビンシュタインと合意していたが、『イベリア』には既にアルベニスの友人であるエンリケ・フェルナンデス・アルボスの編曲が存在した。ラヴェルの意図を知ったアルボスは「望むなら権利を譲りましょう」と打診したが、ラヴェルはそれを断って一から書き起こすこととした。(映画では権利を拒否されたことになっていました。)

 作曲は1928年の7月から10月頃にかけて行われた。同年の夏、アメリカへの演奏旅行から帰ってきたラヴェルは、海水浴に訪れていたサン=ジャン=ド=リュズの別荘で友人ギュスターヴ・サマズイユにこの曲の主題をピアノで弾いてみせ、単一の主題をオーケストレーションを変更しながら何度も繰り返す着想を披露した。当初は『ファンダンゴ』という題名が予定されていたが、まもなく『ボレロ』に変更した。

 初演は1928年11月22日にパリ・オペラ座において、ヴァルテール・ストララム(フランス語版)の指揮、イダ・ルビンシュタインのバレエ団(振付: ブロニスラヴァ・ニジンスカ)によって行われた。翌年、イダ・ルビンシュタインが持っていた演奏会場における1年間の独占権がなくなると、『ボレロ』は各地のオーケストラによって取り上げられる人気曲となり、世界の一流オーケストラが『ボレロ』の演奏を拒否するだろうと考えていたラヴェルをおおいに驚かせた。1930年1月にラヴェルはコンセール・ラムルー管弦楽団を指揮し、同曲の録音を行った。(映画ではラヴェル自身がボレロのレコードを聴くシーンがあります。きっと自身の収録を聞いていたのでしょう。)

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流山の小地蔵

4.5ボレロのバレエが好き過ぎて鑑賞

2024年8月14日
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数年前、フリーデマン・フォーゲルのボレロを生で観賞したときから、私はボレロ中毒。まさに、映画で言ってるように中毒。モーリス・ベジャール振り付けのバレエのね。
上野水香のバレエも見に行ったなぁ…。
ほかには演劇でもボレロと名のつく舞台は見に行ってるくらい好き。

そんなだから、ボレロの作家の映画を見ないではいられない。しかし…映画の前半私は「寝息をたてて」「寝ていた」!

後半はしっかと見た。そして…(寝てて理解できなかった部分を解明したいと)迷わずパンフを即購入。私は滅多にパンフを買わないので、連れは(寝てたのにパンフ買った!)とびっくりしたらしい。

これは私には音楽の授業の一コマ。パンフは教科書。教養が深まった気がします。

映画がつまらないわけでは決してない。最後の指揮シーンの美しさは圧巻!

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れい

3.024-082

2024年8月14日
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超有名曲の誕生物語。
多くの人に愛される名曲を生み出すのは並大抵ではないのだなぁ。

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佐阪航

2.5いまひとつピンとこない

2024年8月14日
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ラヴェルが名曲「ボレロ」を生み出すまでだが、生みの苦労がいまひとつピンとこない。3人の女性との関係も、ダンサーのイダ以外ははっきりせず、ドラマとしての盛り上がりがない。
劇伴とボレロの演奏は、さすがに素晴らしい。

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ファランドル

3.5美しい情景、壮厳な音楽

2024年8月14日
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泣ける

悲しい

知的

ラヴェルの絹糸のような感性が痛い…😢

フランス文化華やぐ20世紀初頭、印象派美術、ジャポニスム、アール・ヌーヴォー、映像の隅々に漂う時代の風情。ラヴェルを取り巻く女性達は、自由でエレガントなココ・シャネルのドレスを纏う。セーヌ川がまだ美しかりき頃のパリのたおやかな空気感。時間を忘れて浸りました。
ラストシーンのボレロと指揮演奏、力強いダンスは、まさにカタルシス。

ただ、ミシアをもっと美しく、ラヴェルに相応しい繊細なイメージの女優さんに、ロシアンバレリーナ、イダを、もう少し若く靭やかな身体を持つ女優さんに演じて欲しかった。
キャスティングに些か難有りかと… 残念。

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Sue

5.0伝記読む感じでなんとなく行っただけなのに なんか予想外にすっごく良...

2024年8月14日
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伝記読む感じでなんとなく行っただけなのに
なんか予想外にすっごく良かった

失礼この上ないけど
そんなに期待はしてなかった

前半は
ここまで主人公と共鳴したことあったかと思うほど入り込み

最後の方では
モーリスがなんだか愛おしくて仕方がなかった

いまになって思えば
初っ端の、パッチワーク的なボレロを聞いた時から
きっともう心を持って行かれてた

予想外過ぎたので、甘めに5

あと、これ、書くか迷ったんですけど
ミシアがたまにラウールに見えたのは私だけですか?
顔がとかじゃなくて、なんか全体像っていうか

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jung

3.5情熱的であり、官能的であり、機械的である

2024年8月13日
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作曲家の苦悩と重圧、そしてラヴェルの音楽に身を捧げる姿を観ながらも、その本心は決して見せなかった。
曲を知っているからこそ、作曲途中に時折「ボレロ」の片鱗が垣間見える。
やはり天才にはわがままな女性がよく似合う。

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ななな

4.5曲と同調する音と気配

2024年8月13日
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泣ける

ボレロは大好きだけどラヴェルのことはほとんど知らない素人です。

赤裸々な性的表現がなくてもつたわるエロチシズム、時計や目覚まし、貧乏ゆすりで暗示させられるボレロの旋律。
流行歌などに示唆を得ながらもなかなか形にならないメロディー。

私も書面を書く仕事なので,産みの苦しみを思い出して苦しくなりました。

映像だけでは拾えなくても音と想像力で物語を紡げます。

終わり方はボレロの曲そのもの。

名作だと思います。

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ケンチ

3.0折角の題材なのに中途半端の極み

2024年8月12日
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知的

 あの名曲「ボレロ」の出来るまで、って思ったら、そうでもなくほぼモーリス・ラベルの半生を描いて中止半端なのが致命的。確かに本作は冒頭の工場の響き、そして徹底した「音」にフォーカスし、ボレロに収斂するスタンスだったのに。

 著名なバレーダンサーからの依頼、しかも官能と言うテーマをストレートに与えられての作曲依頼。しかし、当然に閃きは訪れず難航する辺りが映画の柱のはず。そこで描かれるのが、スペインに近いバスク地方の出身と言う事、恋人との奇妙な付き合い方、ローマ大賞なる顕彰に落選続きだった意味、全米ツアーでの大成功、そこで接した黒人のジャズの衝撃、スイスの時計職人と呼ばれる意味、怪しげな娼婦の館でのプラトニック、扇子の音、旋律よりリズムだと声高に叫ぶ、そして母との追憶、戦地での体験、友人との交流などなど、エピソードは多数用意されてます。しかし、それがどうした、同一のリズムが保たれ、2種類の旋律のみが繰り返されるという特徴的なボレロの構成に辿り着くまで、映像的に何にも伝わらないのです。

 それを言うなら、冒頭の大型機械の繰り返し繰り返す多様な騒音で十分でしょ。何故開巻早々に彼女を工場に呼び寄せたのか、それこそを描くべきではなかったか。なにより熟練のダンサーであるイダ・ルビンシュタインの過激なセクシュアリティにほぼ答えは出ていたのではないか。メンタルよりもフィジカル、その肉体の反応と言えば避けようがない程に性的な悦楽にとどめ刺すはず。だから、娼婦にサテンの手袋を着けさす微音をもっと発展させ、連れ添った彼女とのベッドシーンをも描いて欲しかった。

 にも関わらず、パリ・オペラ座での初演の大成功以降のボレロフィーバーに皮肉にも苛まれ、さらに認知症に至るまでをも描いて、これがモーリスですって、面白くも何ともありませんね。残念なことにラベルに扮したイケメン役者さん、まるで色気がありゃしない、生の発露がゼロの酷さ、官能の「か」の字も感じさせない。さらに彼のミューズとなったミシアに扮した女優さん、実際があんなだったのかも知れませんが、とんとミューズに相応しくなく気持ちがどんどんスクリーンから遠ざかってしまう有様。

 ひょっとすると生家も含めて、実際の建物を撮影し、ベルエポック的な極楽を背景から衣装に染み込ませた、流石のフランス映画の芳香だけはスクリーンが溢れ出しているのに。米国のレストランを出た2人がタクシーから降りたらセーヌ河を散策するってシーンがあります。似たような女の服装だから、いきなりフランスに帰ってきたの? 多分これは本国バージョンではなく何かしらカットを施し無謀な繋ぎを施した結果かと。他にも、暗いシーンからいきなり明るいシーンに、普通はあり得ないモンタージュの個所もそんなコトだと推測出来ます。

 なんだかんだ言っても、あのリズムが響き渡れば観客は否応なく引き込まれてしまいます。ことにもタイトルバックあたりで、多様な楽器を使っての旋律の演奏が次々と登場し実に素晴らしい。だから、ラストには改めて演奏されると予測したら、その通りにスタジオでのオーケストラを指揮するシーンが登場しましたが。なんとツマラナイ映像に成り下がったのか、本作の安っぽさを象徴するかのようでした。

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クニオ

3.0まさかの流行歌!?

2024年8月12日
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悲しい

モーリス・ラヴェルのポレロ作曲秘話。

オペラやクラッシクに明るくない自分でも名前ぐらい知っているラベルが、1927年にロシア人バレエダンサーに次のバレエの曲作りを依頼され巻き起こっていくストーリー。

ホント全然知らんかったけれど、作曲家でありピアノ奏者だったんですね。
イベリアを編曲すると述べてアメリカツアーに出かけ、戻ってきても手をつけず、そしてなんと今度は権利がうんたら。
と思ったらバレンシア?全然気にしたことなかったけれど確かにこれって…。

ボレロの作曲秘話と言いつつも、常に寂しさや報われない想いに生きたラベルの半生が主という感じで、観賞後に調べて補完したけれど、劇中では描かれないタクシーでの事故がどうとかいうエピソードもあったんですね。

半分時間潰し的に観賞したけれど、哀しく儚い物語でなかなか面白かった。

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Bacchus

3.0Music, French and smoking

2024年8月12日
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知的

ラベルさんはほんとにこの曲が嫌いだったのかな。

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