劇場公開日 2024年8月9日

  • 予告編を見る

「流行歌バレンシア?オレンジジュースの曲?」ボレロ 永遠の旋律 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 流行歌バレンシア?オレンジジュースの曲?

2025年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 オープニング。様々な音楽ジャンルの「ボレロ」が流れ、ちょっと感動!個人的にはクラシックは無知のほうなので多くを語れないけど、このアレンジしたボレロだけで満足し、後はオマケのようなものに感じた。

 17分間で1分のモチーフを17回繰り返すという飽きてしまいそうな曲作り。工場で機械世界へのメタファーとして作ると依頼者のイダに説明するラベルだったけど、仕上がってみるとバレエの方はエロティックな踊りになっていた・・・スポンサーと作曲者の心の内がぶつかり合う瞬間。しかし、公演時の観客の評判がすこぶる良かった。たしかにエロティックな曲だよね。と自分を納得させるラベル。

 最初のモチーフですら単にドレミファソラシドを使ったメロディーであり、F音がそのまま使われるという不思議な音階(途中でコードCsus4がFやG7になってると解釈できます)。バックのコードがドミナントモーションしてると思えばそれまでだが、展開部分はさらに凄い。知らない人でも不安定な緊張感を得られるミステリアスな部分。調性は同じCなのに、マイナー風、フラメンコ風なスケールだったり、メロディックマイナー、オルタードスケールだったりする。ソロ楽器がころころ変わることも考えれば、これはもうジャズですね♪旋律の変化は、そのまま女性に対しては奥手なラベルの心境そのものだったんじゃないでしょうか。そんなこんなでボレロ楽しめました。

kossy
きりんさんのコメント
2025年9月12日

さすがギタリストのレビュー♪

作品は、世に放たれるとその瞬間から作曲者の意図とは違う生き物になってしまう訳ですが、それを嫌って初演は必ず自分で演っていたのがベートーヴェンでした (耳が聴こえなくなるまで)。

ボレロ。さすがに初演時のあのスポンサーのくねくねし”ベリーダンス“にはラヴェルも激怒でしたね(笑)

ひろちゃんのカレシさんのオススメ=アルゲリッチのラヴェル、ピアノコンチェルト聴いているところです。

ではでは

きりん
きりんさんのコメント
2025年9月12日

さすがギタリストのレビュー♪

〉ジャズの即興性と相互性
まさしくその通りですね。
バリバールの くねくねしたベリーダンス調に激怒した作曲者は可笑しかったけれど、この音楽を聴くと=聴いた本人はなんかウズウズしてきて突飛なことやりたくなるんですね。

(ひろちゃんのカレシさんとkossyさんとのお喋りに僕も混ぜてもらいました)。

アルゲリッチのラヴェルのピアノコンチェルト、僕もいま聴いてるところです。

きりん
ひろちゃんのカレシさんのコメント
2025年9月12日

お邪魔します。興味深く拝読しました。
作中示されているように、彼は萌芽期のモダン・ジャズに親しみ、当時のジャズを面白くしている要素のいくつかを上手く吸収していたと思います。つまり、即興性と相互作用は勿論、リズムや旋律を聴衆の予想を裏切る形でかっこよく崩す、みたいな事です。彼のピアノ協奏曲ヘ長調第一楽章の終わり方など、この「裏切る」感じがよく出ていると思います。もし未聴でしたら、アルゲリッチ盤を是非!

ひろちゃんのカレシ
トミーさんのコメント
2025年9月12日

共感ありがとうございます。
決して一発屋じゃあないんでしょうが、悪魔的なヒット曲が在ると大変ですね~ボブディランの映画をちょっと思い出しました。

トミー
PR U-NEXTで本編を観る