「大御所ゲイとかよわきゲイ」ボレロ 永遠の旋律 オプンチアさんの映画レビュー(感想・評価)
大御所ゲイとかよわきゲイ
同時期上映の『チャイコフスキーの妻』ではゲイとの破綻した結婚生活が暗い画面で重苦しく描かれていたが、こちらは繊細で格調高く、ラヴェル=ゲイの事実をオブラートに包み時々匂わせる程度に留めている。無論、ボレロ誕生の経緯にスポットを当てているのだから、ゲイ告白など対して意味がないと思われるだろう。、しかしラヴェルの出自は誰しもが知るところ。だから彼の立ち位置を明確にし社会不適応やゲイの苦悩を現代にも通底する普遍的なものとして表現することこそ価値ある映画……っていうかその観客をもやもやさせる気取ったフレンチスタイルが気に入らねえ。
ニーチェ、モーパッサン、シューマン彼等が梅毒患者だった事実はいずれの伝記にも見つけられないが、もういい加減、映画になるほどの人生を描く時は、はっきりくっきりと伝えるってのはどうでせう!
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